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落語ネタ:アクセシビリティへの道 #325

Open tlk714 opened 2 years ago

tlk714 commented 2 years ago

ご隠居さん:これはこれは、幡随院の親分、めずらしいね。 親分:へい、ご隠居さん。ご無沙汰してやんす。なに、ちょっとこのあたりで、もめ事があってね。その仲裁に。 ご隠居さん:しかし、親分が仲に入ると、かえって火に油を注ぐことになったりして。 近ごろは、おとなしくしているのかい。 親分へい、あっしも、それなりに歳をとってね。若いころの罪滅ぼしに、アクセシビリティ分野でちっと動き回っている次第で。 ご隠居さん:何だい、そのアクセシビリティってやつは。 親分:さすが、ご隠居さん、分からないことは素直に聞く。今どきの若者に、爪の垢を煎じて飲ませたいものだ。 いえね、先日も、奉行所の役人が、アクセシビリティを思いっきり曲解した御触書を出しましてね、ホント、八つ裂きにしたいぐらい頭に血が上りやした。 そもそも、アクセシビリティってやつはね、、、、、

murata2makoto commented 2 years ago

奉行所の役人じゃなくて老中ですな。デジタル社会の実現に向けた重点計画は閣議決定

murata2makoto commented 2 years ago

地方のインターネットを速くするのはアクセシビリティかい?年寄りや貧乏人でもモバイル機器に触れるようにするのはアクセシビリティかい?使いやすさを工夫するのは全部アクセシビリティかい?「誰一人取り残されないデジタル社会」というお題目はまことに結構だが、なんでもかんでもアクセシビリティと言ってしまえば訳が分からんじゃないか。貧困対策とか地域格差対策とかUXとか、それぞれちゃんとした名前があるのにべらぼうめえ。猫も杓子もアクセシビリティなら、図書館へのバスの便を増やしただけでアクセシビリティをやったことにされちまう。

座頭市じゃなかった石川先生も「デジタル・ディバイドの解消のことではない」と仰ってるじゃねえか。国連の障害者権利条約だってアクセシビリティは障害者のためのものだと書いてあるぜ。

murata2makoto commented 2 years ago

だいたい、でじたる庁だかなんだか知らないが、あいつらはアクセシビリティについてそんなに詳しいのか?内閣府障害者政策委員会は無視か?障害者権利条約も無視か?欧州アクセシビリティ法も見てないのか?仲間内の役人だけで勝手な定義をこしらえやがって。行儀のよい方々は我慢なさっているが、この長兵衛は黙っちゃおられねえ。

murata2makoto commented 2 years ago

世のため人のためになることをするのが御政道というもんだろう?確かにいまの日本には、いろんな良い仕組みがあるさ。でも、印刷物や普通の画面表示が読めない障害者は、そういう仕組みからこぼれ落ちる。コロナワクチン接種券が送られてきたって読めやしねえ。税金を待ってもらえるとか、支援金をもらえるなんていう有難い話もあるらしいが、お上の書いたお触書が読めなきゃどうしようもねえ。学校で配られる教科書だってチンプカンプンだ。

お上の出すお触書は、紙に印刷されていたり、Wordファイルだったり、PDFファイルだったりすることも多い。Webページのことしか考えねえんじゃ片手落ちだろうが。

そういう事情もろくに調べねえで、「誰一人取り残されないデジタル社会」とほざいてみても仕方ねえだろう。誰がどう困っているかきちんと調べてから対策をたてたらどうだい?

murata2makoto commented 2 years ago

目の見えない人でも使えるような建物をこさえるとか、電車に乗れるようにするとか、情報機器を使えるようにするとか、文書を音声読み上げすることは、もちろん大事なこった。しかし、弱視の人だっていっぱいいて、全盲の人より多いぐらいだ。人の頭ぐらいもある文字を黒板に書いても読めない人に会ったときは魂消たが、そういう人も自分の目で見たいと思っていなさる。

ディスレクシアといって、目も見えて、頭もちゃんとしているのに、なぜか文字が読めないという難儀な目に逢う人もいらっしゃる。こちらは弱視の方々のさらに何倍かだ。周りにも本人にも何で自分だけ読めないのか分からんだけに、学校では本当に辛い思いをなさるようだぜ。目が縦に並んだら縦書きが読めるようになるのにと毎日思っていたという人の話を聞いたときは、あっしゃ目から涙がこぼれた。

