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The Natural Sleep Company Sleep Survey in Ireland #73

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0. 論文タイトル・URL

The Natural Sleep Company Sleep Survey in Ireland http://naturalsleep.ie/sleep-survey-results.php

1. その論文の目的・どこのリサーチか

前回に引き続き睡眠に関する調査です。今回も論文ではありませんが、アイルランドの睡眠に関する2016年のsurveyです。 ナチュラルヘルスカンパニーという、ベッドやマットレスの開発を行っているアイルランドの企業の調査になります。 基本的にはデータしか出ていないので、考察などを踏まえて記載していこうと思います。

4. 方法

参加者はアイルランドに在住の1800人以上を対象に睡眠に関する質問を行いました。

5. 結果

1.夜に眠れない理由は?(What keeps us up at night?) これに対して最も多かったのは56%の参加者がRacing mindと回答していました。 Racing mindとは何かというと、思考がかけめぐっているような状態です。 つまり寝る前に色々と考えすぎてしまい眠れない、ということですね。 2位が27%でDiscomfortで不快感となっています。 それ以降は騒音や子供、夢、ベッドの温度や室温などが原因とされています。

そこで、日本の研究と比較してみるとおもしろいことがわかりました。 ニューロスペースが2018年に504人の参加者を対象に行ったリサーチ(https://precious.jp/articles/-/9837#)で、睡眠を妨げる要因について尋ねたところ、結果は以下の通り。 1位:仕事による帰宅の遅さ 2位:ベッドでのスマホ 3位:通勤時間 あとは家事・育児・屋外の環境、という回答が得られたのですが、おもしろいのはこの回答の違いではありません。

回答項目の違いです。

質問紙調査であり、自由形式でない場合は選択肢の中からしか選ぶことができません。 つまり、日本の企業と海外の企業で選択肢が根本的に異なっていて、眠れない理由を仕事や通勤時間など、外的要因に置いているのが日本の特徴です。 それに対して、ベッドが合っていない、考えすぎてしまうという内的要因に置いているのがアイルランドの特徴でした。

他のヨーロッパ先進国の調査を見ていないので他国のことはわかりませんが、日本の場合は外的要因によって眠れないと感じている人が多い、もしくは、調査項目をどのように設計したかはわかりませんが、設計者が外的要因の方が大きいと判断した結果が質問紙に反映されたということになります。

それか日本が内的要因に着目する以前に外的要因が安定していないために内的要因に着目できない、という考え方もできるかもしれません。

2.電子機器からどのように離れるか?(How do we unplug?) 寝室でタブレットやノートパソコンなどの携帯端末を使う人の割合が多く、なんと60%の人がベッドに入る前にスマートフォンを使用しています。 入眠前にブルーライトを浴びないことで睡眠の質は向上しますが、なかなか実行が難しい要因の1つでもあると思います。 ちなみに日本人は睡眠を妨げる要因として21%が「ベッドでのスマホ」と回答しているので、日本人の方がベッドでスマホしている人の割合は少ないかもしれません。

3.寝る前にどんなことをしているか? アイリッシュの40%が、「寝るために本を読む」と回答していました。 本を読んでいると眠くなることはあると思いますが、この場合は小説などの物語がベターなようです。ビジネス書籍などを読んでしまうと頭を使ってしまいかえって眠れなくなってしまうかもしれません。 ※ただし、暗い中本を読んでしまうと目を酷使してしまいますので、ほどほどに。

ちなみに17%の人が「音楽を聴く」と回答していましたが、音楽を聴くことはリラックス効果を促すのでこちらもおすすめ。前回の7つのTipsでもご紹介しています。

4.どのくらい眠っているか? 回答者の54%が6~8時間の睡眠をとっていました。4~6時間の睡眠は30%ほど。 日本の場合は6時間未満の睡眠が4割という報告があるので、比較するとやはり睡眠時間の短さは世界でも低いことはわかりますね。 6~8時間の睡眠時間はスイートスポットと呼ばれ、推奨される睡眠時間ですので、7時間くらいは確保したいところですね。

5.どのくらいお昼寝をしているか 回答者の70%近くが、日中に昼寝をしないと答えています。 昼寝をする人のうち、48%は週に2~3回程度みたいです。90分の睡眠、もしくは20分弱のお昼寝は脳の機能を回復させるので、メンタルヘルスに効果的で、男性においては心臓病のリスクも低下させるのでおすすめです。 しかし日本ではまだお昼寝は推奨されていない組織・機関がほとんどですので、これからのムーブメントに期待ですね。

6. 結論・まとめ

アイルランドと日本の睡眠研究について紹介してきました。 今回は睡眠の質には焦点を当てていないため、アイルランドの方が睡眠の質が高いかどうか、などは判断しかねますが、 主観的な意見で言えば睡眠の質はかなり向上した、というのが個人的な感想です。 というのも、私が住んでいる場所が住宅街ということもありますが、日中でもほとんど車の音も聞こえませんし、 ましてや電車があまり発達していないため、電車の騒音なども聞こえません。路面電車が入っていますが、基本的には街中だけですし、音もすごく静かなのでうるさく感じません。 街灯も少なくほとんど真っ暗になってしまうので、電気を消すと真っ暗になって眠れるのはとても快適です(※その分日の光もあまり入ってこないのですが、、) 特にアイルランドは年間の3分の2が雨という気候ですので、ビタミンDが若干不足しがちです。北欧諸国に比べればマシな方ですが、晴れている日は積極的に運動・散歩をしている方がとても多いのです。こうして日中に身体を動かして疲れさせておくことも、良質な睡眠には欠かせないですね。

7. どんな使い方ができる?

使い方に関しては前回紹介しました7つのTipsを実践していることが手っ取り早いかと思いますので、まずはそちらを試してみてはいかがでしょうか。 今回の調査からの使い方としては眠る時に生じる内的な要因、考えすぎてしまうことなどは特に注意ですね。 ストレス過多な状態であったり不安なことがあると、どうしても色々と考えてしまい眠れなくなることはあると思います。 そういう場合は一度起き上がってみたり、音楽を聴いてみたり、水を飲んでみたり、一度眠ることから離れた方がかえって眠ることができることがわかっています。眠れない時は、ぜひやってみてはいかがでしょうか。

mentalistL commented 3 years ago

参考資料 https://precious.jp/articles/-/9837# https://brain-sleep.com/sleep-deviation/research2/#:~:text=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E3%81%AE%E7%9D%A1%E7%9C%A0%E6%99%82%E9%96%93,%E5%A0%B1%E5%91%8A%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82