Using shadow register sets for Nios II

kimushu commented 7 years ago

Nios II 実装における、Shadow register setのサポートについて検討。

目的:

調査結果:

Nios II/f では、最大63セットのShadow register setを追加できる。(外部割り込みコントローラの使用有無にかかわらず)
現在使用中のregister setは、status.CRSで表されるが、CRSをソフトウェアから直接書き換えることはできず、CRS変更は以下のタイミングのみで発生する。
- 外部割り込みコントローラからの割り込み発生で、RRSを複写するとき
- eret命令でstatusが書き換わるとき (←ソフトウェアのみで書き換えるのはこれが唯一の方法)
標準HALのalt_exception_entry.Sでは、Shadow register setに対する処置はなし。無条件にr15までのレジスタをスタックに待避する。
- この動作をTinyThreadsで変更する場合、alt_exception_entry.Sの置換が必要。
r16以降のレジスタ待避は、eretによる強制CRS書き換えとtth_arch_nios2_asm.Sの実装のみで(おそらく)なんとかなる。
Register setの数よりスレッドの数が増えたときの、Register set番号の管理機構を追加で実装する必要あり。

結論:

TinyThreadsでは、Shadow register setを活用したコンテキストスイッチを実装しない。
- 技術的には不可能ではないが、実装コストが高い。特に全コンテキストのスイッチには、標準HALの大幅な置換が必要となる。

kimushu commented 7 years ago

結論にしたがい、特に実装しないことでクローズする。

kimushu commented 6 years ago

一旦実装しない方針としたが、v1.2にて一部機能を制限して実装。

実装内容
- 標準HALのalt_exception_entry.Sの中身をすべてTinyThreads側で提供 (exclude_hal_sourceする)
- NRS (Normal register set) を割り込み/例外ハンドラで使用
- SRS (Shadow register set) 1 をデフォルトスレッドで使用
- SRS 2 をアイドルスレッドで使用
- SRS 3 以降はpthread_createで動的に生成されたスレッドで使用
制限事項
- 外部割り込みコントローラには非対応
- Reigster setの数より多いスレッドは、そもそも生成できない (pthread_createがEAGAINを返して失敗する)
- instruction emulation は使用不可 (muldivのハンドラを自前実装しない限り、新しいスタック構造で正しくエミュレーションが行えないため)

kimushu / tinythreads