ところがアクセシビリティといったらWebページの読み上げのことしか考えねえのが、このごろの流行だわな。おかげで、弱視やディスレクシアの人のことは、ほったらかしだ。そういう方々だって、目で読みたいという思いは強いんだぜ。読み上げだけじゃダメなんだよ。漢字に弱い人のためのルビだって大事なもんだが霞が関のお役人は考えもしやがらねえ。座頭市の先生だって、アクセシビティは「ウェブサイトの音声読み上げ対応のことだけをいうのではない」と仰っておられるじゃねえか。

tlk714 commented 2 years ago

これはこれは、幡随院の。相変わらずの火焔のような啖呵ですな。聞いているだけでも元気が出ますよ。 それはそれとして、ターミノロジーから攻めるのは、ちょっと筋悪かもね。なにしろ、言葉ってのは、文脈でどんな風にも変わっちまうからね。コロナだって、元々は太陽の周りのフレアだったのが、メキシコ料理店に行けば、ビールのことになるし、今では、インフルエンザ・ウィルスの一種のことだからね。 わたしも、奉行所の御触書を、目次のところだけだけれど、目を通してみたが、「奉行所では、アクセシビリティを、このような広い意味で捉えております」とか言われちまったら、それまでだからね。お城の中の言葉遣いときたら、わたしら町民には、チンプンカンプンだからね。以前、奉行所勤めやっていて、今では、藩校で教えている知人に聞いた話ですがね、今でのお城の中では、長州藩の言葉遣いが公用語になっているらしいよ。 親分も言っておられたが、今の奉行所の問題は、アクセシビリティという言葉の指し示す範囲ではなくって、障害を持った人たちのアクセシビリティといいう言葉をに込めている思いに対する想像力が決定的に欠如している、ってことでしょうね。 奉行所がアクセシビリティをこのような意味でお使いになるのは、ご自由でざんすが、アクセシビリティを少し違った意味で使っている人たちや国際条約があることを、ご承知の上なんでしょうね、みたいな。

murata2makoto commented 2 years ago

役人というのは正しい言葉に徹底的にこだわる人種のようで、役所間で争いになることも多々あると聞いています。意図してのことかはどうか知りませんが、アクセシビリティという言葉を拡大解釈してもう既にやったことにするというのが「デジタル社会の実現に向けた重点計画」です。

murata2makoto commented 2 years ago

2021年12月24日に閣議決定された「デジタル社会の実現に向けた重点計画」を読んで批判しないといけないようです。

tlk714 commented 2 years ago

ぼくは、わりと、devil's advocate(悪魔の代弁者)を悪用するのだけれど。 「敢えてあなた様のために、悪魔ならこう言うかもしれませんよ、という立場を取りますが」などと言いながら、ホンネをズケズケ言っちゃったり。 落語調で、奉行所の話にして、両論併記にすれば、かなり思い切った批判も出来そうだね。最終回のつもりだし。 歌舞伎の、大石内蔵助⇒大星由良助みたいな。

murata2makoto commented 2 years ago

そうそう、「誰一人取り残されないデジタル社会」というのは、All Lives Matterと同じだと思ってます。誰にでも使えることが大事だと言うことによって、障害者には使えないことから目を逸らすという効果を持ちます。

tlk714 commented 2 years ago

All Lives Matter、この議論、筋がいいと思う。 かつて児童雑誌の編集者時代、『学習幼稚園』という『幼稚園』のスピンオフ雑誌に、創刊直後から携わったことがあります。小さな編集部で、編集長の他は、ぼくと少し先輩との二人だけ。そのころ、長男と次男が丁度読者層、先輩はお嬢さん二人が読者層という塩梅。ぼくたちは、語らって、徹底的に自分の子供たちのことだけを考えて、雑誌作りをしました。自分の子供たちに読ませたい雑誌を作ろう、ってね。そうしたら、ぼくが、携わっている間、『学習幼稚園』の部数は、絶対部数では『幼稚園』の足下にも及びませんでしたが、ずうっと増加し続けました。 雑誌編集者の間では、「一般読者なんて存在しない。存在するのは、一人一人の読者だけだ」という格言のようなものがあります。一人でもいいから、顔の見える読者を持て、そうすれば、その背後には、何十万人、何百万人の読者がいる、というわけ。 障害者問題の背後にも、似たような状況があるのでしょうね。

murata2makoto commented 2 years ago

印刷物を読めない障害のうち、全盲はごく少数ですが、それしかないように世の中では思われています。盲人は隠しようがないのですが、ディスレクシアの人がそうだと公言していることはめったにありません。結果的に、ディスレクシアは顔が見えません。

KobayashiToshi commented 2 years ago

印刷物を読めない障害のうち、全盲はごく少数ですが、それしかないように世の中で は思われています。盲人は隠しようがないのですが、ディスレクシアの人がそうだと 公言していることはめったにありません。結果的に、ディスレクシアは顔が見えませ ん。

私は極度の近眼で老眼,家族は遠視,乱視,老眼です.近眼は読む距離を近くにすれば,なんとかなりますが,老眼は近づけては読めません.メガネと拡大鏡は手放せません.これは読みにくいと,しばしば文句をつけています..

