2. implicit association test (IAT)を受ける
こちらはハーバード大学が作成したテストで、十数種類の項目があり、障害、人種、年齢、性別、性役割、精神的健康、体重、性的指向、宗教などに関する無意識の偏見を測定することができます。
実際に私も試してみましたがこんな結果に。
私の場合、男性は科学、女性はリベラルアーツ(音楽や美術など?)をイメージしやすい自動思考が少し強いっぽい。
いわゆるジェンダーバイアスってやつですね。
確かに、吹奏楽と聴いたら女性を思い浮かべてしまいますし、その傾向はありますね。
他にも、
・Deliberately expose yourself to counter-stereotypical models and images:ステレオタイプに反するモデルやイメージに意図的に触れる
というものがありまして、例えば先ほどの例でいえば、「リーダー」と聞いて男性を想像してしまう人であれば、成功した女性起業家をたくさん知って、リーダーと聞いた時に女性も男性もイメージできるようにする、というのがよいのだそう。
ステレオタイプが1つのイメージから成り立っているのであれば、それを複数のイメージで成り立つように認知を再形成しろってことみたい。なるほどー。
・Remind yourself that you have unconscious bias:自分に無意識バイアスがあることを思い出させる
→無意識的なバイアスがないと思っている人ほど、自分にはバイアスがあると思っている人よりも偏見が強いことがわかっていまして、例えば「自分はバイアスのことを勉強したから、バイアスには引っかからないぞ~」と思っている人ほどひっかかりやすいんだそうな。
なので基本的にバイアスはかかってしまうものなので、かかっていないか、これはバイアスじゃないのか、という注意を常に払っておくことが大切ということ。
・Engage in mindfulness exercises on a regular basis:定期的にマインドフルネスを行う
・Cultivate work relationships (or personal relationships outside of work) that involve people with different social identities.:異なる社会的アイデンティティを持つ人々との関係を育むこと
・Reduce stress, fatigue, cognitive overload, and time crunches:ストレス、疲労、認知的過負荷、時間的制約を軽減する
→ストレスや疲労、深刻な認知的負荷や時間的制約があると、無意識のバイアスに戻りやすくなります。
リラックスして意思決定を遅らせ、意識的にすべての人々や集団に敬意を払う行動をとるようにしましょう。
などが紹介されていましたね。
0. 論文タイトル・URL
Strategies for Confronting Unconscious Bias https://kathleennaltyconsulting.com/wp-content/uploads/2016/05/Strategies-for-Confronting-Unconscious-Bias-The-Colorado-Lawyer-May-2016.pdf
1. その論文の目的・どこのリサーチか
2016年にキャスリーン・ナルティというD&I専門の弁護士・コンサルタントの記事でして、アンコンシャスバイアスについて書かれたものがわかりやすかったのでこれは書かなければと思い紹介でございます。
2. (先行研究とこれまでの問題)
アンコンシャスバイアスというものがありまして。 日本語では「無意識バイアス」と呼ばれるもので、聴いた話によれば、最近では小学校の授業でも教えるくらいのものになっているようです。
どういうものかといいますと、「無意識の偏ったモノの見方のこと」を言いまして、 アンコンシャスバイアス研究所で紹介されている例から紹介すると、 ・血液型で相手の性格を想像することがある
・性別、年齢、学歴等の属性で、相手の性格や人柄を決めつけることがある
・「親が単身赴任中」ときくと、父親を思い浮かべる
・「普通は●●だ」「たいてい●●だ」という言葉を使うことがある
・「乳がん」ときくと女性を思い浮かべる(男性は思い浮かべない) などが紹介されていますね。 他にも、 ・「親が医者」と聴けば父親が医者なのだと思い込んでしまう
・「心理学を勉強している」というだけで、人の心が読めそうと思ってしまう などは日常でもありふれたお話。
