Notoに代わり原の味フォントを使用

[kmuto]

日本語フォント(明朝・ゴシック)をNotoから原の味に変更します。

背景

長らく利用していたNotoフォントですが、字形の格納方法が通常のAdobe-Japan1ではない特殊なもののため、TeXのPDF化に使っているdvipdfmxでは、unicodeマップでフォントから直接情報を収集し利用していました。

表面上はこれで十分問題ないように思えましたが、以下のような問題が発生することがわかりました。

• 「見」「入」「長」などの一部の文字が本来の字形ではなく、康煕部首の字形が優先選択されてしまう(Debian9→Debian10化に伴うTeXLiveバージョン更新でだいぶ改善はしているが)。→表示上は違いが見えずコピーペーストでもリーダ側が対処してくれることがあるが、そういう配慮をしないリーダや、PDFを直接検索するといった場面で判明する。
• いわゆる全角のバッククォートにフォントが割り当てられず、埋め込み外フォント（Ryumin-Light,Gothic-BBBの仮想フォント名）になってしまう。→バッククォートではなくてU+2018/U+2019。また、otfパッケージとの併用時に発生する。
• ギリシャ文字がいわゆる半角になってしまう。

利点

原の味は、(Notoと同じ字形である)源ノフォントをAdobe-Japan1の格納にし直したものです。範囲外の文字を含められないことで源ノよりも収録フォント数は少なくはなりますが、それらはどっちにしろTeXでも使うのが厄介なものなので、影響はありません。 字形は同一なので、結果にも違いはありません(ギリシャ文字は全角)。

上記の3つの問題はすべて解決されます。また、日本語のみなのでnoto-otcよりもサイズが小さく、イメージが小さくなります。

欠点

特になさそう。HaranoAjiFontsの公開継続性？ でも今のところは問題ないと思います。

ほかの手法との比較

• dvipdfmxを新しいものにする：SVN最新からビルドしたバイナリを持っておいて途中で差し替える。康煕文字はとりあえず対処できていることは検査済み。バイナリブロブをつっこむようで気持ちが悪い。全角バッククォートとギリシャ文字問題の解決にはならない。
• 歴史あるIPAexを使うようにする：フォントを変えるにはどうしたら質問がいっぱいきそう(とりあえずNoto化以降で文字品質についての文句は見てないはず)。

[kmuto]

既存のNoto設定に追加する形でHaranoAjiをインストールした環境にして、HaranoAjiをデフォルトで使用するようにしました。2.15GBですね。

[vvakame]

あざます！

[kmuto]

ありがとうございます。あとはタグ付きバージョンのはどうしましょうかねぇ。 README.mdを変えちゃったけど、今後のバージョンで原の味(今月末で4.0出すのでちょうどいい)、古いのはNotoのままでいくなら併記したほうがいいか。

[vvakame]

ｵｯ例によって例の如く、2週間くらいlatestだけアレしてアレされなかったらアレかなと思ってました！