ディスレクシアやロービジョンの方への対応を考えることは,私たち老人への対応でもあるように思っています.

murata2makoto commented 2 years ago

「デジタル社会の実現に向けた重点計画」を見て、やっぱりなと思ったぜ。結局、Webページの読み上げのことしか考えやしねえ。ディスレクシアや弱視に悩む方々のことは知ったこっちゃねえんだな。

日本版VPATとかいう代物は、製品・サービスがどこまでアクセシブルだか自己申告するんだそうだな。正直者ばかりの世の中ならうまく行くだろうよ。でも、亜米利加でもVPATは嘘まみれだそうじゃねえか。そりゃ、どこの会社だって、てめえのところの製品・サービスはアクセシブルだというに決まってらあ。嘘を吐けば有利になるなんていう仕組みがはびこりゃ、世の中は、まっくら闇だぜ。

murata2makoto commented 2 years ago

ディスレクシアと言っても、何のことださっぱりという方も多いだろう。たとえば、「きょう」と「きのう」の区別がつかねえ人がいるわけねえと思うだろう?ところが、「ょ」と「の」は、最後のほうの筆の動きは同じだ。おつむは人並み外れて上等なのに「きょう」と「きのう」の区別がつかない人が本当にいるんだよ。

KobayashiToshi commented 2 years ago

アクセシビリティの問題は,ネットワーク環境などいろいろあるが,ここでは読書の問題に限りたいと思いまが,わからないことが多いので(自分で調べないといけないのでしょうが),いくつか教えていただけますか.

1 2019年に“視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律”が出来ましたが,これの結果,アクセシビリティの向上が,どの程度すすんでいるんでしょうか.その現況というか,評価を知りたい.

2 いろいろと課題は多いのでしょうが,どんなことが問題ですか.視覚障害者等といっても多様ですし,レベルも様々ですので,アクセシビリティの向上といっても,その要求も様々です.その点は,どう考えたらいいんでしょうか.

3 アクセシビリティの問題については,政府というか制度の問題として取り組んでいかなければならない課題と,出版社では取り組むべき課題は異なっていると思います.それぞれの課題には,どんなことがあり,どの程度すすんでいますか.政府には,もっと予算を多くしろということになるでしょうが,それだけで解決しない問題はありますか.

4 問題の解決が十分にすすんでいない面があるとすれば,それはなぜですか.どうしたらすすむと考えられますか.

5 最後に,組版処理の問題として,どのような具体的な課題がありますか.それを解決する方法なり手段は,どう考えたらよいのですか.

murata2makoto commented 2 years ago

ネットワーク環境はアクセシビリティと何の関係もありませんよ。

1 2019年に“視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律”が出来ましたが,これの結果,アクセシビリティの向上が,どの程度すすんでいるんでしょうか.その現況というか,評価を知りたい.

商用電子出版では実態としてほとんど進んでません。やらなきゃいけないという気分だけは国内でも醸成されました。

これまでの改善は、アメリカでの社会的な運動のおこぼれ(つまりAmazonやAppleなどの実装に反映されたもの)にあずかっているだけです。

デジタル教科書については日本でも変化がありましたが迷走気味でもあります。ここでは割愛します。

2 いろいろと課題は多いのでしょうが,どんなことが問題ですか.視覚障害者等といっても多様ですし,レベルも様々ですので,アクセシビリティの向上といっても,その要求も様々です.その点は,どう考えたらいいんでしょうか.

誰がどの程度困っているのかという基本的なことすら本当のところは誰も分かりません。プリントディスアビリティを持つ人は人口の5%? 10%? 20%? 30%? どの数字も見たり聞いたりしたことはあります。そして、その内訳は?

もっとも情報を体系的に把握しようと思えば把握できるのは政府だと思います。

なお、以前にAPLでまとめた文書がもっとも包括的でしょうか。

なお、アクセシビリティ関係の団体は一つの種類の障害(たとえば視覚障害)しか扱わないし、年齢構成などにも偏りが激しいので、包括的な把握はしていません。

3 アクセシビリティの問題については,政府というか制度の問題として取り組んでいかなければならない課題と,出版社では取り組むべき課題は異なっていると思います.それぞれの課題には,どんなことがあり,どの程度すすんでいますか.政府には,もっと予算を多くしろということになるでしょうが,それだけで解決しない問題はありますか.

問題の把握すらできていないので課題の体系的把握はもちろんありません。

しかし、イタリアLIAの取り組みがもっとも参考になります。これについてはAPLのセミナーと、LIAホワイトペーパ(私の翻訳したもの)が有益です。

4 問題の解決が十分にすすんでいない面があるとすれば,それはなぜですか.どうしたらすすむと考えられますか.

まずは問題把握からですね。そしてアクセシビリティとは何かの共通理解からです。その意味で、アクセシビリティという語を訳が分からなくしたデジタル庁は許しがたい。

5 最後に,組版処理の問題として,どのような具体的な課題がありますか.それを解決する方法なり手段は,どう考えたらよいのですか.

WCAG, EPUB Accessibility仕様、EPUB Accessibility Techniquesなどの仕様に書かれていること、私がこれまで いろんな機会に話してきたことでしょうか。日本DAISYコンソーシアム技術委員会のWebページをご覧ください。