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Preliminary Findings Supporting a New Model of How Couples Maintain Excitement in Romantic Relationships https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/01926187.2015.1034634?journalCode=uaft20
2015年にニューイングランド大学らが行った研究で、パートナーとの関係維持のためにはどんな要素が必要なの?というのを調べた研究になります。
パートナーとの関係維持のために何が必要かというと、心理学的には ・恋愛関係の初期段階では、パートナーと一緒に刺激的な活動(屋外でのアクティビティや、わくわくするイベントなど)を一緒に行うこと ・中期以降になると燃えるような恋の期間が終わるので、さめていくこともあるが定期的に刺激的なアクティビティを行うと関係維持しやすくなる ・「恋愛関係における退屈感」の主な特徴は、かつて経験したポジティブな感情の喪失(興奮、情熱、楽しさ、驚きの欠如)が大きな要因となっている ということが言われておりまして、刺激的な感情は恋愛関係であれば必要な要素になるっぽいんだそう。
しかしながら中には、パートナーシップに関して言えば恋人との関係性において ・お互いを支え合っていける関係性 ・刺激的な関係よりも、安心感の方が大切 というのが一般的によく聞く意見であったりもします。 「恋愛であればドキドキ感があればいいけど、長期的なパートナーシップであれば安心感が欲しい!」ってわけですな。
こちらも非常に重要な要素ではあるのですが、この見解に関しては性差の影響が大きいっぽく、ノルウェー科学技術大学の研究によれば、 ・女性は男性に対して、「経済状況」が重要と回答 ・男性は女性に対して、「知性」や「健康状態」が重要と回答 と回答していまして、 女性は出産という大きなイベントがあるためその後の子育てにおいても、安心感があったり、お金を持っている男性を必要とする、 逆に男性は自分の遺伝子を残すために健康的な子供を産む可能性が高い若くて魅力的な女性を好む というのが進化心理学的には言われております。(くつがえる可能性はありますが)
そこで本研究の目的は、 ・個人がどのようにして数年間にわたって恋愛関係を刺激的に保つことができるか ・「関係維持」という視点において必要な要素は何か を調べてくれました。
研究は2つに分かれていまして、研究1では ・恋愛関係が3年以上続いている103名の男女に対して、恋愛関係尺度を回答してもらう 研究2では ・関係維持のための3つの活動(良いコミュニケーション、活動の共有、自律性)が恋愛関係の盛り上がりや関係満足度の高さと統計的に関連するかどうかを調べる ことを目的にしております。
その結果、研究1でわかったこととして、 ・関係維持のためには「刺激的な活動」と「関係維持のための活動」の2種類が必要だ!とされ、その要素がこちらになります。 ◎刺激的な活動
冒険好きである: ロッククライミングやブッシュウォーキング、釣りなど。よく新しい場所に行き、一緒に新しい体験をする。コンフォートゾーン以外のことをする。
情熱的である:3年以上付き合っても。自発的に情熱的でロマンチックな関係を築こうとする。
遊び心がある:お互いに冗談を言い合い、楽しむことやおかしな行動を恐れない。くすぐり合ったり、驚かせたり、バカなことをして笑わせたりする
性的関係であること:おもちゃを使ったり体位など、新しいことを研究したり試す。様々なタイプのセックスをし、一緒にセックスを探究する。
自発的である:プレゼント、旅行、料理などでお互いを驚かせる。"Random acts of kindness."(自発的、突発的なものでその中には優しさがあること)
◎関係維持のための活動
Good Communicating: お互いに何でも話し合えるし、話している。とても正直で、オープンに情報を積極的に提供する。定期的にお互いを補い合っている。
活動の共有 :お互いが楽しめることをして一緒に過ごす。一緒に休日を過ごし、一緒に趣味を持つ。
自律的であること:お互いに別々の興味や活動をしている。だが必要に応じて、お互いの空間(物理的・心理的)を尊重する。お互いにアクティビティをしたり、自分の友達を持つことを尊重している。
研究2で分かったことは、 ・「関係維持のための活動」の3つの変数が、興奮度と関係満足度の両方に有意に関連していた
・ただ、その中でも自律性は興奮度や満足度との相関が最も低かった
中には海外の方っぽいなーという内容もありましたが、もちろん私たち日本人にも当てはまるものもありましたね。 まとめると、 ・良い関係維持のためには、「良いコミュニケーションができていること」「活動を共有していること」「自律的であること」が必要
・関係維持のためには「刺激的な活動」もやっぱり必要 という結果となりました。
自律性は相関が低かったということで、研究者は
この変数が重要なのは、一部のカップルや個人に限られるのかもしれない。ほとんどのカップルでは、自律性は良好な一般的な関係を維持するのに役立ち、一部のカップルでは、一般的な関係が悪くなる結果となっている可能性がある。
と述べておりまして、自律性はカップルによるのではないか、という見解になりました。
今回の研究では「安心感」の要素が出てこなかったので何とも言えませんが、 ・こと「恋愛関係」という点においては安心感は必要ではない ・しかし、長期的な関係性を築いていく相手(パートナー)としては安心感は必要 みたいな感じではないかなーと個人的には思いました。
確かに刺激的な活動がなければそれは「友達」でも良くなってしまう訳で、恋愛関係が友達とは違う特別なものになるのは 「お互いを特別な存在に感じる刺激」があるのではないかと。 長く一緒にいると慢性的になってしまい刺激の部分が減ってくると、楽しかった関係の喪失感に変わってしまうのですかねー。その変化を「恋愛→愛情への変化だ」といった認知形成や自分なりの解釈ができると、喪失感と思わずに済んだりするのかな?なーんて思いました。どうぞよしなに。
