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How we deal with glyph variations(ー〜) of KATAKANA-HIRAGANA PROLONGED SOUND MARK? #298

Open kidayasuo opened 2 years ago

kidayasuo commented 2 years ago

U+301C WAVE DASH and U+3030 WAVY DASH are often used as a glyph variation of U+30FC KATAKANA-HIRAGANA PROLONGED SOUND MARK to express various emotions in Manga and so-called light-novels. There are issues with using them as a prolonged sound mark.

Such usages has been established for quite some time but did not make JIS standards because they are like slang and do not appear in business documents, etc.

Should we do anything about such usages?

Related to #290

KobayashiToshi commented 2 years ago

まずは,全角ダーシの“ダーシ”という名称の問題.英語表記はdashですからダッシュが正しいのでは?

活字組版の現場では分業されていたので,正しく伝わることが重要だった.漢字の同音異字が多いので,音と訓の両方で特定するとか,“川”を“サンボンガワ”なんて読む方法もとられていた.ところで,日本ではプライムもダッシュといった.これとの混用を避けるために活字組版の現場ではダーシという名称を使用していた,と先輩から聞いています.それが編集や印刷の本でも採用され,定着したということでしょう.

約物は,現場が違えば,違った呼ばれ方もあり,複数の名称を持った例も多い.例えば,中点(・)は,中黒と呼ぶ人も多いし,中ポツとか,単にポツと呼ぶ人もいる.

KobayashiToshi commented 2 years ago

範囲を示す用法には“~”と“—”とがあるが,どちらがいいのですか?

元々は,“~”は,数学記号.戦前の古い印刷の本を見ると,この記号は,数学記号として掲げられている例がある(記述記号には掲げられていない).

これが字形の雰囲気がいいのでしょうか,“一八九五~一九六五年”のように範囲や,“東京~京都”の経路を示す約物として使用されるようになってきた.従来は“一八九五—一九六五年”,“東京—京都”というように,全角ダーシが使われていた.横組においてアラビア数字で範囲を示す場合,“1895–1965”のように二分ダーシが使用されることから考えると,ダーシの方がいいように思われます.

また,先輩の校正者ですが,“元々“~”は,数学記号なんだから,範囲を示す約物としては適当でない”と主張されていた.しかし,範囲を示す波形は徐々に増えており,最近では縦組に限ればダーシは少数派といえる.ですので,今日では“~”に数学記号という認識はなく,こうした主張は,現在では肯定されないでしょう.私は,古い人間ですので,範囲を示す場合,縦組では,全角ダーシを使います.言葉と同じで約物の用法も変化します.いまや縦組では波形が多くなっているので,大勢に従うということなら,波形を使用するのがよいでしょう.

一方,横組のアラビア数字の場合は,例えば,参考文献や索引のページ表記では波形を使うケースは,ほとんど見かけません.多くが二分ダーシでしょう.ただし,本文中では波形を使用するケースが徐々に増えていますので,筆者の方針に従うということになるでしょう.なお,この場合は,アラビア数字と波形の字間を四分空けた例をよく見かけますけます(たぶん,DTPの設定によりますが,個別の対応が必要になり,手間を掛けていないからでしょう).原則からいえば,波形の前後はベタ組にした方がよいでしょう.

kidayasuo commented 2 years ago

範囲を示すのは英語では確かにハイフン/ダッシュですね。むかし範囲を示すのにチルダを使ったら、ここなぜチルダ?と言われたことがあります。

数学記号としてどのような意味があるのか調べてみました。数学記号として定義されているのは U+223C TILDE OPERATOR. 複数の使われ方があって、大体等しい、単項演算子としては否定(否定記号 ¬ と同じ)などなど、とのことでした。 https://en.wikipedia.org/wiki/Tilde#Mathematics

波線の長音としての用法は中国語でもよく見ます。「再見〜」みたいな感じ。中国語の Wikipedia における波ダッシュの説明に「哇~~」(わーん、と泣き出す音)の例が載っていました。ここで使われているのは U+FF5E FULLWIDTH TILDE のようです。 https://zh.wikipedia.org/wiki/象声号

