BCDice IRCは、TRPG向けダイスエンジンBCDiceを搭載したIRCボットです。このボットを使用すると、IRCでのチャットにおいて、ダイスロールをはじめとするBCDiceのオンラインセッション支援機能を利用できます。
詳細については、BCDiceの旧READMEも参照してください。
BCDice IRCは、チャットの参加メンバーのうち1人のPCで動作させて使用します。このPCには、以下のソフトウェアが必要です。
この章では、BCDice IRCの動作に必要な準備の手順を説明します。
BCDiceがプログラミング言語Rubyで書かれているため、Rubyのインストールが必要です。
Rubyのインストール方法はOSによって大きく異なります。Ruby公式のインストールガイドを参照して、Ruby 2.6以降(最新版を推奨)をインストールしてください。
なお、Windows環境では、RubyInstallerを使用して、x64版とともにMSYS2-Devkitをインストールする必要があります。GTKライブラリのバグによってキーボード入力に問題が生じるため、x86版は使用できません。
macOSにおいてのみ、以下に述べる追加の準備を行う必要があります。
画面表示に必要なGTKライブラリをインストールするために、パッケージ管理システムが必要になります。以下のサイトの案内に従い、パッケージ管理システム「Homebrew」をインストールしてください。
BCDice IRCの画面を表示するために、Xウィンドウシステムのライブラリをインストールする必要があります。以下のサイトよりライブラリ「XQuartz」をダウンロードして、インストールしてください。
ReleasesページよりBCDice IRCのアーカイブをダウンロードして、任意のディレクトリに展開してください。
以下では、BCDice IRCの展開先(README.mdやGemfileなどのファイルが含まれているディレクトリ)を /path/to/bcdice-irc
と書きます(Windows環境の場合は、パスの区切り記号として \
を使用してください)。
BCDice IRCの実行前に、必要なRuby用パッケージをインストールする必要があります。ターミナル(Bash、PowerShell、コマンドプロンプトなど)を使用して、以下のコマンドを実行します。なお、bundle
コマンドの実行時に管理者権限が必要な場合もあります。
cd /path/to/bcdice-irc
bundle install
画面表示に必要なGTKライブラリがインストールされていない場合は、この作業の間にインストールされます。その際、管理者権限が必要な場合もあります。
Windows環境において、Rubyのインストール時にファイルの関連付けを行った場合は、BCDice IRC展開先のexeフォルダ内に存在するbcdice-irc-gui.rbをダブルクリックして、BCDice IRCを起動してください。
その他の場合は、ターミナル上で以下のコマンドを実行して、BCDice IRCを起動してください。
cd /path/to/bcdice-irc
ruby exe/bcdice-irc-gui.rb
この章では、BCDice IRCの画面および操作方法について解説します。
BCDice IRCを起動すると、以下の図1に示す画面が表示されます。
図1:BCDice IRCの画面
画面左側の「接続設定」欄では、接続先のIRCサーバ、ニックネーム、および参加するチャンネルについて設定します。また、画面右側の「ゲームシステム」欄では、遊ぶゲームシステムを指定します。その下の「ヘルプ」欄には、使用できるダイスコマンドについての説明が表示されます。
以上の設定を行った後、左側の「接続」ボタンを押すと、ボットがIRCサーバに接続して、指定されたチャンネルに参加します。接続中は、参加中のチャンネルにおいて、ダイスロールなどのオンラインセッション支援機能を利用することができます。
IRCボットを他のチャンネルにも参加させたい場合は、IRCクライアントにおいて INVITE
コマンドを実行してください。例として、ニックネーム「BCDice」のボットをチャンネル「#Dice_Test2」に参加させたい場合は、以下のように入力して送信します。
/INVITE BCDice #Dice_Test2
ボット宛のプライベートメッセージとしてマスターコマンドを送信すると、BCDiceの詳細な設定を行えます。マスターコマンドの詳細については、「マスターコマンド」を参照してください。
BCDice IRCの画面左側の「切断」ボタン(「接続」ボタンと同じ位置に存在)を押すと、ボットはIRCサーバへの接続を切断します。なお、BCDice IRCの画面を閉じた場合も、接続が切断されます。
画面上部の「プリセット」欄では、「ボットのIRCサーバへの接続」における設定内容をプリセットとして保存できます。
プリセット名を入力して右側の「保存」ボタンを押すと、新しいプリセットが保存されます。既存のプリセット名を入力した場合は、「保存」ボタンが「更新」ボタンに変わります。このボタンを押すと、既存の設定を更新します。
既存のプリセット名を入力して「削除」ボタンを押すと、保存されたプリセットを削除できます。
プリセット集は、ファイル path/to/bcdice-irc/config/presets.yaml に記録されます。このファイルが存在しない場合は、BCDice IRCの次回起動時に、既定のプリセット集が読み込まれます。プリセットに関連した問題が発生した場合や、既定のプリセット集を復元したい場合は、上記のファイルを削除してください。
バージョン0の間は、BCDice v3の開発方針に合わせて、BCDice本体からダイスロール以外の機能をこのボットに移動することに重点を置いて開発を進める予定です。
バージョン0と並行して開発を行うバージョン1では、従来のBCDiceと同様に、IRCボットを単独の実行ファイルとして実行できるようにすることを目指します。現在のRuby言語では、特に画面表示を含める場合にそれが難しいため、画面表示についてはRuby以外のプログラミング言語を使用して実装することを検討しています。