こちらの著者は弁護士をされているのですが、法律業界でもこのアンコンシャスバイアスは注目されているようで、 というのも、法律業界の人は色々な人と交流し、色々な業界とも関わりがあり、また重要な意思決定をする場面が何度もあります。 その立場にある人たちが、自分自身の無意識的なバイアスによって意思決定や判断してしまうと取り返しのつかないことにもなりかねないので、より良い意思決定をするためにも無意識バイアスに注意する必要があるんだそうな。
そこで今回は、アンコンシャスバイアスの種類とその対策についてまとめていきたいと思います。 前提として、「アンコンシャスバイアス」というバイアスがそれ自体として存在しているのではなく、 様々な無意識バイアスを総称して、アンコンシャスバイアスと定義しております。
■アンコンシャスバイアスの種類 ◆確証バイアス 自分が信じていることを確認することができる情報により注意を払い、矛盾するものを無視するバイアスです。 この「信じているもの」自体が無意識的なものでもあり、それに対する行動も無意識的な行動を取る傾向があります。 例えば、相手がA型であると知った人が「A型は几帳面だ」という認知を持っていたとすると、相手の几帳面な行動ばかりが目についてしまうようになる、というものですね。
◆帰属バイアス 体系的なエラーの原因について、それを自分や他人の行動によるものだと考えたり、理由を求めたりするバイアス。 帰属バイアス自体にもいくつかありますが、例えば ・仕事で誰かがミスをしてしまった時にその人に対してマイナスの印象を持っていたら、 「あいつは不真面目だからミスをした」と判断してしまう
・運転中に割り込まれた時に、状況がどうであれ割り込まれた方は「そのドライバーは無礼で乱暴で無能だから割り込んだ」というようにパーソナリティに原因を帰属して考えてしまう というものがあります。
◆利用可能性ヒューリスティック 頭に思い浮かびやすいものや目立ちやすいものを選択してしまうことを利用可能性ヒューリスティックといいます。例えばこんな実験がありまして、 Q.次の英単語のうち多いのはどちらでしょうか? A)r が最初にくる単語 B) r が3番目にくる単語 (Tversky & Kahneman (1973)より)
ほとんどの人がAと回答してしまう傾向があるのですが、正解はBなんだそう。 Aの方が思い浮かびやすいため、Aだと思ってしまうのですなー。 他にも、 ・「リーダーという単語を思い浮かべて欲しい」と指示されると、ほとんどの人が男性を思い浮かべ、 「サポート役」という単語を思い浮かべさせると、女性を思い浮かべてしまい、自分のイメージにそぐわない結果があった場合には、それを不快に感じてしまうものがあるのです。
◆親和性バイアス こちらはシンプルなもので、自分と関連の近いものに対して親和性を感じたり、より自分に近い人、同じような興味や背景を持つ人に引き寄せられ、関係を深めてしまう傾向があるというバイアスです。 仲良くなりたかったら、共通点を示すことが大事とされますが、あれはこのバイアスを利用したもの。 逆に自分と関連がなさそうな相手との関係構築には、認知的な労力を必要とするため避けようとしてしまうんだそうな。
■アンコンシャスバイアスへの対策 ここまでアンコンシャスバイアスをいくつか紹介してきましたが、注意したいのはアンコンシャスバイアスに陥ってしまうことが悪いという訳ではないことです。 過去の出来事から情報を引っ張り、判断に使用することが生存に繋がってきたので、無意識的なバイアスを抱いてしまうのは仕方のないこと。 著者も >認知バイアスについて学び、無意識のうちに抱いている固定観念や偏った考え方を改めれば、より良い意思決定ができるようになり、この業界をより多様で包括的なものにするための負の影響を抑えることができます。 と述べておりまして、大切なのはアンコンシャスバイアスを知り、時としてそのアンコンシャスバイアスによって誰かを傷つけてしまったり、誤った判断をしないためにも必要であるということですね。ここからはその対策についてご紹介したいと思います。
◆Awereness(気づき) 自分の無意識の偏見に気づく力を養う簡単な方法は2つありまして、 1. 驚き(期待したことが全く違っていた場合)を記録しておく 例えば、交通の妨げになっている車が前方にいた際に、運転席に高齢のドライバーをいると思うだろうか? その運転手が実は若かったと知ったら、あなたは驚きますか?あなたは自分が高齢者に対して意識的に偏見を持っていないと信じているかもしれませんが、反射的に遅いドライバーは高齢者だと思い込んでいるのです。 これは無意識のバイアスの産物であり、そのような態度が、他の分野、例えば、より年上の同僚、顧客とのやりとりにおいて、意思決定にどのような影響を及ぼすだろうか?
