Problem Solution Fitに向けて

[urashin]

【課題整理】

• 70%程度のスポーツ実施率には、ほぼ達成している国との政策比較より、コミュニティ形成が必要であろう
• スポーツ実施率の向上には習慣群（既に習慣化できている人たち）以外の、不定期実施群、未実施群へのアプローチが必要である
  • 不定期実施群のスポーツ実施阻害要因としては仕事や家事などに追われてやる気はある程度あるが、実施する時間が確保できない
  • 未実施群の阻害要因は「面倒である」「年をとっている」等。家族や知り合いなどに誘われて始めるケースがある。

【ソリューション：方向性】

• 阻害要因・促進要因から、仲間づくりと施設へのアクセスが重要な要素であるという結論があり、以下２通りの攻略方法が考えられる
  • コミュニティ形成促進
  • 施設関連の情報整理・アクセシビリティ向上
• 何が必要になるのか、何があるのかわからない情報整理やアクセシビリティ向上よりも、おそらくスモールコミュニティの形成を促進し、そのなかで様々な情報共有や工夫が行われ、コミュニティ間で情報共有が行われる仕組みができると良さそう

【コミュニティ形成に関する課題】

• コミュニティ形成は簡単ではないため、何が成功要因なのか、失敗要因なのか見極め、重要な要素をおさえられるソリューションにする必要がある
• コミュニティが崩壊した例：日本の高度経済成長期に地方から都心へと人口流動が起きた結果、地方では過疎化、都心ではマンション等により核家族化・家事のサービス化が進んだ結果、１コミュニティのサイズが小さくなり、コミュニティ内で済ませる用事も減り、コミュニティ最小単位である家庭がハブとしての機能を失ってしまったことが町内会など地域コミュニティ全体の衰退を招いたと考えられる。

【今回の提案】

• 概要：前述のコミュニティ崩壊に関する分析から、１コミュニティのハブとしての性能向上、コミュニティ数（ハブの数）の増加の２点がネットワーク全体を強化し、全体の活性度を高める要素と考えられるため、それをサービスとして具体化したものが今回の提案。
• 課題仮説
  • 地域の区民館等を利用して活動する４，５人規模のダンスサークル（フラメンコやフラダンス等）は、メンバーを増やしたいが、その地域でどうやって人を増やせばよいのかわからない。
  • 伝統芸能を行う団体は、高齢化のためITリテラシーが低く、新会員募集に苦労している（ホームページやSNSアカウントを開設・運用できる人が各支部・教室にいないため、「テレビで見た」がきっかけの人が圧倒的に多い）。このあたりは既存の大きな団体でも似たような課題はありそう。
• 価値仮説
  • 情報発信・検索機能：コミュニティとしての情報発信やその運用が簡単に行えるテンプレートがあり、うまくいった団体のテンプレートやナレッジを流用できる仕組みがあればよいのではないか？また、それらを検索する機能。
  • 指導者紹介機能：高い技能を持った人に一極集中することなく、コミュニティのレベルにあった指導者を選べることにより、指導者になるハードルを下げ、指導者自身も成長する機会を得られるようにする。

【提案内容の検証】 この提案で用いている仮説がただしいかどうか、検証するため、１コミュニティのハブの性能向上と数の増加がネットワーク全体の活性度合いにつながっている（あるいは逆に低下している）事例を探し、何がハブの要件として必要なのかを見極めたい。

【関連資料】

• 運動・スポーツ実施率のヨーロッパ諸国との比較
• スェーデンのスポーツ政策
• デンマークのスポーツ政策
• オランダにおけるスポーツ政策と子どもの スポーツ振興プログラムに関する事例研究 （４枚め　p66　図１　オランダにおけるスポーツ組織）
• 一般成人における運動・スポーツの実施頻度と 促進・阻害要因との関係

[urashin]

自治体の窓口をハブとした地域密着型のサービスという要素を説明に入れたい。

[tek528]