0. 論文タイトル・URL
Preliminary Findings Supporting a New Model of How Couples Maintain Excitement in Romantic Relationships https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/01926187.2015.1034634?journalCode=uaft20
1. その論文の目的・どこのリサーチか
2015年にニューイングランド大学らが行った研究で、パートナーとの関係維持のためにはどんな要素が必要なの?というのを調べた研究になります。
2. (先行研究とこれまでの問題)
パートナーとの関係維持のために何が必要かというと、心理学的には ・恋愛関係の初期段階では、パートナーと一緒に刺激的な活動(屋外でのアクティビティや、わくわくするイベントなど)を一緒に行うこと ・中期以降になると燃えるような恋の期間が終わるので、さめていくこともあるが定期的に刺激的なアクティビティを行うと関係維持しやすくなる ・「恋愛関係における退屈感」の主な特徴は、かつて経験したポジティブな感情の喪失(興奮、情熱、楽しさ、驚きの欠如)が大きな要因となっている ということが言われておりまして、刺激的な感情は恋愛関係であれば必要な要素になるっぽいんだそう。
しかしながら中には、パートナーシップに関して言えば恋人との関係性において ・お互いを支え合っていける関係性 ・刺激的な関係よりも、安心感の方が大切 というのが一般的によく聞く意見であったりもします。 「恋愛であればドキドキ感があればいいけど、長期的なパートナーシップであれば安心感が欲しい!」ってわけですな。
こちらも非常に重要な要素ではあるのですが、この見解に関しては性差の影響が大きいっぽく、ノルウェー科学技術大学の研究によれば、 ・女性は男性に対して、「経済状況」が重要と回答 ・男性は女性に対して、「知性」や「健康状態」が重要と回答 と回答していまして、 女性は出産という大きなイベントがあるためその後の子育てにおいても、安心感があったり、お金を持っている男性を必要とする、 逆に男性は自分の遺伝子を残すために健康的な子供を産む可能性が高い若くて魅力的な女性を好む というのが進化心理学的には言われております。(くつがえる可能性はありますが)
3. その論文の目的(具体的に)
そこで本研究の目的は、 ・個人がどのようにして数年間にわたって恋愛関係を刺激的に保つことができるか ・「関係維持」という視点において必要な要素は何か を調べてくれました。
4. 方法
研究は2つに分かれていまして、研究1では ・恋愛関係が3年以上続いている103名の男女に対して、恋愛関係尺度を回答してもらう 研究2では ・関係維持のための3つの活動(良いコミュニケーション、活動の共有、自律性)が恋愛関係の盛り上がりや関係満足度の高さと統計的に関連するかどうかを調べる ことを目的にしております。
5. 結果
その結果、研究1でわかったこととして、 ・関係維持のためには「刺激的な活動」と「関係維持のための活動」の2種類が必要だ!とされ、その要素がこちらになります。 ◎刺激的な活動
冒険好きである: ロッククライミングやブッシュウォーキング、釣りなど。よく新しい場所に行き、一緒に新しい体験をする。コンフォートゾーン以外のことをする。
情熱的である:3年以上付き合っても。自発的に情熱的でロマンチックな関係を築こうとする。
遊び心がある:お互いに冗談を言い合い、楽しむことやおかしな行動を恐れない。くすぐり合ったり、驚かせたり、バカなことをして笑わせたりする
性的関係であること:おもちゃを使ったり体位など、新しいことを研究したり試す。様々なタイプのセックスをし、一緒にセックスを探究する。
自発的である:プレゼント、旅行、料理などでお互いを驚かせる。"Random acts of kindness."(自発的、突発的なものでその中には優しさがあること)
◎関係維持のための活動
Good Communicating: お互いに何でも話し合えるし、話している。とても正直で、オープンに情報を積極的に提供する。定期的にお互いを補い合っている。
活動の共有 :お互いが楽しめることをして一緒に過ごす。一緒に休日を過ごし、一緒に趣味を持つ。
自律的であること:お互いに別々の興味や活動をしている。だが必要に応じて、お互いの空間(物理的・心理的)を尊重する。お互いにアクティビティをしたり、自分の友達を持つことを尊重している。
研究2で分かったことは、 ・「関係維持のための活動」の3つの変数が、興奮度と関係満足度の両方に有意に関連していた
・ただ、その中でも自律性は興奮度や満足度との相関が最も低かった
6. 結論・まとめ
中には海外の方っぽいなーという内容もありましたが、もちろん私たち日本人にも当てはまるものもありましたね。 まとめると、 ・良い関係維持のためには、「良いコミュニケーションができていること」「活動を共有していること」「自律的であること」が必要
・関係維持のためには「刺激的な活動」もやっぱり必要 という結果となりました。
自律性は相関が低かったということで、研究者は
と述べておりまして、自律性はカップルによるのではないか、という見解になりました。
7. どんな使い方ができる?
今回の研究では「安心感」の要素が出てこなかったので何とも言えませんが、 ・こと「恋愛関係」という点においては安心感は必要ではない ・しかし、長期的な関係性を築いていく相手(パートナー)としては安心感は必要 みたいな感じではないかなーと個人的には思いました。
確かに刺激的な活動がなければそれは「友達」でも良くなってしまう訳で、恋愛関係が友達とは違う特別なものになるのは 「お互いを特別な存在に感じる刺激」があるのではないかと。 長く一緒にいると慢性的になってしまい刺激の部分が減ってくると、楽しかった関係の喪失感に変わってしまうのですかねー。その変化を「恋愛→愛情への変化だ」といった認知形成や自分なりの解釈ができると、喪失感と思わずに済んだりするのかな?なーんて思いました。どうぞよしなに。