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過去のデータを利用して将来の予測を行うことは、多くの機械学習ベースの推薦システムの基礎となっています。 これを行うにあたって、近年(※論文発表は2019年)ではRNN(Recurrent Neural Network)やCNN(Convolutional Neural Network)といったニューラルネットワークを活用した推薦モデルが注目されています。RNN系は、連続するitem間の相互作用がリカレント行列で捉えられ、長期的な依存関係が読みながらリカレントメモリに保持される仕組みになっています。一方、CNNは、入力列に対してパラメータ化された変換をスライドさせることにより、相互作用を捉える仕組みになっています。
どちらのモデルも、モデルはユーザの履歴に関して興味を十分に捉えることはできているとは言えない。
ユーザの履歴についてitem-itemの相互作用(おそらくattention mapのこと)を同時に考慮した推薦モデルの構築
AttRecのアーキテクチャを下記に示す。
短期的な興味と長期的な興味を組み合わせて構築されている。
AttRecで使用するSelf Attentionの概念図を下記に示す。
Self AttentionはAttentionメカニズムの中でも特殊な例で、1つのシーケンスを自分自身と照合し、シーケンスの要素それぞれがシーケンス内のどこに注目するかをモデリングしている。これにより、通常のRNNとは異なり、シーケンス内の要素の関係を距離に関わらず捉えることができる。
通常のSelf Attentionでは、1つの要素のEmbeddingからQuery, Key, Value が別々に生成され、それらを用いて出力が計算される。 AttRecでは、Query, Key, Valueは重みを共有したNNによって計算される。
Embeddingの次元をdとし、対象とするシーケンス長をLとすると、特定のユーザーuの時点tにおける関係するEmbeddingの集合は下記のような行列で表現できる。
これについて、まずQueryとKeyのシーケンスは上記で同じとなっている。次に、QueryとKeyについて別々の行列積とReLUを適用する。
ここからAttentionMapを下記のように算出する。
そのため出力はL×Lの行列になる。その後、Valueと積をとってAttentionの出力を得る。
通常、valueはXとは異なる値になるが、AttRecでは同じにしている。 この状態では長さLのベクトルのリストになってしまっているので、1つのAttention表現を取得するために、平均を用いる。
ここまでで、Self Attentionとしての処理は終わり、ユーザーの短期的な短期的な興味を示している。 また、Transformer同様Position Encodingを行う。 はじめのEmbeddingを得る段階で、sin, cos関数を使用してTime Embeddingを作成する。
これらはKey , Queryに対して非線形変換の前に単純に加算される。
latent factorアプローチ同様、各ユーザーと各アイテムに対して latent factorを割り当てる。 ここで、単純に内積でユーザーとアイテムの関係を計算することができるが、先行研究で内積は最適解にならないことが示唆されていることから、関係についてはユークリッド距離を用いて算出する。
この距離が小さいほど、ユーザーがアイテムを好み、大きいほどユーザーはアイテムに無関心であることを表す。
時間ステップ t での短期的興味と長期的興味が与えられたとき、我々のタスクは時間ステップ t+1 でユーザがインタラクションするアイテムを予測することが目的である。
学習に関して目的関数を下記のように設定する。
第1項がユーザーとアイテムのユークリッド距離を表した長期的興味、第2項が短期的興味を表す。(Hは予測した結果, Xはアイテムから計算されるValue) これらをωで荷重をかけたものを目的変数としている。
pairwise ranking methodを採用し、T個のアイテムをネガティブサンプリングする。 最適化関数はadaptive gradient algorithmを使用し、yの値をもとに上位のアイテムを推薦するものとする。
先行研究の他の手法より、HR@50・MRRが優れていることを確認。
Self Attentionの有無での結果の比較を見るに、ありのほうが優れていることを確認。
論文URL
https://arxiv.org/abs/1808.06414
著者
Shuai Zhang, Yi Tay, Lina Yao, Aixin Sun
会議
AAAI'19
背景
ユーザーの行動履歴にもとづいて推薦を行う際に、短期ー長期の嗜好を十分にモデル化できた手法がない。
目的
ユーザの履歴についてitem-itemの相互作用(おそらくattention mapのこと)を同時に考慮した推薦モデルの構築
アプローチ