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proximity の訳について相談があります。
英語記事に以下の記述の中で、
Proximity: When two selectors in the origin layer with precedence have the same specificity, the property value from the last declared selector with the highest specificity wins.
後に宣言されたセレクターの方が強い、という説明に Proximity の語があてられています。しかし proximity は W3C の CSS Cascading and Inheritance Level 6 で @scope
の文脈で(つまり別の意味で)定義されてしまいました。そのまま訳すと 2 つの別の概念について、訳が衝突してしまう危険があります。
説明に相当する概念は Order of Appearance として定義されているので、こちらの採用を考えています。
proximity を order of appearance と読み替えても大丈夫でしょうか?
同じ説明について「出現順 (order of appearance)」の語が使われています。
「proximity (近接)」が上で書いた 2 つの異なる意味で使われています。
(いちコントリビューターとして)私の意見を述べてみます。
proximity を order of appearance と読み替えても大丈夫でしょうか?
意味的にその方が適切であれば、日本語訳をするに際して読み替えて良いと思います。(日本語版の読者にむやみに誤解を与える表現をあえて採択する理由はないと考えます)
同時に、英語版の文章が不適切だと判断できるのであれば、英語版の当該箇所の文章を修正する PR を作成してしまった方が良いかと思います。
一方、もし英語版 PR を作成した上で却下されるようなことがあれば(つまり、proximity とすべき合理的な理由があれば)逆に日本語版でも proximity のまま翻訳すべきであると考えます。
日本語版の翻訳作業と英語版の修正作業のどちらを先に行うかは自由(どちらでもよいと考えます)ですが、上記のような対応をとるのがよいのかなと思いました。
補足ですが、私も何度かこのような問題に出会してきました。つまり英語版の表現をそのまま翻訳するだけだと誤解が生じ得るケースがあるということです。
日本語訳の読者は主に我々日本人です。その読者に向けた文書であるのですから、よりわかりやすく適切な文書に仕上げるというのが本来あるべきドキュメントの姿だと考えています。つまり、日本語訳の内容を英語版に忠実に近づけることよりも優先すべき指標があると考えています。
実際、私はしばしば、日本語訳において、英語版には存在しない補足段落を日本語版に挿入したりしています。これは日本語訳の読者にとって有益なものです。
別の手段として、翻訳しないという選択肢もあります。
英語での表現を意味のあるものとして日本語訳に取り込むということです。あるいは、翻訳した上で括弧書きで英語表現を併記するという方法も考えられます。
翻訳に際してどこまで日本語化するかという別の問題も絡んできますが(例えばキーワードの見出し語など)、参考になれば幸いです。
例えばですが、個人的には https://developer.mozilla.org/ja/docs/web/api/fetch_api は変な翻訳に見えます。「フェッチ API」と書くくらいなら「Fetch API」のままの方が自然に思えます。
英語版の PR を作る方向で対応します。(もしこれが問題になるなら)英語版でも問題になるはずなので、たしかにそれが良いですね。
あるいは、翻訳した上で括弧書きで英語表現を併記するという方法も考えられます。
訳者の裁量(?)で、記事ごとに英語表現の併記があったりなかったりするようですが、自分は初出の段階で併記する方向で統一しています。
日本語として正確で分かりやすい文書であることが第一ですよね。 丁寧な回答、ありがとうございます。
翻訳対象ページ (原文 URL)
https://developer.mozilla.org/en-US/docs/Learn/CSS/Building_blocks/Cascade_layers
備考・ヘルプ
(特になし)