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Talent Management and Its Effect on Organization Performance among Nurses at Shebin El-Kom Hospitals #83

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0. 論文タイトル・URL

Talent Management and Its Effect on Organization Performance among Nurses at Shebin El-Kom Hospitals https://www.researchgate.net/profile/Laila-Dorgham/publication/330507104_Talent_Management_and_Its_Effect_on_Organization_Performance_among_Nurses_at_Shebin_El_-Kom_Hospitals/links/5e0cb8a84585159aa4aa3f7d/Talent-Management-and-Its-Effect-on-Organization-Performance-among-Nurses-at-Shebin-El-Kom-Hospitals.pdf

1. その論文の目的・どこのリサーチか

2018年のエジプトにあるミヌーフィーヤ大学によるタレントマネジメントの効果に関する研究です。

2. (先行研究とこれまでの問題)

今回は組織に、マネジメントに関する研究です。 組織は、優秀な従業員を惹きつけ、育成し、維持する必要があり、特に能を持つ従業員には可能な限り長くその組織に所属してほしいと思っています。 したがって、世界中の組織の成長は、適切なスキルを持った適切な人材を適切なタイミングで、適切な場所に配置し、適切な活動に集中させることができるかどうかにかかっている。 つまり、その人に合った能力、動機付け、ポジション(機会)に配置することで才能・パフォーマンスを発揮できるという考え方に基づいており、これをタレントマネジメントといいます。 このような理由から、タレントマネジメントは戦略的人事管理の課題の最上位に昇格し、すべての組織で最優先事項を獲得していまして、近年注目を集めているマネジメント手法なのですね。

ちなみに才能とは、個人の能力の総和と捉えられ、個人が本来持っている才能、スキル、知識、経験、知性、判断力、態度、性格、意欲などが含まれます。また、人間の努力の分野で体系的に開発された能力と知識をより使いこなすことであるとも言われています。

タレントマネジメントの目的は、戦略的および運営上の目標と目的を達成する、ハイパフォーマンスで持続可能な組織を作ることです(Campbell & Smith, 2014)。従業員を惹きつけ、選択し、従事させ、開発し、維持することが、タレントマネジメントの5つの主要な焦点である。

3. その論文の目的(具体的に)

そこでこの研究では2つの病院(シェビン・エル・コム教育病院とメヌーフィア大学病院)を対象に、タレントマネジメント戦略における育成、維持、組織への魅力、パフォーマンス、そしてタレントマネジメントの構成要素と組織のパフォーマンスとの間にはどのような相関関係があるのかについて調べました。

4. 方法

独立変数 ・タレントマネジメントの構成要素 ・アトラクション(魅力) ・能力開発 ・従業員の維持/人材の保持 従属変数 組織のパフォーマンス として分析を行います。

メヌーフィア大学病院から170名、シェビン・エル・コム教育病院から103名の計273名の看護師を対象に質問紙調査を行います。項目としては ・人材の魅力に関する質問 「病院には優秀な労働者/候補者を集めて採用するシステムがある」 「病院の管理者は優秀な労働者/候補者を集めて採用する能力を持っている」

・人材開発・育成に関する質問 「病院はトレーニングの必要性を客観的に把握している」 「病院は経験の浅いスタッフに熟練したスタッフの専門知識を伝えようとしている」

・人材保持に関する質問 「病院の給与と福利厚生は競争力がある」 「病院の雇用条件はワークライフバランスを満たしている」

・組織のパフォーマンスに関する質問 組織のコミュニケーション、組織の方針、組織の発展と変化、組織のパフォーマンス評価に関する質問を行いました。

5. 結果

・人材の魅力・保持・育成の全てにおいて、従業員は両病院とも概ね満足していた。 しかし、以下の項目において統計的に有意な差がなかったものとしては、 ・病院には優秀な人材を集めて採用するシステムがある病院の採用プロセスは最高の人材を選ぶことに成功している ・病院は資格と経験で従業員を識別している病院は熟練し、従事し献身的な労働力からなる人材プールを開発している ・病院は高い潜在能力を持つ従業員を特定し、彼らを開発するための個人的な計画を策定している ・病院は、経験の浅いスタッフのために、高い技術を持つスタッフから専門知識を伝えようとしている

逆に有意な差があったものをいくつか抜粋すると、 ・病院は、才能ある従業員のキャリア開発を奨励している。 ・病院は才能を伸ばすための学習・開発プログラムを持っている。 ・管理部門は、従業員のパフォーマンスを監視し、パフォーマンスを向上させるためのアドバイスをしている。 ・組織は明確な方向性と焦点を持っている ・人材の育成と開発に高い優先順位を置く

・病院の給料や福利厚生が十分であることが望ましい。 ・メヌーフィア大学病院の看護師は、シェビン・エルコム教育病院の看護師と比較して、人材の獲得、維持、組織のパフォーマンスの合計スコアに関して、高い満足度を示し、統計的に有意な差が見られた。 ※しかし、人材の開発・育成には有意な差が見られなかった。 ・組織のパフォーマンスとタレントマネジメントの3つの要素のそれぞれとの間には、非常に有意な正の相関関係があった。

6. 結論・まとめ

タレントマネジメントを活用していない場合でも、従業員の満足度や各スコアはある程度高かったものの、 比較してみると、タレントマネジメントを活用していたメヌーフィア大学病院の方が、人材を惹きつける魅力(人材獲得)、 維持、組織のパフォーマンス得点は高いという結果になったので活用できるならした方がいいですね。

今回生じたその大きな差としては、 ・給料・福利厚生が十分であること ・キャリアの支援をしてくれる系 ・仕事のパフォーマンスを高めるためのアドバイスをくれる系 ・双方向のコミュニケーションがある ・組織が従業員の育成や明確なビジョンを持っているか など、特に人材開発要素は有意差が出なかったので、やりがいのある仕事を作ることや、仕事の満足度に関してはタレントマネジメントの課題になりそうですね。人材開発はパフォーマンスに正の有意な効果があり、これによって組織内の従業員のパフォーマンスが向上し、仕事の満足度とモチベーションが大幅に上昇すると先行研究でも示唆されているので、育成を行える企業はパフォーマンスが向上しやすい(ですが、人手がいないと育成に手が回らないというのも事実なので、ベンチャーなどには難しいところですね。。