中国語について追記:日本語は長音記号を使う以外にも母音を重ねることによって音を伸ばすことができますが、中国語には表音文字がないので伸ばす表記がしにくいのではと想像します。元々漢字を重ねることはあっても、音を伸ばす使い方はあまりなかったのかもしれませんし。そう考えると、長音記号は便利な文字かつ新しい文化なのかもしれませんね。想像なので外しているかもしれませんが。その時に、長音記号ではなく波線が選択されるというのも面白いところです。

kojiishi commented 2 years ago

現代用法かもしれませんが、英語でも見ますね。

thanks~

みたいな。

On Sat, Sep 4, 2021 at 3:50 PM Yasuo Kida (木田泰夫) @.***> wrote:

範囲を示すのは英語では確かにハイフン/ダッシュですね。むかし範囲を示すのにチルダを使ったら、ここなぜチルダ?と言われたことがあります。

数学記号としてどのような意味があるのか調べてみました。数学記号として定義されているのは U+223C TILDE OPERATOR. 複数の使われ方があって、大体等しい、単項演算子としては否定(否定記号 ¬ と同じ)などなど、とのことでした。 https://en.wikipedia.org/wiki/Tilde#Mathematics

Wikipedia の波ダッシュの記述で思い出したのですが、波線の長音としての用法は中国語でもよく見ます。「再見〜」みたいな感じ。

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kidayasuo commented 2 years ago

thanks~

確かに。私も中国人の英語で見たことがあります。子音は伸びないので、余韻を残すんですかね。世界に羽ばたく長音ワールド

娘(ネイティブさん)に聞いてみました。英語だと、伸ばしたい時や強調したい時には文字を繰り返すのだそうな。Woooow! とか。ニョロも稀に見るけれど、音を伸ばすと言うより、日本人が終わりに音符を書くような、そんなニュアンスじゃないかな、とのこと。ネイティブだとその使い方を思いつかないだろうから、おそらく日本か、その用法の影響を受けた中国語の影響。という分析をしてくれました。

KobayashiToshi commented 2 years ago

最近,“びっくりした〜”のような波形の用法を見かけますが,どうなんでしょうか?

マンガの“吹き出し”で使われ始めたようです【このへん,tlk714さん,くわしく書いてください】.

“びっくりした〜”ですが,もし“た”の長音を示したいのなら,現代仮名遣いでは,ア列の長音は,ア列の仮名に“あ”を添える(例:“おかあさん”)とあるので,“びっくりしたあ”となるところなんでしょう.しかし,ある種の雰囲気を出したいんでしょうね.

最近は新聞でも見かますので,“~”で長音を示す用法として,それなりに定着してきたのでしょう.“よ~~~く考えてみる”といった表現もできますから.もっとも新聞での使用は主に読者の投稿ですので,まじめな記事では,その使用は少し躊躇するかもしれません.

それにしても,波形は,範囲を示す,つながりを示す,さらに“婚活”や“終活”などを一括して“~活”のように任意の文字や言葉を示すなど,用法が増えていますね.

KobayashiToshi commented 2 years ago

波形や全角ダーシは,行頭に配置していいんですか,いけないんですか?

JIS X 4051(日本語文書の組版方法)の文字クラスでは,波形は“ハイフン類”,全角ダーシは“分離禁止文字”となっている.“ハイフン類”は行頭の配置は禁止,“分離禁止文字”は,2つが並んだ場合は分離禁止であるが,単独では禁止されない.

二分ダーシを含めて,従来,波形や全角ダーシは,行頭の配置については何もいわれてこなかった.ということで,二分ダーシが行頭に配置される例は見かける.したがって,波形も全角ダーシも,行頭の配置は可といってもよい.これらを行頭に配置した例は,けっこう見かける.

JIS X 4051で行頭禁止となったのは,まず,ハイフンは行頭禁止,二分ダーシも禁止した方がよいだろうとなって禁止,さらに波形も“ハイフン類”に含められて禁止となった.

前述したように,波形の用法も変化し,長音を示す用法もあることを踏まえると,波形も全角ダーシも行頭の配置をどうするかは再検討した方がよいでしょう.音引(ー)は行頭の配置は原則は禁止であるが,許容もできるようになっているが,こうした扱いにした方がよいのかもしれない(波形も全角ダーシも,ある意味で前にある文字との連続性があるように思うので).

KobayashiToshi commented 2 years ago

全角ダーシ(EM DASH)は,英文でも使用されていますが,和文と同じですか,違うものなのですか?

和文用の全角ダーシは,文字の外枠(仮想ボディ)の枠内に設計されています.文字の外枠は全角(文字サイズの正方形)です.

