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The effect of occupational selfefficacy on work performance through intrinsic work motivation #172

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0. 論文タイトル・URL

The effect of occupational self-efficacy on work performance through intrinsic work motivation https://www.emerald.com/insight/content/doi/10.1108/MRR-03-2017-0062/full/html

1. その論文の目的・どこのリサーチか

2018年にトルコのNigde Omer Halisdemir University(ニーデオメルハリスデミール大学)が行った仕事における自己効力感が内発的動機やワークパフォーマンスに与える影響について調べた研究になります。

2. (先行研究とこれまでの問題)

従業員のモチベーション(動機付け)を高めることは、人事(HR)の常識に近いものとなっていまして、 ・フィードバックシステムの質の向上(Fleming and Sulzer-Azaroff, 1989; Whitaker and Levy, 2012) ・業績管理プロセスの改善(Lakshman, 2014) ・自律的な職場環境の実現(Hackman and Oldham, 1980) ・職務の充実(Pan and Werblow, 2012; Parker, 1998) ・ジョブローテーションプログラム など、多くのものがあげられます。

従業員のモチベーションを高めるための研究としては ・性格的要因(誠実性)が業績などの仕事の成果の予測因子となっている(Barrick and Mount (2005) ・ただし、ここで媒介要因となっているのは「動機付け」であり、動機づけがパーソナリティとパフォーマンスの媒介になっていると考えられている。 ・パーソナリティが。目標や自己効力感を通じて、行動に影響を与えている ということが示唆されてきました。 つまり、仕事における自己効力感が動機付けにも関係しているため、自己効力感の研究にもフォーカスされています。

◆自己効力感とは? 自己効力感とは、ある結果を生み出すために適切な行動を遂行できるという確信の程度、つまり自分が効力予期をどの程度持っているかを認知のことを言いまして、 つまり、仕事における自己効力感とはある仕事について「やればできそう!」という感覚があることを指します。

この仕事における自己効力感が高い人ほど、内発的動機も高まり、ワークパフォーマンスも高まるのでは? ということですね。

例えば上のジョブデザインの開発を例に挙げると、 ①ジョブデザイン開発する(仕事の新しいやり方や、あたらしいシステムの導入など) ②従業員の作業意欲が向上する ③前向きなフィードバックが得られることで、自己効力感が向上 ④パフォーマンスも向上 というメカニズムになっているということみたいですなー。

3. その論文の目的(具体的に)

本研究の目的は、内発的動機づけの増加を通じて、職務遂行における職業的自己効力感の重要性を実証することを目的としていて、仮説は以下の3つ。 ①仕事における自己効力感は、内発的動機を高めるか? ②仕事における自己効力感は、パフォーマンスを高めるか? ③内発的動機づけは、自己効力感-パフォーマンスの関係において測定指標として機能するか?

4. 方法

トルコの工業地帯で活動するブルーカラーの従業員(賃金労働者のうち、主に製造業・建設業・鉱業・農業・林業・漁業などの業種の生産現場で生産工程・現場作業に従事する労働者)76名を対象に、連続して10週間(毎週金曜日の午後)にアンケートに回答してもらいます。 参加者には、 ・職業的自己効力感尺度 ・内発的動機づけ尺度 ・ワークパフォーマンス尺度 の3つに回答してもらいます。

5. 結果

その結果何がわかったかといいますと、 ・仕事における自己効力感が内発的動機を有意に増加させていた(g = 0.31, p < 0.01)

仕事における自己効力感は作業パフォーマンスに正の影響を与えていた(g = 0.22、p < 0.05)

内発的動機は作業パフォーマンスを有意に増加させたが(g = 0.27, p < 0.01)、 自己効力感と作業パフォーマンスの間の相互作用は、内発的動機を加えた後やや減少した(g = 0.220, p < 0.05 から g = 0.165, p = 0.05 )

6. 結論・まとめ

ということで、仮説3は部分的に支持される結果になりまして、仮説①、②については有意ではあったものの、そこまで効果量が大きくはありませんでした(笑) 結論としては、仕事における自己効力感(やればできそう!みたいな感覚)を育ててあげたり、 やればできそうと思わせてあげることで、内発的動機が高まったり、パフォーマンスまで上がるってことでしたねー。

今回の研究は質問紙調査だったり、参加者がそこまで多くなかったり、効果量もそこまで大きくなかったりと、精度としてはそこまで高くはないのですが、自己効力感の高低は、多少なりに内発的動機やパフォーマンスに影響を与えているというのは頷けそうな研究なので紹介しました。ここら辺、メタ分析とかありそうなので今後調べてみますね~。

7. どんな使い方ができる?

個人的な感想としては、自分自身が、「やればできそう!」とか「自己効力感高めよう!」とかいうよりも、 上司が部下に対して、「やればできそう」と思わせられるような関わり方をしてあげることの方が、よっぽど使い勝手がいいのではないかなーというお話でした。

部下の生産性が、、とか従業員の生産性、内発的動機を高めたいなら、自分の関わり方ひとつで相手の生産性も変わりまっせ~ってことかなァと。