Go 1.22

[H1rono]

• Go 1.21 Release Notes - The Go Programming Language
• Go 1.22 Release Notes - The Go Programming Language

[H1rono]

https://future-architect.github.io/articles/20230731a/ https://future-architect.github.io/articles/20240129a/

[H1rono]

一部拙訳+自己解釈、抜粋

Go 1.21

言語周り

• max, min, clearを追加
  • max, minのspec
  • clearのspec
• 型推論が強化
  • テンプレート関数の引数でテンプレート関数を受け取れるように
    • ここでのテンプレート関数とは、(部分特殊化されたものを含む)型引数をもつ関数のこと
    • 引数部のテンプレート関数に関する型推論が新機能
  • interfaceによる動的ディスパッチの文脈でなければメソッドにも型引数を与えられるように
  • (型指定のない整数、小数のように)異なる型なし定数引数が同じ型引数に対して与えられた際、型指定のない定数計算を行った場合と同様に型推論が行われる
    • 1 + 2.0などと同じ感じに型推論が入る
  • 代入の文脈では型推論がより厳密になり、コンポーネント型は(場合によっては適切な型引数を与えて)同一であることを要求されるように
    • コンポーネント型とはF<T>におけるT: 具体的にはスライスの要素や関数シグネチャでのパラメータ型など
    • この変更で不正確な型推論でコンパイルできていたものがエラーになる
    • 要するにここを読むこと https://go.dev/ref/spec#Type_inference
• panic時の挙動が変化
  • goroutine内でのpanic時、recoverの戻り値がnilではないと保証されるように
    • インターフェースの値でnil, または単に型指定のないnilではランタイムで*runtime.PanicNilErrorが発生する

コアライブラリ

• New! log/slog, testing/slogtest: 構造化ロギング
• New! slices, maps, cmp: テンプレート関数関連のあれこれ

Go 1.22

言語周り

• forループでループ毎に変数が作られるように
  • これまでのテストが通るかどうかはbisectで確認可能
• forループでrange over integersが使用可能に
  • for i := range n { ... }
  • spec: https://go.dev/ref/spec#For_range
  • これは将来のrange-over-function iterators (GOEXPERIMENT=rangefunc)を見据えてのもの

ライブラリ周り

• New! math/rand/v2
  • math/randのRead(deprecated)はv2になく、代わりにcrypt/randのReadを使うべし
  • トップレベル関数からアクセスされる生成器は無条件ランダムシードに
    • これでAPIが乱数結果に決まった並びがないことを保証するようになったため、スレッドごとの乱数生成器の状態といった最適化が可能に
  • SourceinterfaceがUint64メソッドのみに
    • Source64interfaceはない
  • いろんなメソッドがmath/randに比べてより高速なアルゴリズムを使用するように
  • math/randにあったトップレベルのIntn, Int31, Int31n, Int63, Int64nをv2ではリネーム
    • IntN, Int32, Int32N, Int64, Int64N
    • 追加でUint32, Uint32N, Uint64, Uint64N, Uint, UintN
  • テンプレート関数Nを追加
    • これはInt64NまたはUint64Nと似ているが任意の整数型に対応し、rand.N(5 * time.Minute)で0~5分間を表したりできる
  • 乱数生成器のアルゴリズムを変更: ChaCha8, PCG
    • ChaCha8はデフォルトの乱数生成器
• New! go/version
• net/httpがより強力に