字詰め方向(1つの文字から次の文字へと続く方向)は,文字枠に一杯というか,わずかにアキがあります.これが原則ですが,プロポーショナルの和文でも,たぶん同じでしょうが,プロポーショナルの和文の場合,全角の長さでは,やや長く感じられると思いますので,フォントの設計としても考えないといけないかもしれません.行送り方向(1つの行が次の行へと続く方向)は,文字の外枠の中心に配置されています.(一般的にいえば,和文フォントでは,漢字や仮名の設計は,よく検討されていますが,約物の設計では,問題を感じることがあります.)

英文の場合は,よくわかりません.そもそも全角(em)の概念に揺れがあります.字詰め方向では,だいたいは和文と同じといえるが,微妙に長さが異なるかもしれません.

また,文字の外枠に対する行送り方向の位置も,ラテン文字と和文文字とでは基本的な文字の設計,つまりフォントメトリク(フォントに含まれるグリフ表現に共通する寸法情報を含む各種計量情報)が異なります.小文字中心に考えれば,ベースライとミーンラインの中心,大文字を考えれば,ベースライとキャップラインの中心となるのでしょう.

和文は和文フォント,ラテン文字はラテン文字専用のフォントを選べばよいのでしょう.ただし,和文フォントの付属書体を選んだ場合は,問題がでるかもしれません.もっとも英文のEM DASHの代わりにEN DASH(二分ダーシ)を使用する例が増えており,英文の中でEM DASHを使う例は,それほど多くないでしょう.

tlk714 commented 2 years ago

ぼくは、やはり、マンガの吹き出しの中での使い方に関心があるようで。。。 メーリングリストに投げたものの一部を、再掲しておきますね。 「びっくりした〜」的な表記は、たぶん、マンガの吹き出しに写植(ネームと言っていました)を貼って、1ページ分の凸版やオフセットのために、写真取りをして製版していたのが、一般の印刷物にも波及していったのではないか、と。 転んで、石に頭をぶつけたときとかの「◎△×?‼〜」とか。マンガ家が鉛筆で書き込んだネーム(大抵は、原稿にペン入れする前に)を、編集者がコピーして、写植屋さんにバラ打ちしておいてもらって、原稿が完成したら貼り込んでもらう。 このバラ打ちの時に、オペレーターが適当な(形が似ている)写植を文字盤から拾ってきていたわけで 40年も前の、ドラエモン時代の話。

ぼくが編集者だったころは、マンガの吹き出しは完全に写植になっていましたが、吹き出しの外側では、結構手書き文字もあってね。木田さんが大好きな、《あ+゜》みたいな字も、手書き文字から来ているような。写植での切り貼りも結構やっていました。ぼく自身も、切羽詰まってやったことがあります。原稿の仕上げが遅いマンガ家の仕事場に、バラウチした写植を持ち込んで、ネーム貼りをやったことこありましたね。 そのころ写研からもらった写植印画紙専用のハサミは、今でも愛用しています。 ガラ刷りが出て、ガラ稿で誤植を見つけると、凸版(鉛版と言っていました)に穴を開けて活字をはめ込んだり(象眼)ね。 吹き出しの仮名文字はアンチック体なのに、象眼した部分はゴチックで、ミスの修正が見え見え。

どうも、そんな過渡期の記号類の使い方が、定着してしまって、いまに至っているような。

kidayasuo commented 2 years ago

あれ、em dash って M の幅じゃないの?と思って調べてみたら、違いました。em もしくは a point size と呼ばれる単位があって、それは活字の時代には活字のメタルの高さ(the point size (and hence the em) was equal to the line height of the metal body from which the letter rises.)。これはまた文字の大きさをポイントで表した時の数字と同じ、つまり16ポイントの文字なら16ポイントが em = a point size、だそうな。M の幅と一致することも一致しないことも。ついでに、en dash は em の半分。この辺りを読んでいるとこれだけで何日も楽しめそう :) 活字のイメージ (このページ より) em (typography) (Wikipedia) Dash (Wikipedia) # さまざまな Dash の用法について詳しい。日本語の長音の代わりに波線などが使われることまで書いてある

kidayasuo commented 2 years ago

ちょっと原稿とは離れるかもしれませんが、WAVE / WAVY DASH をそのまま長音の一種として使い続けることの具体的な不都合ってなんでしょうね。一つの可能性は禁則。それから連続した場合に空きを開けたくない(WAVE DASH も?)。字形は今のままで不都合なし?

