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[会社本] ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム #748

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justcallmehide commented 4 years ago

https://www.amazon.co.jp/dp/B0746JCN8B/

クレイトン・M・クリステンセンといえば、学生の頃イノベーションのジレンマを読んだ以来です。大企業は合理的であるがゆえに、最後は必ず失敗するというかなりセンセーショナルな内容でした。

この方は一貫して、イノベーションがなぜ起こるのか、そしてなぜ起こらないのかを研究しています。

この本に関していえば、デザイン思考やリーンを知っていれば十分で、かなり重複しています。ジョブ理論のジョブは、ニーズと言い換えれば終わりです。

因果関係の証明は難しく、また文章で伝えるのも難しい

ある状況下で私がなぜその商品を、あるいは別の何かを選んだのかを企業がわかっていなければ、私についてのデータ(3)も、私に似た人たち(4)のデータも、私について新しいイノベーションを生み出す 生み出すときの役には立たない。データセットを相互参照したり何か重要なパターンを見つけるという考えは魅力的だが、たとえ見つかったとしても、あるひとつのことが別の何かを引き起こす説明にはならない。

製造業の姿を一変させた品質改善運動の父、W・エドワーズ・デミングは言った。「正しい質問の仕方を知らなければ、何も発見することはできない」

破壊的イノベーションとは?

破壊的イノベーションとは、意味のイノベーションと同じです。つまり、評価関数を新たに定義することです。

複雑かつハイコストなプロダクトが幅を利かせていた既存の市場や産業部門を、あるイノベーションがシンプルで使いやすく安価なプロダクトをもって転換させる──最終的には業界を完全に再定義する──現象を示す「破壊的イノベーション」の理論

新たな価値基準の下で顧客を得た破壊的技術は持続的技術により少しずつ従来の価値基準で評価される性能をも進化させていく。破壊的技術の性能が進歩し、主流市場の主要顧客の要求する性能的水準を満たすようになると、破壊的技術によって従来技術が代替される。

この間、従来技術も持続的技術により性能を進歩させるが、それらはしばしば顧客の要求水準をはるかに上回る状態におちいる。そのため、顧客の要求水準を十分に満たし、かつ従来技術にはない優れた特長を有する破壊的技術が性能的に優れる従来技術を代替することになる。

銀の弾丸はない

〝ひとつですべてを満たす〟万能の解決策は結果的に何ひとつ満たさない

ジョブの定義

ジョブの定義は、「ある特定の状況で顧客がなし遂げたい進歩」である。

カスタマージャーニーマップの言い換え

顧客のジョブを完全に理解するには、ある特定の状況で顧客がなし遂げようとしている進歩を、機能的、社会的、感情的側面も含めて理解し、さらに顧客が引き換えにしてもいいと考えているものを理解しなければならない。

顧客の片づけるべきジョブを理解すれば、顧客に雇用されるための本当の競争が浮かびあがる。これは、競争相手より魅力的な解決策を生み出すうえできわめて重要な情報となる。 顧客の状況や、悪戦苦闘の時間、不完全な体験、それらに伴うストレスを詳細に記述した、一種のストーリーボードを描くことによって、ジョブの理解を深めることができる。

顧客はどのような状況のもとで進歩しようとしているか。その進歩の機能的、感情的、社会的側面はどのようなものか。

顧客があなたのプロダクト/サービスをなぜ選ぶのか、本当の理由を理解しているか?

このあたりは、エレベーターピッチ検証と言ってることは一緒。

顧客があなたのプロダクト/サービスをなぜ選ぶのか、本当の理由を理解しているか。または、なぜ顧客が別のものを選ぶのか、その理由を理解しているか。

あなたのプロダクト/サービスは、顧客がなし遂げようとしている進歩にどのような手助けができるか。

評価関数がかわるとライバルもかわる

顧客のジョブを解決するうえで、あなたのプロダクト/サービスは何と競合するか。従来の視点で見たあなたの業界の外に、競争相手はいないか。

顧客の片づけるべきジョブの理解から明らかになった真の競争相手はどのようなものか。

自社製品を雇用して顧客が片づけようとしている本当のジョブを理解していない企業は、「ひとつですべてを満足させる」万能の解決策に惹かれがちで、結局誰も満足させることができない。

ジョブを理解すると、セグメント/パーソナライズの重要性に気づく

ジョブを理解すれば、成長とイノベーションの新たな道筋が開ける。そのためには、ジョブに基づいて区切ったセグメントにフォーカスする必要がある。

このセグメントには、現状では満足な解決策が存在しない「無消費者」も含まれ、彼らはジョブを不満足に片づけるよりは、何も雇用しないほうを選ぶ。無消費に眠る好機は企業にとって巨大だ。

ジョブのレンズを通して顧客を見ると、競うべき本当の相手が見えてくる。それまでは思いもしなかった他分野の商品がライバルとなることも多い。

顧客があなたのプロダクト/サービスを雇用して片づけたいジョブは何か。

画一化された解決策によって、中途半端に片づけてしまっているジョブはないか。 顧客が実際に支払おうとするものより、あなたの、または競争相手のプロダクトは機能が多すぎないか。 顧客が進歩を遂げるために追い求める体験はどのようなものか。また、顧客が成功するために取り除くべき障害物は何か。

言葉にならない感情面にヒントがある

ほとんどの企業は、顧客のジョブの機能面ばかりに重点を置いているが、感情的および社会的側面の発見にも同等の注意を向けるべきだ。

自身の人生や、たいせつな人たちの人生において、重要だが満たされていないジョブは何か。こうしたジョブの状況と、遂げようとしている進歩の機能的、感情的、社会的側面を具体的に考えてみよう。そこから、どのようなイノベーションの機会が見えてくるか。

あなたが自社製品の消費者であるなら、それを使ってどのようなジョブを片づけるか。ジョブを完璧にとらえられていないとすれば、プロダクトのどこが不充分なのか?またその理由は?

