The Cumulative Cost of Additional Wakefulness: Dose-Response Effects on Neurobehavioral Functions and Sleep Physiology From Chronic Sleep Restriction and Total Sleep Deprivation #134
The Cumulative Cost of Additional Wakefulness: Dose-Response Effects on Neurobehavioral Functions and Sleep Physiology From Chronic Sleep Restriction and Total Sleep Deprivation
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12683469/
0. 論文タイトル・URL
The Cumulative Cost of Additional Wakefulness: Dose-Response Effects on Neurobehavioral Functions and Sleep Physiology From Chronic Sleep Restriction and Total Sleep Deprivation https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12683469/
1. その論文の目的・どこのリサーチか
2003年にペンシルベニア大学が行った慢性的な睡眠不足が神経系に与える影響について調べた研究になります。
2. (先行研究とこれまでの問題)
これまで睡眠負債や慢性的な睡眠不足に関する多くの研究では、 ・被験者が割り当てられた睡眠・覚醒スケジュールを確実に維持することができない ・睡眠・覚醒の測定方法が不定期 ・参加者がルールを守らない ・感度が低い、高度な時系列解析が行われていない など、多くの睡眠研究が行われてきた割には精度が低めである、と言われていまして、 どこまでエビデンスがあるかは怪しいものも多いのだそう。
その中でもわかっていることとしては、 1日4~6時間の睡眠制限(睡眠不足状態)になると、認知機能に支障が出る というのが比較的多く結果が出ていまして、やはり7~9時間睡眠が妥当なのですね。
3. その論文の目的(具体的に)
そこで本研究では、 慢性的な睡眠不足が神経行動へ与える影響を完全な睡眠遮断(徹夜のような)の場合と比較することで、 どのような違いがあるのかを調べてくれております。
4. 方法
48名の参加者を対象に ・8時間睡眠のグループ ・6時間睡眠のグループ ・4時間睡眠のグループ に分けて、14日間続けて行います。 ただし、睡眠遮断の0時間睡眠のグループは、8時間睡眠を一日取ったあと3日間睡眠しない条件となっております。 参加者にはそれぞれ ・The psychomotor vigilance task (PVT)課題:行動覚醒度のパフォーマンスを測定する課題 ・The serial addition/subtraction task:認知機能を測定する課題 ・Stanford Sleepiness Scale:参加者の眠気を測定する尺度 に回答してもらいました。
5. 結果
その結果何がわかったかといいますと、 ・睡眠時間を4時間または6時間に制限して14日間継続すると、8時間睡眠のグループと比べてすべての課題(PVTや認知機能、計算課題)において認知能力の低下が認められた
・主観的な眠気の評価では、実験開始直後には眠気の上昇が見られたが、その後は緩やかになっていき、 睡眠制限が4時間と6時間において有意な差が見られなくなった
・習慣的に睡眠時間が長いひとは、慢性的に睡眠不足になるとより強い影響を受ける傾向がある
・6時間睡眠が慢性的に続くと、一晩徹夜した時の認知機能(覚醒度やパフォーマンス)と同程度になり、 4時間睡眠が慢性的に続くと、二晩徹夜した時と同程度の認知機能まで低下する。
・主観的な眠気の評価は、0時間睡眠のグループは寝ない日が続くと眠気のスコアはどんどん増加していったが、 4時間睡眠と6時間睡眠のグループは同程度のスコアで横ばいになっていき、8時間睡眠に比べて2倍も眠気を感じていた。
・14日間の睡眠制限が終わり、パフォーマンスが最も低下したとき、4時間および6時間の睡眠期間の条件の参加者は、わずかな眠気しか感じなかったと報告した。したがって、慢性的な睡眠不足への適応を示していると考えられる。
・睡眠遮断の方法にかかわらず、行動の覚醒度の低下は15.84時間を超えると生じはじめた。つまり、人が安定した行動機能を保っていられるのは最大で約16時間が限界ということになる。
6. 結論・まとめ
ということで慢性的な睡眠不足が続くと、
というまあ衝撃的な結果でございました。研究者のコメントがわかりやすかったのですがこう述べておられまして、
とのことでした。
7. どんな使い方ができる?
このくらい慢性的な睡眠不足はヤバいんで、 「ちゃんと寝ているけど、まいにち何となく眠い感じがする」という方は 本格的に睡眠改善に取り組んだ方がいいかも。。
私も2日前から本格的な改善プログラムを始めましたが、2日目で効果を実感し始めています。 嬉しいことに、ここ1年で間違いなく最も体調も目覚めも良く、 もう少し早めに取り組んでも良かったなーと反省、、。 今後も睡眠に関する記事は紹介していきますので、シェア等していただけましたら幸いです~、それでは。