KobayashiToshi commented 2 years ago

数学記号としてどのような意味があるのか調べてみました。数学記号として定義され ているのは U+223C TILDE OPERATOR. 複数の使われ方があって、大体等しい、単項演 算子としては否定(否定記号 ¬ と同じ)などなど、とのことでした。 https://en.wikipedia.org/wiki/Tilde#Mathematics

矢野健太郎ほか編“数学小辞典 第2版増補”(共立出版,2017年)では,“~”は数学記号として以下の意味があるようです.  関係式  準同値  集合   同値 日本数学会編“岩波数学辞典 第4版”(岩波書店,2007年)によれば,  集合   同値  関数   同位の無限大(小)  線形幾何 線形同値,1次同値,有線同値

KobayashiToshi commented 2 years ago

あれ、em dash って M の幅じゃないの?と思って調べてみたら、違いました。em も しくは a point size と呼ばれる単位があって、それは活字の時代には活字のメタル の高さ(the point size (and hence the em) was equal to the line height of the metal body from which the letter rises.)。これはまた文字の大きさをポイントで 表した時の数字と同じ、つまり16ポイントの文字なら16ポイントが em = a point size、だそうな。M の幅と一致することも一致しないことも。ついでに、en dash は em の半分。この辺りを読んでいるとこれだけで何日も楽しめそう :)

“M”の字幅が,ほぼ全角なので,そこからきたというのは,そのとおりでしょう.なお,活字の高さというのは,文字幅はプロポーショナルなので,行送り方向の台の大きさ.これが文字サイズになる.活字の台の高さでない.

私が40年ほど前に欧文活字の字送り方向のサイズ(字幅)を調べた資料があります(参考としてPDFファイル(欧字の字幅_2.pdf)を添付いたします),“バスカービル”(モノタイプ社,イギリス)です. 欧字の字幅_2.pdf

この資料によれば,大文字の“M”の字幅は以下です.前の数字が文字サイズ,後ろの数字が“M”の字幅です.ですから,9ポ,9.5ポ,10ポは,“M”の字幅は全角です.欧文文字は,読みさすさを保つために,文字サイズが小さくになるに従い字幅は広くなります. 6ポ–6.75ポ 8ポ–8.25ポ 9ポ–9ポ 9.5ポ–9.5ポ 10ポ–10ポ 11ポ–10.75ポ 12ポ–12ポ 14ポ–13ポ

ところがDTPとなり,以前はよく使用された“QuarkXPress”では,アラビア数字の“0”の2文字分の字幅というようにもいわれ(設定で変更できた),EMの大きさは揺れがあった.

KobayashiToshi commented 2 years ago

縦組の波形には,線の最初が右から左という形と,左から右という形があるが,どちらが正しいですか?

波形は,もともとは数学記号(差を示す,今日では集合で同値を示すなど)であり,戦前の印刷の本では,波形を数学記号としてしか示していない本もあります(交進社印刷所編“印刷の栞”(交進社,1936,p.22). https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1261243/34

これが範囲を示す記号に代用され定着したと思われます.ですから,活字組版では,横組の字形を90度回転させ,さらに反転させた縦組用の字形はなかった.縦・横で共通.最初の線は左から右という形しかなかった(活字組版では,正方形のボディ(台)ですから,活字の向きを変えるだけで,縦組と横組に使用できた).

ですので,1980年代までは,縦組に用いる場合,横組字形を単純に90度回転させて字形(最初の線が左から右に)が使用されてる例を見かけます.  例:木下順二[訳]著“木下順二が語る 保元物語”(平凡社(かたりべ草子),1984.1.10,p.56)    “世界”(1985.5.1,岩波書店,p.91)

ところが,1980年代の中ごろから,90度回転させた字形(最初の線が左から右に)が見られるようになっており,今日では,多くがというか,すべてが反転(最初の線が右から左に)させる字形が使用されています(すくなくとも,2020年以降で刊行された本で,横組字形を単純に回転させた字形は見ていません).  例:“アステ vol.3”(1986.11.1,p.13)     宇野功芳著“クラシック名曲・名盤”(1989.5.30,講談社現代新書,p.98)

どうも,手動写植やコンピュータ組版が使用されてきたことが影響されたのではと,推測しています.

