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Creativity enhancement methods for adults: A meta-analysis
2023年にフンボルト大学が、成人のクリエイティビティ/創造性を高める方法に関するメタ分析を行いました。 クリエイティビティを高める方法を調べたメタ分析では最新の研究になります。
創造性研究はこれまでもたくさん行われてきましたが、効果があるとされているものもあれば、 実際にはそこまで創造性を高めないのに効果がある、とされてしまう研究も中にはあります。 そこで研究チームは改めてどんな介入が効果的なのか、より効果的な方法とそうでない方法を区別することを目的として メタ分析を行ってくれました。
創造性・クリエイティビティというと、多くの人が ・アイデアを生み出す仕事 ・デザイナー ・芸術家 といったキーワードを連想し、「自分とは関係ないやー」と考えがちですが、 「創造性=収束的思考×拡散的思考」によって生み出される問題解決スキルの1つであるので、 ・AIに仕事を奪われたくない人や ・他の人が思いつかないような発想・アイデア、仕事をしたい と思う人は必須のスキルになります。
メタ分析の結果、84件の適格な研究が抽出され、332の効果量を統合し、創造性を高める方法や介入がわかりました。
1.創造性について学ぶ 大学の授業のような数週間受けるコースが効果的な介入のようですが、書籍などで創造性に関する知識、アイデアを生み出す手法などについて学ぶのも効果的かと思います。 また、「創造性がどのようなプロセスで生まれるのか」といった、創造性に関する知識を得ることも効果的な介入になるので、それについて勉強してみるのもよいでしょう。
2.瞑想 瞑想が効果的なのは思考のモニタリングができるようになるためです。 アイデアが降りてきた時に、そのアイデアに気づけることは問題解決につながるヒントを掴めるかと関係してくるので、 自分の思考に注意を向けられるトレーニングは創造性を高めることにつながるわけですなー。
3.文化的エクスポージャー これは「芸術」や「文化」に触れる活動を定期的に行うことですね。 ・演劇、舞台鑑賞 ・ライブ ・映画を見に行く ・美術館、博物館に行く ・読書 ・コンサートに行く ・楽器を習う などは文化的エクスポージャーになるので、あまり文化的活動をしていない人は、月1とか2か月に一回とかでもいいので、 取り入れていくのがいいかもです。
4.オープン・シンキング 拡散的思考や開放的な思考を必要とするものです。 ・インプロ(即興、即興劇) ・洞察問題(知恵の輪や複雑なパズル) ・代替カテゴリー課題(あるものに対して、他の使い方を考える課題) 柔軟な思考や発想が求められるような活動も、創造性を高めるには効果的だそう。
5.収束的思考トレーニング アイデアが出せるようになるには、そもそもその分野に関する前提知識がないと思い浮かぶことはできません。 創造性のプロセスから考えると、創造性の構成要素の半分は収束的な思考で構成されているので、 ・課題への前提知識を学ぶ ・情報収集を行う ・課題設定を行う などは、拡散的思考よりも効果的であるようです。 そりゃあ何もないところから生み出せるものって限度があるので、ある程度の前提知識は 問題解決やひらめきのためにも必要なのはごもっともって感じですねー。
ちなみに効果がなかった介入としては、お酒を飲むことでして、 これは拡散的思考にはなりやすいですが、「創造性の能力を高める」ことにはつながらないので、 収束的思考で問題をがっつり考えた後に、夜にワインを飲みながらぼんやりする、みたいな使い方はいいかも。
どれも日常生活に取り入れやすかったり、週末にちょっと文化的エクスポージャーをやってみるとかも効果的ですね。 個人的には1の「創造性について学ぶ」も重要だと思ってます。 どうやって創造性が生まれるのか、というプロセスを知っておくだけで、アイデアを生み出すために自分は今何をしなきゃいけないのか、という「自分の位置」がわかるだけで、創造性を活かしやすくなるのですよねー。 念のため補足しておくと、この研究は「創造性を高める」ということを主軸に置いているので、「いや、私はシャワーを浴びている時ほどアイデアが生まれやすいですよ?」という話ではありませんのでご注意を。
0. 論文タイトル・URL
