環境

Vim: 8.2 OS: Ubuntu ロケール: 日本語環境(enc=utf-8)

事象

以下のオプションが設定されているかつカーソル行に全角の大文字が重複して存在する場合、 f/F/t/T の何れかを実行すると clever_f#_mark_direct 関数にてエラー（E716: Key not present in Dictionary）が発生する。

g:clever_f_ignore_case=0
g:clever_f_smart_case=1
g:clever_f_mark_direct=1

具体的には、xＢＢ という行に対して x の位置で :call clever_f#find_with('f') を実行すると、エラーE716: Key not present in Dictionary: "ｂ" が発生する。

原因

clever_f#_mark_direct 関数には g:clever_f_smart_case が有効な時は tolower 関数を用いて大文字を小文字とみなす処理が入っていますが、それが全角英字のケースを想定していないためだと思われます。tolower 関数は全角の大文字も全角の小文字に変換する（tolower('Ｂ') = 'ｂ'）のに対して、大文字かどうかを判定する処理（正規表現 \u ）が全角の大文字に対応していないことが不具合の中心かと。

具体的には autoload/clever_f.vim の 176 行目からの処理が次のようになります：

" ch = 'Ｂ' とすると、ch_lower = 'ｂ' となる
let ch_lower = tolower(ch)

let char_count[ch] = get(char_count, ch, 0) + 1
" 'Ｂ' =~# '\u' == 0 なので char_count['ｂ'] は設定されない
if g:clever_f_smart_case && ch =~# '\u'
    " uppercase characters are doubly counted
    let char_count[ch_lower] = get(char_count, ch_lower, 0) + 1
endif

" char_count['ｂ'] が未設定なので E716 が発生
if char_count[ch] == a:count ||
    \ (g:clever_f_smart_case && char_count[ch_lower] == a:count)

対応？

とりあえず自分の環境では UTF-8 しか使わないので、

if g:clever_f_smart_case && ch =~# '\u\|[Ａ-Ｚ]'

として問題を回避しました。

rhysd / clever-f.vim

日本語限定：カーソル行に同じ全角英字が二つ以上ある場合にエラーが出る #80

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