ですから,縦組の波形の形は,反転しない形は間違いではないので,使うのはかまわないが,反転した形が定着しているのだから,現在では反転した形を使うのがいいでしょう.

tlk714 commented 2 years ago

「印刷雑誌」の原稿に纏めることを考えると、だいたい以下のような要素で構成するのかな、と。

吹き出しの中の嵐

主要な論点

長音記号の変形としての「〜」「WavyDash」 Wave DashとFull Width Tildeの混乱 *「〜」のさまざまな使われ方

ボトムラインのメッセージ

記号類にも使われる文脈によってある種のセマンティックがあるよね。 活版や写植と違って、電子化文書では、セマンティクスの違いを意識した符号化が必要かもね。 こんな感じで、導入の落語調部分、考えてみます。

tlk714 commented 2 years ago

ちょっと長くなりますが。。落語調第2弾の出だし部分。以前、小形克宏さんがメーリングリストに投げてくださったネタをパクっています。

吹き出しの中の嵐

はっつぁん:ねえねえご隠居さん、面白い話を聞き込んだんだけどさ。某出版社では、マンガの吹き出しの中の「〜」をぜ〜んぶ「〰」に置き換えているんだってさ。 [https://lists.w3.org/Archives/Public/public-i18n-japanese/2021JulSep/0079.html] ご隠居さん:ありゃりゃ、バカなことするねえ。ま、マンガの吹き出しに使われる「〜」や「〰」なんてのは、活版の時代には思いも寄らなかったからねえ。ま、目くそ鼻くその類だね。 はっつぁん:え〜っ。てえことは、ご隠居さん、この手の問題、前からご存じだったわけで。恐れ入谷の鬼子母神。 ご隠居さん:あたりめえよ。何年この世界で生きてきているとお思いでえ。 「〰」と「〜」の問題を語らせりゃあ、ま、半日は持つね。 はっつぁん:え〜〰っ。「〜」と「〰」って、どこがどう違うんで、やんすか。印刷雑誌の記事で、書いてあるからいいようなものの、寄席の高座で口演でやった日にゃあ、何が何だか分かりゃしねえ。 ご隠居さん:そりゃそうだな。もう少し、詳しく説明してやろう。 「〜」は、ユニコードでは、WAVE DASHという名前が付いておる。JIS X 0213では波ダッシュ。 元々は,“~”は,数学記号でね。戦前の古い印刷の本を見ると,この記号は,数学記号として掲げられている例がある(記述記号には掲げられていない). これが字形の雰囲気がいいからかねえ、“一八九五~一九六五年”のように範囲や,“東京~京都”の経路を示す約物として使用されるようになってきた.従来は“一八九五―一九六五年”,“東京―京都”というように,全角ダーシが使われていた.横組においてアラビア数字で範囲を示す場合,“1895–1965”のように二分ダーシが使用されることから考えると,ダーシの方がいいように思うがね。 先輩の校正者の話だが、“元々“~”は,数学記号なんだから,範囲を示す約物としては適当でない”と主張されておったな。しかし,範囲を示す波形は徐々に増えていて、最近では縦組に限ればダーシはもはや少数派だな。なので、今日では“~”に数学記号という認識はどっかいっちまって。ワシは,古い人間なので、今でも範囲を示す場合,縦組では,全角ダーシを使うね。ま、言葉と同じで約物の用法も変化するので、いまや縦組では波形が多くなっているので,大勢に従うということなら,波形を使用するのがよかろう。 はっつぁん:あれれ、ご隠居さん。何だか、「え〜っ」の話とは、違うような。 大家さん:おやおや、はっつぁん、またご隠居さん相手に、愚痴こぼしかい。 WAVE DASHがどうのこうのとか、言いながら、時々、「ぐぇ〰〰〰っ」とか絶叫していたようだが。 「〜」とか、「〰」とかは、マンガの吹き出しでよく見かけるね。 おっと、「〰」の方は、WAVY DASH(U+3030)。どっちも、マンガの吹き出しでは、前の音を長くのばすときに、長音記号(ー)の代わりによく使われているね。 わたしは、何を隠そう、大家業を始める前は、バリバリの雑誌編集者で、マンガとかも担当していたことがあってね。 ご隠居さん:そりゃ、初耳だねえ。