KazApps
commented
2 months ago 手元に完全に検証できる環境がない(仮想環境入れる時間は現在なく、現在の環境もできれば消したくない)ため、 動作確認が完全にできているわけではありませんが、以下の手順でこちらの環境 Windows 11 + WSL2 + Ubuntu 24.04 + AOCC 4.2では一応動きました。 Intel Compilerでも大体同様の手順ですが、Intel CompilerのlinkerがPE Headerに対応してない(簡単に言うとWindows用のバイナリを吐けない)ため、もう少し面倒になります。そちらももし必要になればまたissueを開いてくだされば対応いたします。
以下の手順で何か問題が発生した場合は、改めてお知らせいただけるとありがたいです。
なお、以下のコマンドはすべて特に明記がなければWSL上です。
AOCCコンパイラのインストール
既にインストールが済んでいていて、/opt/AMD/aocc-compiler-4.2.0/bin/clang++ --versionコマンドが正しく動作する場合には読み飛ばしてもらって結構です。
https://www.amd.com/ja/developer/aocc/eula/aocc-4-2-eula.html?filename=aocc-compiler-4.2.0_1_amd64.debのライセンスに同意し、以下のコマンドでインストールする。
cd /tmp/
wget https://download.amd.com/developer/eula/aocc/aocc-4-2/aocc-compiler-4.2.0_1_amd64.deb
sudo apt install ./aocc-compiler-4.2.0_1_amd64.debインストール後、/opt/AMD/aocc-compiler-4.2.0/bin/clang++ --versionコマンドで
AMD clang version 16.0.3 (CLANG: AOCC_4.2.0-Build#89 2023_12_13)
Target: x86_64-unknown-linux-gnu
Thread model: posix
InstalledDir: /opt/AMD/aocc-compiler-4.2.0/binのような出力が得られたら成功です。
msys上でのclangやその他のインストール
AOCCがベースにしてるバージョン以上 (厳密には同じバージョンにすべきかもしれませんが) のclangをmsys上でインストールします。
AOCC 4.2 (2024/09/09 現在最新)の場合は、clang 16以上になります。
その他のAOCCのバージョンの場合は、/opt/AMD/aocc-compiler-4.2.0/bin/clang++ --versionで確認してください。
基本的に以下のコマンドを実行しておけば最新のclangが入るはずなので、AOCCがベースにしているclangより古いものが入ることはないとは思われますが...
msys上で
pacman --needed --noconfirm -Syuu
pacman --needed --noconfirm -S mingw-w64-x86_64-clang mingw-w64-clang-x86_64-compiler-rt mingw-w64-x86_64-libunwindクロスコンパイルに必要なファイルをコピー
現状ではリンク時にエラーが出てしまうため、必要なファイルをコピーします。
sudo cp -r /mnt/c/msys64/mingw64/lib/clang/18/lib/windows/ /opt/AMD/aocc-compiler-4.2.0/lib/clang/1
6/lib//mnt/c/msys64/mingw64/lib/clang/18/lib/windows/の18の部分と/opt/AMD/aocc-compiler-4.2.0/lib/clang/1 6/lib/の16の部分はそれぞれお使いのclangやAOCCのバージョンに合わせて変更してください。
ビルド
まずクローンしているYaneuraOuのソースコードの場所(YaneuraOu/source)に移動します。
Makefileの編集
Makefileの中で
ifneq (,$(findstring em++,$(COMPILER)))
TARGET = $(TARGETDIR)/yaneuraou.js
else
ifeq ($(OS),Windows_NT)
CPPFLAGS += $(WCPPFLAGS)
LDFLAGS += -static -Wl,--stack,25000000
TARGET = $(TARGETDIR)/YaneuraOu-by-gcc.exe
else
CPPFLAGS += -D_LINUX
TARGET = $(TARGETDIR)/YaneuraOu-by-gcc
endif
endifという箇所があると思うので、
ifneq (,$(findstring em++,$(COMPILER)))
TARGET = $(TARGETDIR)/yaneuraou.js
else
ifeq ($(OS),Windows_NT)
CPPFLAGS += $(WCPPFLAGS)
LDFLAGS += -static -Wl,--stack,25000000
TARGET = $(TARGETDIR)/YaneuraOu-by-gcc.exe
else
# CPPFLAGS += -D_LINUX
TARGET = $(TARGETDIR)/YaneuraOu-by-gcc
endif
endifという風にCPPFLAGS += -D_LINUXをコメントアウトしてください。
make
make clean tournament TARGET_CPU=ZEN4 COMPILER=/opt/AMD/aocc-compiler-4.2.0/bin/clang++ EXTRA_CPPFLAGS="-DUSE_AVX2 -DUSE_BMI2 -DUSE_VNNI -march=native -mtune=native -stdlib=libc++ -fvector-transform -floop-transform -faggressive-loop-transform -fnt-store -fremap-arrays -target x86_64-w64-mingw32 -I/usr/include/mingw-w64 -static -pthread" EXTRA_LDFLAGS="-rtlib=compiler-rt -unwindlib=libunwind -L/usr/lib -L/mnt/c/msys64/mingw64/lib" -j 8上の例ではZEN4用にビルドしていますが、やねうら王Wikiを参考に実際にお使いのCPUに合うTARGET_CPUを指定してビルドして下さい。
また、-fvector-transform -floop-transform -faggressive-loop-transform -fnt-store -fremap-arraysはあってもなくてもビルドはできるので、消してもらっても結構です。
mrt-tsk
WSL上でmingw-w64を用いて既存のgccやclangでやねうら王のWindows用バイナリを生成する方法については コンパイラとして/usr/bin/x86_64-w64-mingw32-g++-posixや~/llvm-mingw-20240619-ucrt-ubuntu-20.04-x86_64/bin/x86_64-w64-mingw32-g++を指定してビルドすることで解決できたように思います。 それぞれ動作に必要なdllをYaneuraOu-by-gcc.exeと同じ階層に置くことで無事動作確認できました。 ただ表題の方法については自力では結局わかりませんでした。 WSL上でAOCCコンパイラやIntelコンパイラを用いて、やねうら王のWindows用バイナリを生成する方法を教えていただけないでしょうか。