Creativity enhancement methods for adults: A meta-analysis
1. その論文の目的・どこのリサーチか
2023年にフンボルト大学が、成人のクリエイティビティ/創造性を高める方法に関するメタ分析を行いました。 クリエイティビティを高める方法を調べたメタ分析では最新の研究になります。
2. (先行研究とこれまでの問題、その論文の目的(具体的に)
創造性研究はこれまでもたくさん行われてきましたが、効果があるとされているものもあれば、 実際にはそこまで創造性を高めないのに効果がある、とされてしまう研究も中にはあります。 そこで研究チームは改めてどんな介入が効果的なのか、より効果的な方法とそうでない方法を区別することを目的として メタ分析を行ってくれました。
創造性・クリエイティビティというと、多くの人が ・アイデアを生み出す仕事 ・デザイナー ・芸術家 といったキーワードを連想し、「自分とは関係ないやー」と考えがちですが、 「創造性=収束的思考×拡散的思考」によって生み出される問題解決スキルの1つであるので、 ・AIに仕事を奪われたくない人や ・他の人が思いつかないような発想・アイデア、仕事をしたい と思う人は必須のスキルになります。
4. 方法
メタ分析の結果、84件の適格な研究が抽出され、332の効果量を統合し、創造性を高める方法や介入がわかりました。
5. 結果
1.創造性について学ぶ 大学の授業のような数週間受けるコースが効果的な介入のようですが、書籍などで創造性に関する知識、アイデアを生み出す手法などについて学ぶのも効果的かと思います。 また、「創造性がどのようなプロセスで生まれるのか」といった、創造性に関する知識を得ることも効果的な介入になるので、それについて勉強してみるのもよいでしょう。
2.瞑想 瞑想が効果的なのは思考のモニタリングができるようになるためです。 アイデアが降りてきた時に、そのアイデアに気づけることは問題解決につながるヒントを掴めるかと関係してくるので、 自分の思考に注意を向けられるトレーニングは創造性を高めることにつながるわけですなー。
3.文化的エクスポージャー これは「芸術」や「文化」に触れる活動を定期的に行うことですね。 ・演劇、舞台鑑賞 ・ライブ ・映画を見に行く ・美術館、博物館に行く ・読書 ・コンサートに行く ・楽器を習う などは文化的エクスポージャーになるので、あまり文化的活動をしていない人は、月1とか2か月に一回とかでもいいので、 取り入れていくのがいいかもです。
4.オープン・シンキング 拡散的思考や開放的な思考を必要とするものです。 ・インプロ(即興、即興劇) ・洞察問題(知恵の輪や複雑なパズル) ・代替カテゴリー課題(あるものに対して、他の使い方を考える課題) 柔軟な思考や発想が求められるような活動も、創造性を高めるには効果的だそう。
5.収束的思考トレーニング アイデアが出せるようになるには、そもそもその分野に関する前提知識がないと思い浮かぶことはできません。 創造性のプロセスから考えると、創造性の構成要素の半分は収束的な思考で構成されているので、 ・課題への前提知識を学ぶ ・情報収集を行う ・課題設定を行う などは、拡散的思考よりも効果的であるようです。 そりゃあ何もないところから生み出せるものって限度があるので、ある程度の前提知識は 問題解決やひらめきのためにも必要なのはごもっともって感じですねー。
6. 結論・まとめ
ちなみに効果がなかった介入としては、お酒を飲むことでして、 これは拡散的思考にはなりやすいですが、「創造性の能力を高める」ことにはつながらないので、 収束的思考で問題をがっつり考えた後に、夜にワインを飲みながらぼんやりする、みたいな使い方はいいかも。
7. どんな使い方ができる?
どれも日常生活に取り入れやすかったり、週末にちょっと文化的エクスポージャーをやってみるとかも効果的ですね。 個人的には1の「創造性について学ぶ」も重要だと思ってます。 どうやって創造性が生まれるのか、というプロセスを知っておくだけで、アイデアを生み出すために自分は今何をしなきゃいけないのか、という「自分の位置」がわかるだけで、創造性を活かしやすくなるのですよねー。 念のため補足しておくと、この研究は「創造性を高める」ということを主軸に置いているので、「いや、私はシャワーを浴びている時ほどアイデアが生まれやすいですよ?」という話ではありませんのでご注意を。