現在、あなたのプロダクトを消費していないのは誰か。そうした人々のジョブは、既存の顧客のジョブとどうちがうのか。このような無消費者があなたのプロダクトを使ってジョブを解決することを妨げているものは何か。

カスタマーインタビューの重要性

ユーザービリティテストの種類 https://www.nngroup.com/articles/which-ux-research-methods/

現場に出て、顧客があなたのプロダクトを実際に使っている様子を観察してみよう。どのような状況下で使われているか。顧客が目指している進歩の機能的、感情的、社会的側面はどのようなものか。プロダクトが想定外の使われ方をしていないか。もしそうなら、顧客のジョブの本質についてそこから何がわかるだろうか。

顧客の真の「片づけるべきジョブ」を理解することは、現実にはそうとうむずかしい。顧客は往々にして自分の望みを明確にことばにできない。ことばにしたとしても、行動がまったく別のストーリーを語ることは珍しくない。

 買った後のデータを多くの人は集めない

顧客の行動について集めたデータは、客観的に見えてもじつは偏っていることが多い。データはとくに、ビッグ・ハイア(顧客がなんらかのプロダクトを買うとき)だけを重視し、リトル・ハイア(顧客がなんらかのプロダクトを実際に使うとき)を無視している。

選択の背後で犠牲になった選択も認識しているか?

顧客が新しいプロダクトを雇用するまえに、それと引き換えに何を解雇する必要があるかを理解すること。企業はこの点を充分に考察していない。何かの雇用の裏ではつねに何かが解雇される。

顧客が自分でうまく説明できないことを聞き取るには、顧客を注意深く観察し、丁寧なやり取りを重ねる必要がある。その際、聞き取る側は「初心者の心構え」で臨むことが肝要である。この精神をもち続けられれば、誤った思いこみで

変化に対抗する力を知ることも同じく重要だ。この力には、現行の習慣および新しいものへの不安が引き起こす〝惰性〟も含まれる。

変化に対抗する力が強くても、それを緩和するような体験を用意することができる。新しいものへの移行に不安があるのなら、それを最小化する体験を付随させればいい。

プロダクト自体は結果であり本質ではない

企業が成長するにつれ、起業のきっかけとなったジョブに対するフォーカスをなくしてしまうことが多い。強い意思と、1世紀にわたるマーケティングの知恵があるにもかかわらず、企業は、解決するジョブ(4分の1インチの穴)ではなく、売り出すプロダクト/サービス(4分の1インチのドリル)が自分たちの仕事を定義するかのように行動しはじめる。

ジョブを理解したら広めよう

顧客のために解決する最も重要なジョブを理解すれば、それは企業全体を動かすスローガンとなる。持続可能でぶれないイノベーションの〝北極星〟として、ひとりひとりを共通の目的に整合させることができる。

多くの企業が掲げる広範で抽象的なミッションとは異なり、企業の存在理由であるジョブを充分に考察し表明することには、人を鼓舞する力があり、同時に実用的でもある。

経営幹部は、ジョブを中心とすることの意義を継続的に伝達しているか。

リーダーとしてのコミュニケーション、企業としてのコミュニケーション、そして組織の文化に、どのようにジョブを埋めこんでいるか。

justcallmehide commented 4 years ago

[追記]

Jobは、漠然としすぎるニーズの欠点を補うために、機能的な側面における片づけるべき用事、社会的な側面における片づけるべき用事、情緒的な側面における片付けるべき用事、そして一番重要な「その人がおかれている状況」を考慮に入れて顧客の行動が把握される。

結局の所、ニーズを分析しても、人々が持つ漠然とした欠乏感や欲求の方向性がわかるだけで、それが商品やサービスに結びつかないことが多い。もちろんニーズを把握することは重要だが、さらに深掘りしてJobまで落とし込むことができれば、画期的な商品やサービスを創造できる可能性が高まる。これが漠然としたニーズと具体的なJobの違い

ざっくり同じって考えたけど、ニーズに感情面や状況面の分析が加わったものをjobと定義している。

https://contentmarketinglab.jp/application-method/job-to-be-done-2/

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顧客を取り巻く4つの力を理解する JTBDでは、顧客がおかれた状況を理解するために、顧客に働く4つの力を分析する。このために使われるのが下記の図

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ニールセンなんかは、 Jobs-to-Be-Done(JTBD)は、よくできたペルソナがあれば代替可能で互換性があるとといっている。 https://www.nngroup.com/articles/personas-jobs-be-done/

The Jobs-to-Be-Done framework is a representations of user needs born out of qualitative user research, such as field studies, interviews, and discount usability testing. It involves identifying for which goals customers “hire” your product (and, ideally, also finding out if there are competitor products that these users are ready to “fire”). Armed with this understanding, a product team can think about the nature of the users’ core problems and needs from a fresh perspective, and devise product features that solve that main need as best as possible.