スポーツの継続率向上の視点からもコミュニティの重要性が説明できるとよいと思います

『退会者の傾向からみた、会員定着について』 (株)プロフィットジャパン　菊賀信雅　 2019年5月1日

[tek528]

【参考資料】 西東京市福祉マップ－西東京市社会福祉協議会 →コミュニティ形成の場となる施設候補

イベント・講座－西東京市社会福祉協議会 →コミュニティ形成の機会となるイベント候補

[tek528]

共同作業とコミュニティ形成について dx-junkyardを対象に考えてみる

• 共同作業とコミュニティ形成 : [ dx-junkyard, github, ソースコード共有,ブランチ]
• 岐阜県白川郷の合掌作りの家 : {茅葺屋根の葺き替え : {技術 : プロの茅葺職人, 労働力 : 集落の住人]} 白川村の結
• 共同作業をするには、技術情報を交換するコミュニケーションが必要

[urashin]

@tek528 ありがとうございます！ 共同作業や互助による繋がりの形成は重要な要素かと思いますので、以下のようにスポコミの解決策の説明、２つめに取り入れさせていいただきました。

スポコミは３〜１０人程度の小規模なコミュニティの形成を促進し、
互助を通じた無数のコミュニティ同士の繋がりを構築することで
ネットワークの活性化、スポーツ実施率の向上を目指します。
コミュニティ運営者は練習や定期的なイベント開催のテンプレート化や
運営ノウハウの共有を通じて、類似コミュニティ間でのネットワーク形成と
運営効率化を手軽に実現できます。
このサービスは、自治体の窓口や運動施設の掲示板を通じて、
近隣コミュニティの活動を紹介する役割も果たし、地域に根ざした
ネットワークの再構築をサポートします。
スポコミは、自治体が地域ネットワークのハブとして機能するための基盤を提供します。

[urashin]

その他、個別の議論も含めたメモ

• スモールコミュニティを大量に作り出すことの重要性
  • 自分の生活リズムや熱意にあったコミュニティを選択できる
  • 当事者意識
  • おそらく大きな集団よりも、小さな集団の方が当事者意識が高まりやすい
  • 指導者やリーダーの質
  • 超優秀な一人のリーダーが率いる大きなコミュニティよりも、大勢の普通の人が率いる無数の小さなコミュニティが必要に応じて連携できた方が成長機会の均等化と管理コストの観点から良さそう
  • 大きな集団の指導者の場合、その集団の中のトップ層、ごく一部の人が指導にあたることになり、負担が集中するが、小さな集団の場合、指導の質が下がる代わりに小集団の中での創意工夫をする機会が増える。たまに近隣のスキルの高いコミュニティから指導者を呼べる仕組みがあれば定期的に間違った方向性を是正しながら自律的に成長していく集団が発生する可能性が高まるのではないか？
  • 運営難易度
  • 大きなコミュニティの運営自体はそもそも難しく、それなりのスキルが必要
  • 2,3人〜10人程度の顔見知りの集まりであれば、多少の失敗は自分たちでカバーし合うような緩さと責任分散が自然に発生すると期待できる
  • 緩すぎてだめになり消滅するコミュニティが出てくる一方で文化や規律を自分たちにあった形で醸成し、持続していけるコミュニティが出てくる機会を作ることができる。

[yamamoto-ryuzo]

@urashin 昨日の話を聞いて思ったのが、コミュニティーを作るのは難しいかもしれませんが、スポーツを盛り上げる点では、試合相手がたくさん検索できるのはいいかもと思いました。 特に、娘がマイナーなハンドボール女子だったのですが、対戦相手いないから、高校生の時から社会人とか大学生と対戦してました。 お題はどれがいいかは別にして、ハードルの低いところから利用が始まるので一番いいかな？と思った次第です。 それが、目先の第一目標。。。アプリって使ってなんぼのもんなので

[urashin]

スモールコミュニティが何の課題を解決してスポーツ実施率の向上に繋がるのか？ 例えば、少人数のコミュニティがあった場合にどんな要素が実施率向上の阻害要因となっており、それをどのように解消できるのか？

[urashin]

