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Why a Simple Act of Kindness Is Not as Simple as It Seems: Underestimating the Positive Impact of Our Compliments on Others https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32856538/
2020年にペンシルベニア大学が行った「褒めること」のメリットに関する研究でございます。
これまでの研究では、人は初対面の人と接することに不安を感じ、自分の気持ちを上手に表現できるかどうか心配することが分かっています。 そのため、見知らぬ人や、そこまで仲の良くない人に対して褒めるということをしないのですね。 他にも様々な理由がありまして、 ・褒めると(自分が)マウントとってくる嫌なやつだと思われるから ・他人の良いところに目をつけると、嫉妬や競争心が芽生えてしまうから ・そもそも、褒めるようなチャンスに気が付かないから とかとか。 まあその上、日本人はとかく褒めるのが苦手なので褒める行為をあまりしないんだそうな。
しかし、研究者は、「人々は褒めることの価値を過小評価している」とおっしゃっておりまして、 以下の4つの実験を行いました。
・研究1では参加者に、見知らぬ人を褒めてもらい、相手に与える印象を予測。 その後、褒められた人に、実際に褒められてみてどのような気分になったのか回答してもらいます。 ・研究2では、台本に書かれたお手本の褒め言葉ではなく、自分の言葉で褒めてもらい、しっかりと本音で褒めてもらいました。 ・研究3では、自分が褒めた相手が受けるマイナスの影響を過大評価するのかどうかを検証。 ・最後に研究4では、褒め言葉を与える際の、自分のコミュニケーション能力に対する不安が、褒め言葉の効果に関する悲観的な信念を強めているのかどうかを検証しました。
・褒め言葉を与えた人は、その褒め言葉が相手に与えるポジティブな影響を過小評価していた。
・人は、自分が相手を褒めたことによって、相手がどれだけポジティブな気持ちになるかを理解していないだけでなく、相手が迷惑や不快、煩わしさを感じていると大幅に過大評価していた。
・そもそも自分が褒めることに対して不安を感じている(コミュニケーション能力を含む)ため、相手が嫌な気持ちになるのではないか、と考えていた。 →つまり自分に原因があった。
・そのために、第三者効果(AさんがBさんに対して褒めたときのBさんの感情を、Cさんが予測)を検証したところ、Cさんは褒められたBさんの気持ちを正確に予測していた。
つまりまとめると、
・人は見知らぬ人を褒めることに不安を感じるため、褒めた相手に与える効果を過度に悲観的に予測してしまう ・その理由は、自分が上手に褒められるかどうか心配になっているから ・証拠として、第三者効果を検証したところ、自分が関係ない場合は、褒められた人の気持ちを正確に予測できていた
ってことでして、人は褒めることに自信がないし、初対面でのコミュニケーションって気を遣うので 褒めることに不安感じ、それが褒められた相手の感情の予測を妨げるので褒められない、という結果でした。
褒め言葉は肯定的な自己評価、社会的受容を促進し、自尊心、健康、幸福感にも影響を与えるので、 自分も相手を褒めた方が幸せになりますし、相手も肯定・受容してもらえた気分になるので、 お互いwinwinなんですよね~。
基本的には、 ・褒める鉄板フレーズをいくつか用意しておくこと ・嘘ついている感覚になるのが嫌な人は、自分が感じたことで、褒め言葉に練習を繰り替えす 例:「~さんは頭がいいな」と感じた時 →「~さんはいつも論理的に考えられていてすごいな」/「~さんは陰で努力していてかっこいいな」 ・褒められて嫌な気持ちになる人はかなりまれなので、じゃんじゃん褒めちゃっても大丈夫だと認識すること ※もし褒められて嫌な気分になる人がいたときは、自分の褒め方がやばいか、相手に嫌われているか、よほど偏屈な人かのどれかです。 このあたりは使いやすいかと思いますのでどうぞお試しあーれー。
0. 論文タイトル・URL
Why a Simple Act of Kindness Is Not as Simple as It Seems: Underestimating the Positive Impact of Our Compliments on Others https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32856538/
1. その論文の目的・どこのリサーチか
2020年にペンシルベニア大学が行った「褒めること」のメリットに関する研究でございます。
2. (先行研究とこれまでの問題)
これまでの研究では、人は初対面の人と接することに不安を感じ、自分の気持ちを上手に表現できるかどうか心配することが分かっています。 そのため、見知らぬ人や、そこまで仲の良くない人に対して褒めるということをしないのですね。 他にも様々な理由がありまして、 ・褒めると(自分が)マウントとってくる嫌なやつだと思われるから ・他人の良いところに目をつけると、嫉妬や競争心が芽生えてしまうから ・そもそも、褒めるようなチャンスに気が付かないから とかとか。 まあその上、日本人はとかく褒めるのが苦手なので褒める行為をあまりしないんだそうな。
3. その論文の目的(具体的に)
しかし、研究者は、「人々は褒めることの価値を過小評価している」とおっしゃっておりまして、 以下の4つの実験を行いました。
4. 方法
・研究1では参加者に、見知らぬ人を褒めてもらい、相手に与える印象を予測。 その後、褒められた人に、実際に褒められてみてどのような気分になったのか回答してもらいます。 ・研究2では、台本に書かれたお手本の褒め言葉ではなく、自分の言葉で褒めてもらい、しっかりと本音で褒めてもらいました。 ・研究3では、自分が褒めた相手が受けるマイナスの影響を過大評価するのかどうかを検証。 ・最後に研究4では、褒め言葉を与える際の、自分のコミュニケーション能力に対する不安が、褒め言葉の効果に関する悲観的な信念を強めているのかどうかを検証しました。
5. 結果
・褒め言葉を与えた人は、その褒め言葉が相手に与えるポジティブな影響を過小評価していた。
・人は、自分が相手を褒めたことによって、相手がどれだけポジティブな気持ちになるかを理解していないだけでなく、相手が迷惑や不快、煩わしさを感じていると大幅に過大評価していた。
・そもそも自分が褒めることに対して不安を感じている(コミュニケーション能力を含む)ため、相手が嫌な気持ちになるのではないか、と考えていた。 →つまり自分に原因があった。
・そのために、第三者効果(AさんがBさんに対して褒めたときのBさんの感情を、Cさんが予測)を検証したところ、Cさんは褒められたBさんの気持ちを正確に予測していた。
6. 結論・まとめ
つまりまとめると、
ってことでして、人は褒めることに自信がないし、初対面でのコミュニケーションって気を遣うので 褒めることに不安感じ、それが褒められた相手の感情の予測を妨げるので褒められない、という結果でした。
褒め言葉は肯定的な自己評価、社会的受容を促進し、自尊心、健康、幸福感にも影響を与えるので、 自分も相手を褒めた方が幸せになりますし、相手も肯定・受容してもらえた気分になるので、 お互いwinwinなんですよね~。
7. どんな使い方ができる?
基本的には、 ・褒める鉄板フレーズをいくつか用意しておくこと ・嘘ついている感覚になるのが嫌な人は、自分が感じたことで、褒め言葉に練習を繰り替えす 例:「~さんは頭がいいな」と感じた時 →「~さんはいつも論理的に考えられていてすごいな」/「~さんは陰で努力していてかっこいいな」 ・褒められて嫌な気持ちになる人はかなりまれなので、じゃんじゃん褒めちゃっても大丈夫だと認識すること ※もし褒められて嫌な気分になる人がいたときは、自分の褒め方がやばいか、相手に嫌われているか、よほど偏屈な人かのどれかです。 このあたりは使いやすいかと思いますのでどうぞお試しあーれー。