というように、自分が期待(予想)していたことと別の結果になった時に、「なぜ自分はそのように考えたんだろう?」ということを問いかけ続けることが重要だということですね。
2. implicit association test (IAT)を受ける こちらはハーバード大学が作成したテストで、十数種類の項目があり、障害、人種、年齢、性別、性役割、精神的健康、体重、性的指向、宗教などに関する無意識の偏見を測定することができます。 実際に私も試してみましたがこんな結果に。 私の場合、男性は科学、女性はリベラルアーツ(音楽や美術など?)をイメージしやすい自動思考が少し強いっぽい。 いわゆるジェンダーバイアスってやつですね。 確かに、吹奏楽と聴いたら女性を思い浮かべてしまいますし、その傾向はありますね。
◆行動変容 ・Retrain your brain 直訳すると「脳を再教育する」ということですが、内容はこんな感じ。 ・自分の考え方、思い込み、行動に注意を払い、自動的な反応を認め、分解し、変えて、根底にある連想を断ち切る ・自分の客観性を疑う ・自分の意思決定を見直し、偏見の兆候を探す時間を取る ・最終的な決断を下す前に、一旦立ち止まる ・自分の思い込みや第一印象を疑ってみる ・自分の思考プロセスを確認するために、他の人に意見を求める。 などなど。先日出版されたアダムグラントの「Think again」にも似たようなことが書いてありましたね。要するに判断する前に立ち止まって、自分の考えを疑ったり、そう考えた理由を考えましょうということなんでしょうな。
他にも、 ・Deliberately expose yourself to counter-stereotypical models and images:ステレオタイプに反するモデルやイメージに意図的に触れる というものがありまして、例えば先ほどの例でいえば、「リーダー」と聞いて男性を想像してしまう人であれば、成功した女性起業家をたくさん知って、リーダーと聞いた時に女性も男性もイメージできるようにする、というのがよいのだそう。 ステレオタイプが1つのイメージから成り立っているのであれば、それを複数のイメージで成り立つように認知を再形成しろってことみたい。なるほどー。
・Remind yourself that you have unconscious bias:自分に無意識バイアスがあることを思い出させる →無意識的なバイアスがないと思っている人ほど、自分にはバイアスがあると思っている人よりも偏見が強いことがわかっていまして、例えば「自分はバイアスのことを勉強したから、バイアスには引っかからないぞ~」と思っている人ほどひっかかりやすいんだそうな。 なので基本的にバイアスはかかってしまうものなので、かかっていないか、これはバイアスじゃないのか、という注意を常に払っておくことが大切ということ。
・Engage in mindfulness exercises on a regular basis:定期的にマインドフルネスを行う
・Cultivate work relationships (or personal relationships outside of work) that involve people with different social identities.:異なる社会的アイデンティティを持つ人々との関係を育むこと
・Reduce stress, fatigue, cognitive overload, and time crunches:ストレス、疲労、認知的過負荷、時間的制約を軽減する →ストレスや疲労、深刻な認知的負荷や時間的制約があると、無意識のバイアスに戻りやすくなります。 リラックスして意思決定を遅らせ、意識的にすべての人々や集団に敬意を払う行動をとるようにしましょう。 などが紹介されていましたね。
6. 結論・まとめ
ここまでざっくりとアンコンシャスバイアスの種類と、その対策について解説してきました。 私もアンコンシャスバイアスについては知っていたものの、種類や対策までは知らなかったので非常に勉強になりました。 追記すると、アンコンシャスバイアスに打ち勝つには一回の努力や少しの期間、意識的に気をつけるだけでは変わらないそうで、 長い時間をかけてじっくり注意して変えていくしかないのだそう。
できることとしては先にも述べたように、
あたりは使いやすいかなーと。私も組織で仕事をはじめたので、バイアスに気をつけながら関係性築いていきたいっすー。