スモールコミュニティ：地域限定要素

• 仮説：運動やスポーツの種類と地域限定要素
  • 野球やサッカーのようにかなり広い敷地が必要なスポーツは実施できるところが限られるため、車や公共交通機関を使った移動が必要になる状況が比較的多くなりそう
  • 一方で公園や区民館などちょっとしたスペースがあればできる太極拳やダンス、ランニングのようなものが地域限定のスモールコミュニティには向いているのではないか？
• 検証：関係ありそうな資料
  • Correlates of distances traveled to use recreational facilities for physical activity behaviors
  • 概要: 施設へのアクセスのしやすさが、個人の運動頻度に大きく影響します。特定のスポーツ施設（ジム、スポーツグラウンド、テニスコートなど）への距離が近いほど、利用頻度が高くなる傾向が示されています。
  • Distance to sports facilities and low frequency of exercise and obesity: a cross-sectional study
  • 概要: 近くに無料で利用できる屋外施設が多いと運動の頻度が高くなることが示されました。一方、特定のスポーツ専用施設（ゴルフコース、スキー場など）へのアクセスは距離が長くなり、利用者の運動頻度に影響します。
  • The closer the sportier? Children’s sports activity and their distance to sports facilities
  • 概要: 都市部では施設への距離が短い傾向があり、より多くのスポーツ活動が可能です。一方、田舎や小さな村では施設への距離が長くなり、スポーツ活動の機会が制約されることがわかりました。
  • Spatial accessibility to specific sport facilities and corresponding sport practice: the RECORD Study
  • 概要: フランスで行われた調査では、都市部の人口密度や不動産価格がスポーツ施設へのアクセスに影響し、これがその地域のスポーツ活動の頻度を左右することが明らかにされています。
  • Comparative Study of the Effects of Tai Chi and Square Dance on Immune Function, Physical Health, and Life Satisfaction in Urban Empty-Nest Older Adults
  • 概要：太極拳、スクエアダンスの効果（都市部の高齢者）

[urashin]

スモールコミュニティのネットワーク化

• 目的
  • 家族や友人等の身近なコミュニティからそれなりの規模のサイズの柔軟性を持ったコミュニティ構築を促進するものです。
• 背景
  • 日本は高度経済成長期の地方から都市部への人口流動によって地方の地域コミュニティは崩壊し、都市部ではマンションに押し込められた核家族は地域コミュニティを形成することができず、結果として日本全体で地域コミュニティは衰退しました。
  • 今回のソリューションは、スポーツという切り口で崩壊したコミュニティを現代の状況に合わせて再生するものです。
• 課題仮説
  • 昔のコミュニティの構成として、友人・知人、大家族が地域でつながりあい、地域コミュニティ（町内会等）が形成されていたわけですが、高度経済成長のときの人口流動は地域コミュニティと、その内部構造となっていた大家族や身近な友人・知人レベルのコミュニティも相当ダメージを受けたと考えられます。
  • 大きなコミュニティというのは一様な繋がりによって形成されるわけではなく、その内部を構成する小さなコミュニティの集まりであるか、それを維持するために一定のコミュニケーション密度が保てる小グループを内部構造として持たなければコミュニケーションが希薄になり、維持することが難しいと考えます。逆にいうと、ある程度の規模のコミュニティを効率よく組み上げる場合、構成要素となるコミュニティがしっかりできている状態で集め、それを維持した状態で統合することが初期の段階では必要で、隠れた課題としてあったのではないかと考えます。このあたりはピザ２枚のルール に共通するところあり、多くの場合は管理側の視点で語られますが、本質としてはコミュニケーション密度なのだと思います。
• 解決方法
  • 小さなコミュニティの立ち上げを容易にし、状況に応じて繋がり合うことを促進します。それによって、共通の目的をもった大きなコミュニティを形成する際、寄せ集めた小さなコミュニティが（例えば支部のような）内部構造として機能することが期待できます。
  • コミュニティ同士の結合・解消を簡単に行えるようにすることで、社会の変化に対応できるコミュニティ形成が可能になると考えます。