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Modulation of circadian clocks by nutrients and food factors
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NagiYoshitsugu
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NagiYoshitsugu
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1 year ago
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Oike, H. (2017). Modulation of circadian clocks by nutrients and food factors. Bioscience, biotechnology, and biochemistry, 81(5), 863-870.
https://doi.org/10.1080/09168451.2017.1281722
Related journal
https://www.connectedpapers.com/main/ebc0a6c77785197b1ceafb4c3fa7b4cbee7c7b41/Modulation-of-circadian-clocks-by-nutrients-and-food-factors/graph
NagiYoshitsugu
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1 year ago
概要
中枢時計は明暗サイクルによって調整され,末梢時計は摂食サイクルで調整される.
過去の研究 - 高脂肪食で概日時計の周期が伸長. - ケトジェニック食で運動活性リズムの開始を早める. - 高塩食で末梢分子時計の位相を早める.
カフェイン・ノビレチン・レスベラトロールは分子/行動の概日リズムを変化させる.
本論文では,細胞レベルから行動レベルまで哺乳類の概日時計を調節する栄養素についてレビューする.
栄養素が末梢組織において概日時計の位相・振幅・周期長に影響を与える.
栄養摂取は通常活動期にのみ可能であるため,活動期/休息期で同化/異化のスピードが異なる.エネルギー代謝に関わる多くの重要遺伝子・核内受容体は時計遺伝子による調節のもと,概日的に発現する.
中枢時計は視神経からの信号入力によって周囲のLDサイクルと同期しているため,昼行性/夜行性で類似している.
夜行性マウスに昼間の摂食をさせると,末梢時計の位相は逆転するが,中枢時計は変化しない.→摂食周期が中枢時計に関係なく末梢時計を制御している.
中枢時計と末梢時計は切り離されておらず,些細なゲノムの変化で,昼行性/夜行性が切り替わる.
概日時計をリセットする分子メカニズム
中枢時計
SCNの概日時計は光シグナルによってリセットされる(
https://doi.org/10.1038/nature00965
).
[11]からの引用.光シグナルがSCNの概日時計のシグナルをリセットする経路
グルタミン酸,NMDA,NO発生物質をSCNスライスに投与すると,位相シフトが発生する.
SCNの時計は,神経・体液性,行動シグナルの組み合わせで末梢時計に影響を与える.
バソプレシンはSCNでの神経細胞間コミュニケーションを担っており,バソプレシン受容体を欠くマウスは新しいLD環境に適応するのに時間がかからないため,バソプレシンがSCNでの神経細胞間で伝達される光信号を緩衝していると考えられる.
末梢時計
ほとんどの末梢細胞はリズムを持っており,少なくとも組織単位ではリズムを持つことが多い.さらにその位相は多くの組織で類似していて,主に摂食サイクルに依存している.
これらの末梢細胞は,培養化では容易に脱同調することから,生体内では全身的な手がかりで常に末梢時計は同調させていると考えられる.
Fig. 1 マウス培養胚における刺激によるサーカディアン位相シフト インスリンは肝臓・脂肪・筋肉・においてPer2の発現を急激に誘導し位相シフトさせる1A(ただし,インスリンが分泌されない個体においても摂食依存的な同調が確認される.)が,肺組織にそのメカニズムはない1B.線維芽細胞やいくつかの末梢組織では体温周期に時計が同調する1C.グルココルチコイドも多くの末梢時計の位相に影響を与える1D.
分子時計を制御する化学物質
GSK3・CRY・CKIε/δ・PER2のモジュレーターのような低分子が概日周期を制御することが分かっている.
概日時計を調節する栄養素と食品因子
栄養シグナルは全身の細胞の概日時計や時計システムを調節する.
小腸からの栄養素の吸収の関わる輸送体はNa+と共輸送体であり,高塩分食によってマウスの肝臓・腎臓・肺の時計が進むことが知られている.
DHAやEPAを含む魚油もGPR120を介してインスリン分泌を増加させることにより,マウスの肝時計の同調を促進する.
L-オルニチンを不活性期初期に投与すると,インスリンとグルカゴン様ペプチド-1の血漿中濃度が上昇し,マウスの末梢時計が進む.
Rat-1(培養線維芽細胞)の培養液にレスベラトロールを加えると位相を遅らせる→Fig. 2.
カフェインはSCNを含むマウスの脳スライスにおいて,リアノジン受容体を介して概日時計を遅らせる.カフェインは培養細胞株やマウスで位相シフトを引き起こし,ヒトでは概日性メラトニンリズムを遅延させる.
Fig. 2 レスベラトロールは培養線維芽細胞の概日位相をシフトさせる
ハルミン(ハルマラのアルカロイド)はNIH3T3細胞・MEF・分化神経細胞・マウスのSCNの培養スライスにおいて概日周期を延長する.ハルミンはPER2::LUCタンパクの半減期を延長することからPER2タンパクの安定化作用が示唆される.
パルミチン酸はマウス線維芽細胞の概日周期を延長させ,急性投与により線維芽細胞および分化脂肪細胞において位相前進を誘導した.
今後の展望
食品由来の成分やその他の化学物質で,中枢・末梢時計をコントロールできる可能性がある.
NagiYoshitsugu
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1 year ago
Rat-1線維芽細胞・NIH3T3線維芽細胞・U2OS骨肉腫細胞は株化されているが,概日時計を持っている. → Rat1ならいけるかも
インスリンがリセット刺激になるかも
温度周期でリズムを作れるかも
ノビレチンはリセット刺激ではなく振幅増強.定量添加し続ければリズムが微弱でも観察できる
フォースコリン・レスベラトロールでRat1でもリセットできるかも
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