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Does Intrinsic Motivation Fuel the Prosocial Fire? Motivational Synergy in Predicting Persistence, Performance, and Productivity #74

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0. 論文タイトル・URL

Does Intrinsic Motivation Fuel the Prosocial Fire? Motivational Synergy in Predicting Persistence, Performance, and Productivity http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?doi=10.1.1.710.3949&rep=rep1&type=pdf

1. その論文の目的・どこのリサーチか

2008年、アダムグラント先生の研究になります。

2. (先行研究とこれまでの問題)

働くモチベーションについて、「向社会的動機」というものがあります。 これは誰かのためになりたい、とか、他の人の役に立ちたい、というモチベーションです。 向社会的動機が高い人ほど、自分の努力によって誰かのためになっているという他者へのコミットメント(Grant, 2007)、ネガティブなフィードバックを受け入れる能力、耐久力、パフォーマンス、および生産性の向上を促進すると言われています。

しかしながら、職務遂行能力の評価や協調的な行動とは有意に関連しないことを示唆する研究もあり統一的な結果が得られていません。

というのも、向社会的動機が一側面だけで表せるものだけではないから、ということを指摘しています。 誰かのために何かしたい、という想いが個人の価値観からくるものなのか、それとも義務感やプレッシャーによるものなのか、ということも考えられるからです。

3. その論文の目的(具体的に)

そこで本研究では、向社会的動機が内発的動機(好きだからやる、自己決定的)を伴っている時のみ、生産性やパフォーマンスを高める、と仮説を立てて実験を行いました。

4. 方法

研究は2つにわかれていまして、研究1では消防士58名を対象に、質問紙調査で向社会的動機、内発的動機、残業時間を測定。 研究2ではコールセンターに勤務する140人に、向社会的動機、内発的動機、仕事の満足度を測定。彼らのマネージャーに対しては彼らの生産性やパフォーマンスについても測定してもらいました。

5. 結果

向社会的動機と内発的動機の両方を高レベルで報告した消防士は、2ヵ月後の残業時間が多かった。

内発的動機は、職務満足ではなく、向社会的動機と相互作用して、パフォーマンスと生産性の両方を予測する向社会的動機と行動の関係を強化するのは、内発的動機による自律性や自己決定感ではなく、仕事の満足度であったことから、良好な職務態度であるとも考えられる。

仕事の満足度は従業員が職場にいる他の人々をより好意的に認識することにつながり、向社会的動機を持つ従業員が一緒に働く仲間のために、努力をする意欲を高める、と考えられる

6. 結論・まとめ

誰かのために何かしたい、という想いをもって働いている人は内発的動機が高い、という話ではなく、 なんと仕事への満足度や、職務態度が良いことで周囲との関係性が良くなっていき、みんなのために自分も頑張りたい、という思いが強くなっていく、ということがわかりました。

個人的には内発的動機が高いから向社会的動機が高い、と思っていたので、少し意外な結果でした。

7. どんな使い方ができる?

誰かのために頑張るモチベーションがわかない人もいるのではないでしょうか。しかしながら、他者貢献の想いがないと、「え?人としてどうなん?」みたいに思われたり、評価されないのではないか、と思う方もいると思います。 そういう人は誰かのために、など思う必要はなく、自分の仕事の満足度を高めたり、一緒に働く人との関係をよくしていこうとするだけで、そういう想いが芽生えてくるかもしれません。 私は自分のために頑張ることにモチベーションを感じるタイプなので、人間関係構築を頑張ろうと思いました。それでは。