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1.The Effects of Action, Normality, and Decision Carefulness on Anticipated Regret: Evidence for a Broad Mediating Role of Decision Justifiability https://ink.library.smu.edu.sg/cgi/viewcontent.cgi?article=2001&context=lkcsb_research 2.Regret Aversion and Decision Pr ersion and Decision Process Quality: E ocess Quality: Effect of Regr ect of Regret Salience on Decision Process Carefulness https://ink.library.smu.edu.sg/cgi/viewcontent.cgi?article=1496&context=lkcsb_research
今日はシンガポールマネジメント大学の研究を2本まとめてご紹介します。後悔と選択に関する研究です。
1つ目の研究は行動、規範、意思決定の慎重さが後悔に与える影響を調べた研究。 2つ目の研究は後悔への嫌悪が意思決定プロセスに与える影響について調べた研究になります。
後悔したくないという思いは意思決定に影響を与えていることは何となく想像がつくと思うのですが、後悔への嫌悪感や行動するかしないか、社会的な行動規範など、意思決定は様々な影響を受けることが考えられます。そこで、意思決定がどのようなプロセスを経て意思決定に影響を与えているのか、ということを目的に調べました。
1つめの研究では、実験が3つにわかれているのですが、study1では76人の参加者を対象に 「2人の母親がそれぞれ自分の小さな子供にインフルエンザの脅威からワクチンを打つかどうかの決断を迫られるシナリオ」を読んでもらいます。そのあと、 ・2人の母親はワクチンを接種する/しない ・社会的規範行動(ほかの家族や友人は摂取している) ・他の家族とは異なる選択をする という3つの選択肢があり、どの選択肢を選んでも子供はインフルエンザにかかる(病気になる)という設定です。その上で、それぞれの母親の予想される後悔と決断の正当性を評価しました。 ※study2,3は割愛
2つめの研究では49人の参加者に対し、リスクが高いが高い報酬が得られる4つの選択肢を与えられます。 その4つの選択肢について、 (1)意思決定に至るまでの時間 (2)収集された情報量 を測定することを目的としています。 その4つの選択肢はマウスでクリックするとその選択を見ることができますが、一度に見れるのは2つまで。 これが全部で8つのフィールドがあり、合計して、32の選択肢があるが、見ることができるのは最大16個まで。 制限時間は15分で、十分に検討したと思った時点で選択を終えてよい、というシステムになっています。 ※実験手順が複雑で僕の英語力では理解できなかったので、わかる方教えて下さい、、) 統制グループには自分の選択の結果だけが伝えられますが、実験群には選ばなかったすべての選択肢が見せられます。 このあとの後悔の大きさなどを測定するというわけですね。
これらの実験の結果から何がわかったかといいますと、 ・行動や行動しないことがより大きな後悔につながるかどうかは、選んだ選択肢の正当性に依存する ・社会的規範性(こうするのが一般的に正しいみたいな選択)は、選択肢の正当性を媒介して、後悔するかどうかに影響を与えた ・慎重な意思決定プロセスは、悪い結果の後悔を防ぐ
つまり、 「後悔するかもよ!」という側面を前面に出すことで、慎重に意思決定プロセスを行うようになり、まずは情報を集めようとする。情報を集めることで自分の選択への正当性が高まっていく。それによって「後悔しない選択をした」と思えるようになる、というプロセスがあるようです。 そしてもうひとつは、人は行動後に後悔するのではなく、行動するまでの自分の行動への正当性(知覚された正当性) によって強く影響を受けるということ。
恋愛や職業選択など、人生において後悔したくない、という場面は幾度となく出てくると思いますが、後悔しないで済むかどうかは選択の結果ではなく、選択するまでに自分自身で正当性を持っているか(後悔しないほど準備をした、検討した)という自覚があるかどうかで決まるということです。いつまでも選択できずに、選択肢が失われることもあったりするので人生は単純ではありませんが、後悔したくないならたくさん悩み検討した上で選択すれば、ある程度後悔は減らせるよ!というご提案でした。
0. 論文タイトル・URL
