ここに書かれていない詳細は オンラインマニュアル を、 開発に参加するための手順については CONTRIBUTING や RFC を参照してください。
JDim (JD improved) は gtkmm/GTK+ を使用した"2ちゃんねる"型マルチスレッドBBSを閲覧するためのブラウザです。 JDim は GPLv2 の下で公開されている JD からforkしたソフトウェアであり、 ルック・アンド・フィールや環境設定は JD と互換性があります。
注意: 2023-07-11 からJDim本体で5chのスレ閲覧が可能になっています。 5ch.netのDATファイルへのアクセスが開放されていますが今後の動向に注意してください。 また、デフォルト設定のユーザーエージェント(UA)のままでレスを書き込むとERRORになるため 事前にwebブラウザなどのUAに設定変更してください。
LinuxなどのUnixライクなOS(FreeBSD,OpenBSD,Nexenta,MacOSXでも動作報告例があります)。
gccのバージョンが9未満のプラットフォームはサポートを終了しました。 Ubuntu 20.04(2020年)より前にリリースされたディストリビューションを利用されている場合は更新をお願いいたします。
メンテナンスの都合によりWindows(MinGW)版のサポートは終了しました。
Snap i386(32bit)版は2023年1月のリリースをもって更新を終了しました。 i386版ディストロを利用されている場合は更新をお願いいたします。
ソースコードからJDimをビルドします。GTK3版がビルドされますのでご注意ください。 詳細は INSTALL にも書いてあります。
Autotools(./configure)のサポートは2023年7月のリリースをもって廃止されました。 かわりにmesonを利用してください。(RFC 0012)
ツールチェーンとライブラリをインストールします。一度インストールすれば次回から事前準備はいりません。
dnf install gtkmm30-devel gnutls-devel libSM-devel meson git
sudo apt install libc6-dev meson gcc g++ git
sudo vi /etc/apt/sources.list
# ↑エディタは何でも良い。deb-src行でbullseye以降を有効にする
sudo apt update
sudo apt build-dep jdim
開発環境が入っていない場合は、
sudo apt install build-essential git meson
必要なライブラリを入れます。(抜けがあるかも)
sudo apt install libgtkmm-3.0-dev libltdl-dev libgnutls28-dev
git clone -b master --depth 1 https://github.com/JDimproved/JDim.git jdim
cd jdim
meson setup builddir
ninja -C builddir
実行するには直接 builddir/src/jdim を起動するか手動で /usr/bin あたりに builddir/src/jdim を cp します。
ビルドファイルはAURで公開されています。(Thanks to @naniwaKun.)
https://aur.archlinux.org/packages/jdim-git/
AUR Helper yay でインストール
yay -S jdim-git
OSやディストリビューション別の解説は GitHub Discussions を参照してください。
buildの高速化
Mesonは並列コンパイル(job数)を自動で設定します。メモリー不足などでビルドが中断するときは
ninja
(またはmeson compile
)するときに -j job数
を指定して実行数を調整してください。
Mesonの機能 Unity build を有効に設定するとビルドが高速化できる可能性があります。
機能を有効にするにはsetupコマンドでビルドオプションを指定します。meson setup -Dunity=on builddir
CPUに合わせた最適化
meson
を実行するときにCPUの種類(-march=ARCH
や-mcpu=CPU
)を-Dcpp_args
に設定します。
meson setup builddir -Dcpp_args="-march=sandybridge" -Doptimization=2
マシンのCPUは下のコマンドで調べることができます。(GCCの最適化 - Gentoo Wikiより)
gcc -Q -c -march=native --help=target -o /dev/null | grep "march\|mtune\|mcpu"
AddressSanitizer(ASan) を有効にするときの注意
gcc(バージョン10以降)を使いASanを有効にしてビルドすると 書き込みのプレビューでトリップを表示するときにクラッシュすることがある。 詳細は https://github.com/JDimproved/JDim/issues/943 を参照。
事前に環境変数 LDFLAGS を設定してビルドする
export LDFLAGS="$LDFLAGS -Wl,--push-state,--no-as-needed -lcrypt -Wl,--pop-state"
meson setup asan -Db_sanitize=address
ninja -C asan
または、mesonのコマンドラインオプション-Db_asneeded
でフラグを変更する
meson setup asan -Db_sanitize=address -Db_asneeded=false
ninja -C asan
AddressSanitizer(ASan) を有効にするときの注意 その2
Ubuntu 22.04(23.10でも確認)の環境でASanを有効にしてビルドしたプログラムを実行すると
AddressSanitizer:DEADLYSIGNAL
を出力し続けてハングアップすることがある。(#1363 (comment))
sysctl で設定値を表示して vm.mmap_rnd_bits = 32
になっていたら値を 28
に変更してJDimやテストを実行する
$ sudo sysctl -a | grep vm.mmap.rnd
vm.mmap_rnd_bits = 32
vm.mmap_rnd_compat_bits = 16
$ sudo sysctl vm.mmap_rnd_bits=28
sudo meson install
するとバージョンからgitコミット情報が消える場合
