#22

[suzukiyoshihisa]

---info--- 『メール』 友人の鴫良ゆきからあなたに送られたメール 「助けてください。話したいことがあるのですが、表だって話せることではないので、 私の家に来ていただけるとうれしいです」

---talk--- これ、なんですけど…… @普通 こんなもの、書いた記憶がないんです@恐れ

---info--- 『白痴の降臨』 鴫良ゆきから渡された小説の原稿。 この世のものとは思えないほど残虐な方法で人間を殺す図を描いていた。 現在は3章まで書かれており、そのどれもが別の人間をモチーフにして殺されていた。 酷くリアリティがあるものであり、吐き気を催すほど邪悪だ。

---talk--- 何か月か前から、奇妙な夢を見るようになったんです…@普通 天から硫黄と火が降ってきて、焼き尽くすんです。私の住む街を…@普通 そういう夢を何か月も見ていたんですが……ここ一週間くらい、夜の記憶がなくて…@恐れ 夜になると、何もわからなくなるんです。そして、そして――@狂気

短期間の記憶の欠落って精神病の一種……なんですかね もしかして、こんなものを書くほどに、私は疲れて…いたんでしょうか すみません、変な話をしてしまって@恐れ

---talk--- 虫……でしょうか…羽音がした気がして…@普通 幻聴ですかね@普通

---info--- 『乖離性同一障害について』 解離性障害は本人にとって堪えられない状況を、離人症のようにそれは自分のことではないと感じたり、 あるいは解離性健忘などのようにその時期の感情や記憶を切り離して、 それを思い出せなくすることで心のダメージを回避しようとすることから引き起こされる障害であるが、 解離性同一性障害は、その中でもっとも重く、切り離した感情や記憶が成長して、 別の人格となって表に現れるものである。

『鴫良ゆきについて』 鴫良ゆきはファンタジー小説家である、というまっとうなものの中に奇妙なものが 混じっているのに気が付く。 SNSサービスのつぶやきのようなものだ。 『鴫良ゆきが終電の電車に乗って何処かに行くのが見えた』 『ゆき先生が終電に乗ってたけど家はあそこらへんなのかなぁ』

『天から降る硫黄と火』 聖書にあるソドムとゴモラを示すものではないかと思う。

旧約聖書、『創世記』19章23節～25節には以下のようにある。 19:23　ロトがゾアルに着いた時、日は地の上にのぼった。 19:24　主は硫黄と火とを主の所すなわち天からソドムとゴモラの上に降らせて、 19:25　これらの町と、すべての低地と、その町々のすべての住民と、 その地にはえている物を、ことごとく滅ぼされた。