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ConcurrentHashMapについて #7

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kmansei commented 1 year ago

https://docs.oracle.com/en/java/javase/17/docs/api/java.base/java/util/concurrent/ConcurrentHashMap.html

kmansei commented 1 year ago

ConcurrentHashMap は Java の java.util.concurrent パッケージに含まれる、スレッドセーフなハッシュマップ実装です。通常の HashMap とは異なり、ConcurrentHashMap は複数のスレッドから同時にアクセスされる状況でも、内部のデータが矛盾しないように設計されています。

以下は、ConcurrentHashMap の主な特徴と利点です:

  1. 高い並行性ConcurrentHashMap は、セグメント化されたデータ構造を使用しています。これにより、異なるスレッドが異なるセグメントにアクセスする場合、そのアクセスは同時に行われることが可能となります。そのため、高い並行アクセス性能を提供します。

  2. ロックの最小化:全体のマップにロックをかけるのではなく、特定のセグメントやバケットにのみロックをかけることで、並行アクセスの際のロック競合を最小化します。

  3. null のキーと値は許可されないConcurrentHashMap は、キーもしくは値として null を許可しません。これは、null が特別な意味を持つ可能性があるためです。

  4. 非ブロッキングの読み取りConcurrentHashMap の読み取り操作は、大部分がロックフリーで行われます。このため、多数の読み取りスレッドが存在しても、他のスレッドにブロックされることはありません。

  5. 効率的な書き込み操作:マップの特定の部分にのみロックをかけることで、書き込み操作も効率的に行うことができます。

  6. 拡張操作ConcurrentHashMap は、原子的な更新をサポートするメソッド(例: putIfAbsent, replace, compute など)を提供します。これにより、複雑なアトミック操作を簡単に実装することができます。

ConcurrentHashMap は、高度な並行プログラムでのデータ共有のニーズに対応するために設計されています。通常の HashMapHashtable と比較して、高い並行アクセス性能を持ちつつ、データの整合性を維持することができます。

kmansei commented 1 year ago

了解しました。ConcurrentHashMap の詳細な概念と実装について深く掘り下げてみましょう。

1. 内部構造

初期の ConcurrentHashMap のバージョンは、内部的に「セグメント」という小さなハッシュテーブルの配列として設計されていました。各セグメントは独自のロックを持っており、マップの特定の部分へのアクセスが行われるときには、そのセグメントのロックだけが取得されるようになっていました。

しかし、Java 8 以降、このセグメントの概念は廃止され、より効率的なデータ構造とアルゴリズムが導入されました。新しいアプローチでは、バケット(ノードのリスト)がCAS(Compare-And-Swap)操作を使用して更新されるようになりました。

2. 同時読み取り

ConcurrentHashMap は、読み取り操作を完全にロックフリーで行えるように設計されています。これは、高い読み取りの並行性を必要とするアプリケーションで非常に役立ちます。

3. CAS (Compare-And-Swap)

Java 8 の ConcurrentHashMap は、内部でCAS操作を頻繁に使用しています。CASは、メモリ上の値を条件付きでアトミックに更新するための操作です。ConcurrentHashMap の多くの書き込み操作や高度な関数は、CASを使用して実装されています。

4. ツリービン

高いハッシュ衝突の場合、バケット内のリンクされたノードのリストは、赤黒木(バランスされたバイナリツリー)に変換されます。これにより、特定のバケットに多くのキーが集中している場合のパフォーマンスが大幅に向上します。

5. リサイズ操作

マップが大きくなると、バケットの数を増やしてリサイジングする必要があります。ConcurrentHashMap は、このリサイジング操作を複数のスレッドで並行して実行できるように設計されています。これにより、マップが急速に成長する際の性能のボトルネックを緩和します。

6. ストリームのサポート

Java 8 以降、ConcurrentHashMap は、並行ストリームを使用して、マップ上での高度な並列操作をサポートしています。これにより、ConcurrentHashMap 上での集計や変換などの操作を並列化して高速化することが可能となりました。

7. 高度なアトミック操作

ConcurrentHashMap は、putIfAbsent(), compute(), merge() などのアトミック操作を提供しています。これらの操作は、指定されたキーの値を条件付きで更新するための高度な操作です。

まとめ

ConcurrentHashMap は、高度な並行プログラムをサポートするための設計と最適化が施されています。通常の HashMap とは異なり、複数のスレッドからの同時アクセスをサポートすることを目的としており、多くのアトミック操作や並行ストリームのサポートなど、高度な機能を提供しています。