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Social Media Use and Sleep Quality among Adults: The Role of Gender, Age and Social Media Checking Habit #100

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0. 論文タイトル・URL

Social Media Use and Sleep Quality among Adults: The Role of Gender, Age and Social Media Checking Habit https://europepmc.org/article/ppr/ppr332883

1. その論文の目的・どこのリサーチか

ミシガン大学の2019年の研究で睡眠とソーシャルメディアの利用に関する研究になります。

2. (先行研究とこれまでの問題)

入眠前、夜間のPC,スマホの利用は睡眠に良くないよ!」 みたいな話は、そうだろうなあ、という感じで多くの方が実感されているお話だと思います。

夜間のスマホ、PCの利用を避けることが難しいのは現状だろうなあと思いますが、 その中でも特にソーシャルメディアの利用は睡眠の質に悪影響を与えるんじゃない? というのが今回の研究です。

というのも、先行研究によるとソーシャルメディアの利用は、 ・就寝時刻を遅らせることで睡眠時間を減少させたり ・画面の光によって入眠潜時が遅くなったり ・睡眠の質を低下させたりする

このような悪影響が生じる可能性があると報告されています。 レビュー研究では、すべてのスクリーンの使用が睡眠に有害な影響を与える可能性が示唆されていますが、 ソーシャルメディアにはインタラクティブな要素があるため、使用をやめるかどうかは、画面の向こう側にいるユーザーが共同で判断することになり、睡眠に移行する時間が遅くなることも考えられるからです。 ここでのソーシャルメディアというのは、TwitterやFacebook、ワッツアップやLINE、インスタなど、あらゆるSNSツールも含んでいる感じですね。

他にも18~77歳の成人855人を対象とした研究では、70%が就寝中にソーシャルメディアの使用を行い、 平日の夜に不眠、不安、短時間の睡眠になる可能性が高いことが報告されています。

3. その論文の目的(具体的に)

そこで本研究では、テクノロジーの利用が睡眠に及ぼす影響について、 (1)成人のソーシャルメディア利用に焦点を当て (2)睡眠に関する全体的なソーシャルメディア利用と夜間に特化したソーシャルメディア利用の違いを調べること を目的としています。

4. 方法

584名の参加者(18~96歳)を対象としたオンライン調査を実施しまして、 測定指標として参加者の ・ピッツバーグ睡眠品質指標(PSQI) ・ソーシャルメディアの利用頻度 ・1日の使用時間 ・寝る前の使用頻度 ・習慣的な使用をしているかどうか(無意識に使うことがある~など) ・身体的健康状態 について回答してもらいます。

5. 結果

・夜間のソーシャルメディアの利用は、若い人(37歳以下)には、睡眠の質と負の相関がある。

・夜間に使用することで入眠開始が遅くなる。

・一方、75歳以上の高齢者では、この関連性が逆転し、夜間のソーシャルメディアの利用が睡眠の質の向上と関連していた。

・夜間のソーシャルメディアの使用は、ソーシャルメディアをチェックする習慣が比較的強い人の睡眠の質の低下と関連していた。

6. 結論・まとめ

高齢者(75歳以上)のソーシャルメディアの利用が、睡眠の質の向上につながるというのはとても面白い結果でした。 とはいえ、そもそも75歳以上の高齢者でソーシャルメディアを夜間に使用する人がそこまで多いという訳ではないようですが、それでも有意な差が見られたということになります。 この結果に対して研究者は、

若年層は高齢者とは異なるソーシャルメディアを好んで利用しており、ソーシャルメディアの利用をやめるのは難しいと報告する傾向があります。特に、若年成人は社会的関与を維持し、断絶感を避けるためのツールとしてソーシャルメディアを利用し、「投稿を見逃す恐怖」をより高く報告する傾向があります。この恐怖感がソーシャルメディアへの関与を促すだけでなく、睡眠前の認知的覚醒を高める可能性があります。

それに対し高齢者の場合、ソーシャルメディアの利用が増えると、社会的なつながりの感情が高まり、孤独感が減ることが示されています。高齢者は社会的孤立感が強く、それが睡眠障害と関連していることから、このような潜在的なメリットがあるのではないだろうか。” と述べておりまして、 ソーシャルメディアをチェックする習慣が強い人は比較的、睡眠の質の低下の影響が大きいということなので、 要するに使い方や依存度の違いが睡眠の質に影響を与えているのではないか、という結論にいたりました。

7. どんな使い方ができる?

SNSの習慣化は見事なもので、 「通知が鳴ったらスマホを取る」とか 「スマホを開いたらインスタを開く」 みたいな行動は、If then の行動として習慣化されがちなため、 いまやあらゆるCue(手掛かり)や行動が、ソーシャルメディアの利用のトリガーになっているようです。

この数が多すぎて、完全に断つことは難しくなっていますが、結論でも述べていたように「使い方」ですので、 自分がどういう時に使うと心地よくて、どういう時に使うと心地よくないのか、をしっかり選べるといいなーと思いました~。