Open hfu opened 7 years ago
このグラフは、オープンソースソフトウェアのユーザが、ソフトウェアに対して何を価値だと思っているのかを示しています。オープンソースソフトウェアを 開発する ことというよりは、オープンソースソフトウェアを 活用する ことでオープンソースソフトウェアを盛り立てていくという立場(*1)のプレイヤーは、このグラフをどのように考えればよいでしょうか。
私は、このグラフの上位ではなくて、下位の価値に注目し、野生のオープンソースソフトウェアそのものにはない価値をプレイヤーとして出していくのが、一つの良い付き合い方であろうかと思います。あるいは、オープンソースソフトウェアがそのままでは、あるいはそれだけでは出せない価値を、あなたが出していけば、強いソリューションになる可能性があります。ということで、下位から見ていきましょう。
確かに、オープンソースソフトウェアそのものに期待すべきサポートは限定的です。誰をサポートするのか(開発者なのか、エンドユーザなのか)を明確にすれば、サポートでプレーしていくというのは古典ですね。
オープンソースソフトウェアは、既存の何かの再実装であるという流れは強いです。オープンソースソフトウェアが作られるとき、何か全く新しい発想によって実装されることはまれ、とくに規模の大きなプロジェクトではまれです。開発者達は自由なので、手本がなければビジョンをシェアすることが難しいからだと思います。
Innovation は、オープンソースソフトウェア開発というよりは、オープンソースソフトウェア利用によって実現が追求しうるものと思います。特に Open innovation のアプローチでは、基礎的なビルディングブロックがオープンソースで提供されているということは価値があると思います。
トラストも、オープンソースソフトウェアそのものが作るというよりは、何らかトラストを実現する主体が継続的にトラストを運用・維持管理することが必要になります。これも、Innovation と同様、材料関係になっていると考えます。
ここも現場レベルでは悩ましいところで、環境の複製のことを言っているとしたら、これはそれほど難しくないですね。そもそも環境の複製が必要のないようなサービス、例えばブラウザベースのサービスを運用するというのが一案で、環境の複製をすることが求められる人間の数を限定することができます。
あとは、自分が開発者であるとしたら観点ですが、パッケージング・配布環境をすこし勉強しておくのは重要かもしれませんね(自省)。
(*1) 実際には、単純にオープンソースソフトウェアを開発することのみによって自分とオープンソースコミュニティがメリットを得るという恵まれた立場にいる人は限られています。それ以外の我々にとっては、オープンソースソフトウェアで価値を出しながら、もちろん機会が得られればオープンソースに貢献するという立場が現実的であろうと思います。
遅ればせながらコメントを。これ、結構対象としているOSSの種類や、調査対象者の属性で意味合いが大きく変わりそうだなぁ、、というのが最初の感想です。でも、OSSそのものがイノベーションのカプセルになるのではなく、OSSがイノベーションの基盤になるという考え方とか、サポートと開発の分離とか、色々アイデアが湧いてきました。はい。
OSSというのは基本DIYというのが基本と感じています。というよりも、開発とサポートがモデュール化して分離したのがOSSであると。なので、OSSのサポートというと、iOSやAndroidであったり、Linuxのディストリビューションであったりってことなんだろうと。
「相互可用性とイノベーションは相反する」これは随分以前から言われているというか、理論として導出されていることだったりします。OSSって、みんなで開発、というよりも、みんなが中身までわかっていて、かつユーザが開発に参加することにより(開発者やそれに近いスキルをもつ人間の)ニーズが反映されるという構造があるように思えます。OSSの最も高く評価されているポイントがstabilityであることはその証左なんだろうと。 イノベーションは、もう1段階上のレイヤで起こす。でも、基盤となるプラットフォームには、中身がきちんと見えていることが大事。だから、OSSそのものがイノベーションを興すというよりも、OSSがイノベーションを創出する基盤として機能する、ということになるのかな、と。
ユーザからすると、Linusって信頼できるんだろうか?それとも、既にメジャーになってLinux Foundationという強大企業連合体から金銭・人員含めた多大な支援が継続的に受けられる状況にあるという構造が信頼を生んでいるのだろうか?逆にOracleってどう評価されているんだろう? これ、開発にコミットするエンジニアと、ユーザとで随分意見が分かれそうな気がします、、
これ、意外にインストールが楽だ、とか、ドライバがちゃんと動作するとか、だったりするのでは、、、w って、OS,サーバアプリ、デスクトップアプリとで意味合いが全然異なってきますね、、、
@yofukami ありがとうございます。
という2点、なるほどと思いました。私は、今は「ウェブ地図のフロントエンド周りでのソフトウェアの実装の収斂」と「それを起点とした、デスクトップGISに匹敵する(より正確に言えば、デスクトップGISができなかったことができる)高機能なウェブ地図の誕生」に興味があるんだな、ということに、「種類によって異なる」というご指摘によって気が付かされました。
トラストに関しては、Linus は信頼すべきだろう、という感覚を持っていますが、世の中の多くの人からは「変な発言をするおじさん」あるいは「誰?」になるよね、と気が付かされました。関わり方についても着目することが重要であることがよくわかりますし、例えば私がプロジェクトを進める中でも、この説明先の人はソフトウェアにどのように関わっているのかな、と意識することが重要だと思いました。
source: http://opensourcesurvey.org/2017/ これを見て、どのように考えるか、という話をしてみます。