ドゥルーズ＋ガタリ：千のプラトー

[hfu]

1 序

• リゾームはこれとまったく異なるもので、地図であって複写ではない。複写ではなく、地図を作ること。蘭は雀蜂の複写を再現しているのではなく、リゾームにうちにあって雀蜂とともに地図になっているのだ。地図が複写に対立するのは、それが全て、現実とじかにつながった実験の方へ向いているからである。地図は自己に閉じこもった無意識を複製するのではなく、無意識を構築するのだ。地図は諸分野の接続に向かい、器官なき身体の封鎖解除に、それら器官なき身体を存立平面上へと最大限に開くことに向かう。地図はそれ自体リゾームの一部分をなしているのだ。地図は開かれたものであり、そのあらゆる次元において接続可能なもの、分解可能、裏返し可能なものであり、たえず変更を受け入れることが可能なものである。それは引き裂かれ、裏返され、あらゆる性質のモンタージュに適応し、一個人、一グループ、一社会集団などによって実行されうる。それを壁に描くのもいいし、芸術作品としてとらえるのもよく、政治行動としてあるいは瞑想として構築するのいい。
• 地図は多数の入口を持っており、これはつねに「同じもの」にもどる複写とは正反対である。地図は運用の問題であるのに対し、複写はつねに仮定された「能力」に関わる。
• 地図と複写を、まるで良き面と悪しき面といったふうに対立させることによって、単なる二元論を再建しているのではないか？複写しうるということは地図本来の持ち前ではないのか？根と交叉し、時としてそれと一体になることはリゾーム本来の特徴でないのか？地図というのは冗長性の現象を含んでいて、それらがすでに地図それ自体の複写なのではないか？...問題は方法なのである- 複写をつねに地図にもどさなくてはならない。そしてこの操作はいま見た操作と対称をなすものではまったくない。なぜなら厳密に言って複写が地図を複製するというのは正確ではないからだ。
• 複写を地図につなぎ直すこと、根または樹木をリゾームにもたらすことだ。
• 地図ないしリゾームが本質的に多数の入口を持つということが真実なら、必要な用心をした上でのことだが、複写の道や樹木-根の通路によってもそこに入ることができるということさえ考慮に入れるべきだろう（ここでもまたマニ教的二元論にこだわってはならない。）
• プラトーはつねに真ん中にある。始めでも終わりでもない。リゾームはもろもろのプラトーからなっている。
• リゾームになり根にはなるな。決して種を植えるな！蒔くな、突き刺せ。...短い概念を持て、地図を作れ、そして写真も素描も作るな！
• 樹木は血統であるが、リゾームは同盟であり、もっぱら同盟に属する。

  2 1914年

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3 BC 10000年

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4 1923年11月20日

• 言語は、第一の人から第二の人に、目撃した者から目撃していない者に伝わるだけでは十分ではない。必ず、事柄を見なかった第二の者から、やはり見ていない第三の人にも伝わらなくてはならない。言語が、指令語として機能する言葉の伝達であって、情報としての記号のコミュニケーションではないというのは、この意味においてである。言語は一つの地図であって、複写ではない。

5 BC 578年、AD 70年

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6 1947年11月28日

• 有機体を解体することは決して自殺することではなく、まさに一つのアレンジメントを想定する連結、回路、結合、段階と閾、通路と強度の配分、領土と、測量士の仕方で測られた脱領土というものに向けて、身体を開くことなのだ。

7 0年

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8 1874年

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9 1933年

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10 1730年

• 一つのシステム内部で全ての線が座標軸と見なされる、または位置決定の可能な関係と見なされる限り、そのシステムは点のシステムと呼ばれる。たとえば、樹木状組織のシステムや、モル状の記憶システムはおおむね点のシステムである。
• これは基本的図式であり、実際に展開するときには大いに錯綜するとはいえ、少なくとも一個の「教育法」を、つまり記憶術をなす技術が現れるところには、必ずこの図式を見出すことができる。
• 点のシステムの主な特徴をまとめておく。（1）点のシステムは基本的な二つの線を持っているが、この水平線と垂直線は点を割り当てる座標軸として働くものだということ。（2）水平線は垂直方向に重ね合わされ、垂直線は水平方向に移動するため、水平方向の頻度と垂直方向の共振という条件のもとで新たな点が生産され、再生産されるということ。（3）一つの点から別の点に向けて線が引かれることがある（あるいは引かれないこともある）が、それは位置決定可能な結合を成立させるものだということ。...このようなシステムは樹木状で、記憶にかかわり、モル状で構造的であり、領土化や再領土化をおこなう。

11 1837年

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12 1227年

• 方向の可変性、多義性はリゾーム型平滑空間の本質的特徴であって、平滑空間の地図を絶えず書き換える。

13 BC 7000年

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14 1440年

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15 結論

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解説

• 模写ではなく、地図を作らなければならないと、リゾームで繰り返しD-Gは語っているけれど、地図はつねに実践と実験を導く極限の概念として、事物と観念の中間に実在する非正確な本質だというべきなのだ。
• D-Gは、一冊の書物を理解するかどうかが問題ではなく、おのおのが使用法を見出せばいいと、慇懃に言う。