1.The Effects of Action, Normality, and Decision Carefulness on Anticipated Regret: Evidence for a Broad Mediating Role of Decision Justifiability https://ink.library.smu.edu.sg/cgi/viewcontent.cgi?article=2001&context=lkcsb_research 2.Regret Aversion and Decision Pr ersion and Decision Process Quality: E ocess Quality: Effect of Regr ect of Regret Salience on Decision Process Carefulness https://ink.library.smu.edu.sg/cgi/viewcontent.cgi?article=1496&context=lkcsb_research
1. その論文の目的・どこのリサーチか
今日はシンガポールマネジメント大学の研究を2本まとめてご紹介します。後悔と選択に関する研究です。
2. (先行研究とこれまでの問題)
1つ目の研究は行動、規範、意思決定の慎重さが後悔に与える影響を調べた研究。 2つ目の研究は後悔への嫌悪が意思決定プロセスに与える影響について調べた研究になります。
3. その論文の目的(具体的に)
後悔したくないという思いは意思決定に影響を与えていることは何となく想像がつくと思うのですが、後悔への嫌悪感や行動するかしないか、社会的な行動規範など、意思決定は様々な影響を受けることが考えられます。そこで、意思決定がどのようなプロセスを経て意思決定に影響を与えているのか、ということを目的に調べました。
4. 方法
1つめの研究では、実験が3つにわかれているのですが、study1では76人の参加者を対象に 「2人の母親がそれぞれ自分の小さな子供にインフルエンザの脅威からワクチンを打つかどうかの決断を迫られるシナリオ」を読んでもらいます。そのあと、 ・2人の母親はワクチンを接種する/しない ・社会的規範行動(ほかの家族や友人は摂取している) ・他の家族とは異なる選択をする という3つの選択肢があり、どの選択肢を選んでも子供はインフルエンザにかかる(病気になる)という設定です。その上で、それぞれの母親の予想される後悔と決断の正当性を評価しました。 ※study2,3は割愛
2つめの研究では49人の参加者に対し、リスクが高いが高い報酬が得られる4つの選択肢を与えられます。 その4つの選択肢について、 (1)意思決定に至るまでの時間 (2)収集された情報量 を測定することを目的としています。 その4つの選択肢はマウスでクリックするとその選択を見ることができますが、一度に見れるのは2つまで。 これが全部で8つのフィールドがあり、合計して、32の選択肢があるが、見ることができるのは最大16個まで。 制限時間は15分で、十分に検討したと思った時点で選択を終えてよい、というシステムになっています。 ※実験手順が複雑で僕の英語力では理解できなかったので、わかる方教えて下さい、、) 統制グループには自分の選択の結果だけが伝えられますが、実験群には選ばなかったすべての選択肢が見せられます。 このあとの後悔の大きさなどを測定するというわけですね。
5. 結果
これらの実験の結果から何がわかったかといいますと、 ・行動や行動しないことがより大きな後悔につながるかどうかは、選んだ選択肢の正当性に依存する ・社会的規範性(こうするのが一般的に正しいみたいな選択)は、選択肢の正当性を媒介して、後悔するかどうかに影響を与えた ・慎重な意思決定プロセスは、悪い結果の後悔を防ぐ
6. 結論・まとめ
つまり、 「後悔するかもよ!」という側面を前面に出すことで、慎重に意思決定プロセスを行うようになり、まずは情報を集めようとする。情報を集めることで自分の選択への正当性が高まっていく。それによって「後悔しない選択をした」と思えるようになる、というプロセスがあるようです。 そしてもうひとつは、人は行動後に後悔するのではなく、行動するまでの自分の行動への正当性(知覚された正当性) によって強く影響を受けるということ。
7. どんな使い方ができる?
恋愛や職業選択など、人生において後悔したくない、という場面は幾度となく出てくると思いますが、後悔しないで済むかどうかは選択の結果ではなく、選択するまでに自分自身で正当性を持っているか(後悔しないほど準備をした、検討した)という自覚があるかどうかで決まるということです。いつまでも選択できずに、選択肢が失われることもあったりするので人生は単純ではありませんが、後悔したくないならたくさん悩み検討した上で選択すれば、ある程度後悔は減らせるよ!というご提案でした。