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Facial appearance is a cue to oestrogen levels in women #98

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0. 論文タイトル・URL

Facial appearance is a cue to oestrogen levels in women https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1560017/

1. その論文の目的・どこのリサーチか

セントアンドリュース大学の2006年の論文で、女性の外見とエストロゲンについての研究です。

2. (先行研究とこれまでの問題)

男性らしい顔、女性らしい顔ってありますが、この違いについてお話します。 まず前提として、私たちは魅力的な異性に対して身体的な特徴で最初は判断するように設計されています。(もちろん生殖のため)。だから男性であれば、 ・筋肉質 ・背が高い ・イケメン とか。女性であれば、 ・胸が大きい ・安産体型もしくはスタイルが良い ・かわいい・美女 とかとか。 まあ色々ありますが、今回はとりわけ顔についてです。

先行研究では、精子の質が高い男性の顔は、精子の質が低い男性の顔よりも魅力的であると評価されることがわかっていまして、これはつまり、質の良いテストステロン(男性ホルモン)を持っている健康的な人=イケメンと評価されることがわかっています。男性であれば運動したり、筋トレしてマッスルになれば顔つきもイケメンになっていくということ。

じゃあ女性はどうなの?っていうと、これまでの研究では明らかにされていないそう。まず女性の場合は 生殖器の健康に影響を与える2つの主なホルモンは、エストロゲンとプロゲステロンで 繁殖力や生殖に関する健康の正確な指標となるため、男性と同様であれば、顔の外観に関しても関連がありそう! と考えられますよね。

ちなみに男性が最も魅力的と感じる体型(ウエスト・ヒップ比(WHR))を持つ女性は、他のカテゴリーの体型よりもエストロゲンレベルが高いことが報告されていたり、女性ホルモンのレベルによる魅力は影響あるんじゃない?と考えられるそう。 他にも声が高い女性ほどエストロゲンレベルが高いみたい(てことは声が高いと胸も大きいという理屈になるのはどう説明するんだろうかw)

3. その論文の目的(具体的に)

そこで本研究では、エストロゲンレベルが女性の顔の外見にポジティブに関係しているという仮説を、 女性らしさ、魅力、健康を感じる顔を評価することで検証することです。 また、プロゲステロンが顔の見た目に関係するという仮説も検証します。

4. 方法

59人の女性の参加者を対象に、4~6週間にわたって、実験室に来てもらい写真を撮ります。 化粧の有無は撮影時に報告してもらいます。ホルモンレベルに差が出ないように、年齢は近い年齢の女性を集めています。 あとは参加者の ・ホルモン測定 ・月経周期などに関するアンケート に回答してもらい、 男性の以上の工程ののちに、男性の参加者にランダムに表示される顔の魅力を判断してもらいます。 ちなみに、エストロゲンが関係しているかどうかを調べるために、 この実験では予め「平均顔」というものを作成しております(色々な女性の顔を混ぜてつくった顔)。 この写真のエストロゲンレベルを最大にしたものと最低にしたものを使用しています。

5. 結果

化粧をしていない場合、エストロゲンレベルは、女性らしさ(r=0.48, p=0.007, n=30)、魅力(r=0.48, p=0.007, n=30)、健康評価(r=0.52, p=0.003, n=30)と有意に正の相関を示した。 ・一方、化粧をしている女性では、エストロゲンレベルは女性らしさ(r=0.003、p=0.99、n=24)、魅力(r=0.08、p=0.71、n=24)、健康度(r=0.07、p=0.74、n=24)とは関係がなかった。 →つまり、メイクによってエストロゲンレベルを補正しているということ。(エストロゲンレベルが低くてもメイクで補えるということ) ・エストロゲンレベルは有意な予測因子であったが、プロゲステロンは有意でなかった。 ・評価者の性別を統制しても、評価の違いに影響はなかった。

6. 結論・まとめ

メイクによってエストロゲンレベルを補正、補えるというのはおもしろい発見でした。 つまり、メイク自体は女性の外見的魅力を高めるものであると同時に、エストロゲンレベルを補正するものでもある。 これはつまり、男性がメイクをすることでエストロゲンレベルを補正できる(つまり女性っぽい印象を与えることができることを示唆しています)。 相関係数も高めだったので、エストロゲンレベルが顔の魅力を左右しているというのはある程度間違いなさそうと言えそうですね。 ※厳密には、この研究では後期エストロゲンといって排卵後のエストロゲンレベルで測定しています。

7. どんな使い方ができる?

エストロゲンを増やせるのか、みたいな話としては、調べてみると「増やす」というよりも 「コントロールする」「バランスを整える」みたいな感じらしいです。そもそもドバドバでるほどの分泌量ではないらしく、 普段の分泌のバランスがメンタルや身体的症状に現れるんだそう。 となれば、やはり食事睡眠は重要になってきます。 中でも、クルミなどのナッツ系、味噌、豆腐、納豆などから摂取できる「大豆イソフラボン」 がおすすめみたい。 もちろんサプリでも有効ですし(むしろサプリの方が効率的に摂取できるまである)。 歳を取ってくるとプロゲステロンやエストロゲンのようなホルモンも減っていくので、 イライラとか落ち着かないとか、そういった感じがあればホルモンバランスを考えてみてもいいかも。