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National Sleep Foundation’s sleep time duration recommendations: methodology and results summary https://www.sleephealthjournal.org/article/S2352-7218%252815%252900015-7/fulltext
National Sleep Foundationに掲載された2015年の論文で、睡眠の量に関する研究です。
先日は睡眠の質に関する研究をご紹介しましたが、今回は「睡眠の量」「睡眠時間」に関する研究です。
巷では7~9時間、最低でも6時間寝ることが望ましいよ! なんて言われていますが、最近の睡眠研究では「本当にそうなの?」という疑問が生じているそう。 私も7時間~8時間睡眠が一般的な睡眠時間だと思っていたので、違うの?!と思いまして調べてみました。
本研究では、睡眠時間に関する推奨事項を科学的に更新することを目的としました。
今回も前回の睡眠の質と同様に、睡眠の量についてシステマティックレビューを行い、2412件の論文から312件の論文が抽出されました。
・正常な睡眠をとっている健康な人の場合、10代では8~10時間、若年層と成人では7~9時間、高齢者では7~8時間の睡眠が適切とされた。厳密にはこんな感じ。 ▼年齢別のベストな睡眠時間 0~3か月:14~17時間 4~11か月:12~15時間 1~2歳:11~14時間 3~5歳:10~13時間 6~13歳:9~11時間 14~17歳:8~10時間 18~25歳:7~9時間 26~64歳:7~9時間 65歳以上:7~8時間 ・十分な睡眠時間の要件は、生涯にわたって、また人によって異なる。 ・多くの研究ではベッドに入った時間と実際の睡眠時間を区別していないことが多い。そのため、データは実際の睡眠時間よりも高い数値が記録されてしまっている。対照的に、実験室で測定した睡眠時間を用いた介入研究では、一般的に睡眠時間が短くなる。 ・基本的には上記の時間に治まっていることが望ましく、その時間を大きく逸脱している場合は幸福や健康を損なう可能性がある。
この記事を読んでいるような年齢層の方は7~9時間睡眠が妥当な範囲ですが、 必要な睡眠時間は個人によって、そして生涯にわたって変化していくそうなので、 7時間睡眠がいいかどうか、8時間寝た方がいいのかは人によって違うということを認識しておく必要があるかと言えるでしょう。
また、例えば仮に7時間睡眠でパフォーマンスが発揮できる人でも、寝る前にブルーライトを見ていたり、お酒を飲んでいたり、入眠前に運動していたり、カフェインの効果が切れる前に睡眠に入ってしまっていたら、睡眠の質は低下します。そうなれば7時間寝ていても翌朝の目覚めが悪かったり。パフォーマンスが発揮できないこともあるので、何時間寝たら良いか、何時間睡眠ならパフォーマンスが発揮できるか、という問題は睡眠時間だけの問題ではないのですね。 つまり睡眠時間と睡眠の質を同時に考えないと、睡眠の問題は解決できないという結論にいたりました。
「睡眠時間」だけで言えば7~9時間に治まるように眠り、基本的には毎日の入眠時刻と起床時刻を安定させることが良い睡眠習慣につながることがわかっているので、まずは自分にとって何時間眠ると主観的に調子が良いのかを測定してみるのがよさそう。あとは人によって必要な睡眠時間が違うことはいわば遺伝子によって決まっているということなので、クロノタイプ診断とかやってみるのもおすすめです。 コメント欄にリンクを貼っておきますね~、それでは。
・ミュンヘンクロノタイプ診断 https://mctq.jp/
0. 論文タイトル・URL
National Sleep Foundation’s sleep time duration recommendations: methodology and results summary https://www.sleephealthjournal.org/article/S2352-7218%252815%252900015-7/fulltext
1. その論文の目的・どこのリサーチか
National Sleep Foundationに掲載された2015年の論文で、睡眠の量に関する研究です。
2. (先行研究とこれまでの問題)
先日は睡眠の質に関する研究をご紹介しましたが、今回は「睡眠の量」「睡眠時間」に関する研究です。
巷では7~9時間、最低でも6時間寝ることが望ましいよ! なんて言われていますが、最近の睡眠研究では「本当にそうなの?」という疑問が生じているそう。 私も7時間~8時間睡眠が一般的な睡眠時間だと思っていたので、違うの?!と思いまして調べてみました。
3. その論文の目的(具体的に)
本研究では、睡眠時間に関する推奨事項を科学的に更新することを目的としました。
4. 方法
今回も前回の睡眠の質と同様に、睡眠の量についてシステマティックレビューを行い、2412件の論文から312件の論文が抽出されました。
5. 結果
・正常な睡眠をとっている健康な人の場合、10代では8~10時間、若年層と成人では7~9時間、高齢者では7~8時間の睡眠が適切とされた。厳密にはこんな感じ。 ▼年齢別のベストな睡眠時間 0~3か月:14~17時間 4~11か月:12~15時間 1~2歳:11~14時間 3~5歳:10~13時間 6~13歳:9~11時間 14~17歳:8~10時間 18~25歳:7~9時間 26~64歳:7~9時間 65歳以上:7~8時間 ・十分な睡眠時間の要件は、生涯にわたって、また人によって異なる。 ・多くの研究ではベッドに入った時間と実際の睡眠時間を区別していないことが多い。そのため、データは実際の睡眠時間よりも高い数値が記録されてしまっている。対照的に、実験室で測定した睡眠時間を用いた介入研究では、一般的に睡眠時間が短くなる。 ・基本的には上記の時間に治まっていることが望ましく、その時間を大きく逸脱している場合は幸福や健康を損なう可能性がある。
6. 結論・まとめ
この記事を読んでいるような年齢層の方は7~9時間睡眠が妥当な範囲ですが、 必要な睡眠時間は個人によって、そして生涯にわたって変化していくそうなので、 7時間睡眠がいいかどうか、8時間寝た方がいいのかは人によって違うということを認識しておく必要があるかと言えるでしょう。
また、例えば仮に7時間睡眠でパフォーマンスが発揮できる人でも、寝る前にブルーライトを見ていたり、お酒を飲んでいたり、入眠前に運動していたり、カフェインの効果が切れる前に睡眠に入ってしまっていたら、睡眠の質は低下します。そうなれば7時間寝ていても翌朝の目覚めが悪かったり。パフォーマンスが発揮できないこともあるので、何時間寝たら良いか、何時間睡眠ならパフォーマンスが発揮できるか、という問題は睡眠時間だけの問題ではないのですね。 つまり睡眠時間と睡眠の質を同時に考えないと、睡眠の問題は解決できないという結論にいたりました。
7. どんな使い方ができる?
「睡眠時間」だけで言えば7~9時間に治まるように眠り、基本的には毎日の入眠時刻と起床時刻を安定させることが良い睡眠習慣につながることがわかっているので、まずは自分にとって何時間眠ると主観的に調子が良いのかを測定してみるのがよさそう。あとは人によって必要な睡眠時間が違うことはいわば遺伝子によって決まっているということなので、クロノタイプ診断とかやってみるのもおすすめです。 コメント欄にリンクを貼っておきますね~、それでは。