CVE-2022-24765 の対策が入ったgitを使う場合、 rootユーザー(sudo)でmesonを実行するとバージョンからビルド時のコミット情報が消去されることがあります。 詳細は https://github.com/JDimproved/JDim/issues/965 を見てください。
インストール時にコミット情報の消去を回避するには最新のJDimをビルドする、
または--no-rebuild
を追加してinstallコマンドを実行します。(他の回避策)
sudo meson install --no-rebuild -C _build
JDim はSnapパッケージとしてSnap Storeで公開されています。 詳細はマニュアルを参照してください。
使い方は以下のとおりです。
$ jdim [OPTION] [URL,FILE]
引数にURLを付けて起動する事も出来るので、他のアプリケーションから外部コマンドとしてURLを開く事などが出来ます。 (JDimが扱う事の出来るURLでない場合は設定されているWebブラウザに渡されます)
$ jdim http://pc99.2ch.net/test/read.cgi/linux/1234567890/
ローカルにあるdatファイルを指定して、一時的にスレビュー表示させることも出来ます。
$ jdim ./12345.dat
環境変数 JDIM_CACHE
でキャッシュディレクトリの位置を変更・指定することが可能です。
指定しなければ下記の優先順位の通りに決まります。
$ JDIM_CACHE=~/.mycache jdim
環境変数 JDIM_LOCK
でロックファイルの位置を変更・指定することが可能です。
指定しなければ <キャッシュディレクトリ>/JDLOCK
がロックファイルになります。
$ JDIM_LOCK=~/mylock jdim
~/.jd |
$XDG_CACHE_HOME/jdim |
使われるのは… |
---|---|---|
存在する | any | ~/.jd |
存在しない | any | $XDG_CACHE_HOME/jdim |
any (無効化) | any | $XDG_CACHE_HOME/jdim |
NOTE:
XDG_CACHE_HOME
が未設定または空のときはかわりに $HOME/.cache/jdim
が使われます。~/.jd
が無効化されている場合は jdim --version
の出力に --disable-compat-cache-dir
が追加されます。オプション | 説明 |
---|---|
-h, --help | ヘルプを表示 |
-m, --multi | 多重起動時のサブプロセスであっても終了しない |
-s, --skip-setup | 初回起動時の設定ダイアログを表示しない |
-l, --logfile | エラーなどのメッセージをファイル(キャッシュディレクトリのlog/msglog)に出力する |
-g, --geometry WxH-X+Y | 幅(W)高さ(H)横位置(X)縦位置(Y)の指定。WxHは省略可能(例: -g 100x40-10+30, -g -20+100 ) |
-V, --version | バージョン及びビルドオプションを全て表示 |
マニュアルを参照してください。
廃止されたGTK2版同様のルック・アンド・フィールになるように実装していますが、 技術的な問題やテスト不足から完全な再現はできていません。 もしお気づきの点などがございましたらご指摘いただけると幸いです。
JDim はWayland環境で起動しますが動作は安定していません。
GTKのバックエンドにWaylandを使うかわりに互換レイヤーのXWaylandをインストールして使うことをお薦めします。
環境変数 GDK_BACKEND=x11
を設定してjdimを起動してください。
# シェルからJDimを起動する場合
GDK_BACKEND=x11 ./src/jdim
WaylandやXWaylandではX11限定の機能を使うことができないため注意してください。
設定(C) > フォントと色(F) > 詳細設定(R)...
からフォントと色の詳細設定を開く色の設定
タブにある書き込みビューの配色設定に GTKテーマ を用いる(W)
をチェックして適用するAddressSanitizer:DEADLYSIGNAL
を出力し続けてハングアップすることがある。(上記を参照)JDimの環境設定はJDからフォーマットを継承しているので後方互換性があります。 また、ユーザーインタフェースの変更は今のところありません。 JDimで追加された不具合や機能の修正についてはPull requestsを見てください。
~/.jd
)はそのまま使うことができます。
ただし、オプション--disable-compat-cache-dir
が指定されたビルドでは互換機能は無効化されます。$XDG_CACHE_HOME/jdim
(~/.cache/jdim
) にキャッシュディレクトリを移動してください。
$ mv ~/.jd ~/.cache/jdim
JD_CACHE
でキャッシュディレクトリを設定している場合はかわりにJDIM_CACHE
を使用してください。© 2017-2019 yama-natuki [https://github.com/yama-natuki/JD]
© 2019-2024 JDimproved project [https://github.com/JDimproved/JDim]
パッチやファイルを取り込んだ場合、それらのコピーライトは「JDimproved project」に統一します。
fork元の JD:
© 2006-2015 JD project [https://ja.osdn.net/projects/jd4linux/]
JDim は GPLv2 の下で公開されています。
GNU General Public License, version 2
ただし、ドキュメントやメタデータなどに GPL と互換性のある寛容なライセンスが使われているファイルがあります。
4a3db9cf601 (2023-12-09) 以降に取り込まれた修正(パッチやコミット)は GPL-2.0-or-later でライセンスされます。 寛容なライセンスが使われているファイルの修正にはそのライセンスが適用されます。 (RFC 0013)
既存のファイルのライセンスを GPL-2.0-or-later に変更するためファイルを編集した貢献者の皆様に確認を行っています。 Issue 1297 でライセンス変更の賛否を表明していただけると幸いです。
バグ報告その他は Linux板@5ちゃんねる のJD/JDimスレ、 またはJDimのリポジトリにて行ってください。詳しい方法はガイドをご覧ください。