人は、見かけによらないもんだなあ。 大家さん:まあ、40年も前の話ですがね。 「びっくりした〜」的な表記は、たぶん、マンガの吹き出しに写植(ネームと言っていました)を貼って、1ページ分の凸版やオフセットのために、写真取りをして製版していたのが、一般の印刷物にも波及していったのではないか、と。 転んで、石に頭をぶつけたときとかの「◎△×?‼〜」とか。マンガ家が鉛筆で書き込んだネーム(大抵は、原稿にペン入れする前に)を、編集者がコピーして、写植屋さんにバラ打ちしておいてもらって、原稿が完成したら貼り込んでもらっていた。 このバラ打ちの時に、オペレーターが適当な(形が似ている)写植を文字盤から拾ってきていたわけで わたしが編集者だったころは、マンガの吹き出しは完全に写植になっていやしたが、吹き出しの外側では、結構手書き文字もあってね。最近の技術では《あ+゜》みたいな字も、出せるようになりましたが、これも、元々は手書き文字から来ているような。 写植での切り貼りも結構やっていましたよ。わたし自身も、切羽詰まってやったことがあります。原稿の仕上げが遅いマンガ家の仕事場に、バラウチした写植を持ち込んで、ネーム貼りをやったことこありましたね。後から見ると、張り込みの曲がりが結構目についてね。プロの写植屋さんは、それこそ、ピタッとまっすぐに貼り込んで、そりゃあ、見事なもんでしたよ。 そのころ写植機メーカーからもらった写植印画紙専用のハサミは、今でも愛用していますよ。 ガラ刷りが出て、ガラ稿で誤植を見つけると、凸版(鉛版と言っていました)に穴を開けて活字をはめ込んだり(象眼)ね。 吹き出しの仮名文字はアンチック体なのに、象眼した部分はゴチックで、ミスの修正が見え見え。 はっつぁん:なんだか、今回は、どうでもいい、昔話が多いなあ。 ご隠居さん:そういうことだよ、はっつぁん。要は、どうでもいい昔話のころに、印刷現場の職人さんやオペレーターが適当にやっていたことが、どういうわけか、印刷文化の伝統みたいな感じで、金科玉条化したことが結構あるからね。 はっつぁん:ってえと、WAVE DASHは、元々は数学用の記号だったのが、見てくれがいいからって、範囲を示す「ー」(DASH)の代わりに使われるようになったり、マンガの吹き出しn中で、「ー」(長音記号)の変形として使われるようになったってことですね。 大家さん:おっ。はっつぁんにしては、よく分かっているじゃねえか。 はっつぁん:「〰」もマンガの吹き出しの中では、「~」と似たようなもの、ってわけですね。 ご隠居さん:ところで。「〜」には、もう一つ、やっかいな問題があってね。 さっきも言ったけれど、波形は,もともとは数学記号として用いられていたのが、範囲を示す記号に代用されて定着したみたいなんだ。てえことは、元々活字組版では,横組の字形を90度回転させ,さらに反転させた縦組用の字形はなかった.縦・横で共通.最初の線は左から右という形しかなかった。ま、活字は、普通正方形に鋳込むので、活字の向きを変えるだけで,縦組と横組に使用できたわけ。++ なので,1980年代までは,縦組に用いる場合,横組字形を単純に90度回転させて字形(最初の線が左から右に)が使用されてる例を見かけるね。++  例:下順二「訳」著“木下順二が語る 保元物語”(平凡社(かたりべ草子),1984.1.10,p.56)++    “世界”(1985.5.1,岩波書店,p.91)++ ところが,1980年代の中ごろから,90度回転させた字形(最初の線が左から右に)が見られるようになってね、今日では,多くがというか,すべてが反転(最初の線が右から左に)させる字形が使用されている。すくなくとも,2020年以降で刊行された本で,横組字形を単純に回転させた字形は見てねえな。++ ++ 例:“アステ vol.3”(1986.11.1,p.13) ++ ++   宇野功芳著“クラシック名曲・名盤”(1989.5.30,講談社現代新書,p.98)++

どうも,手動写植やコンピュータ組版が使用されてきたことに影響されたのではと,思っているんだがね。. てなわけで、縦組の波形の形は,反転しない形は間違いではないので,使うのはかまわないが,反転した形が定着しているのだから,現在では反転した形を使うのが無難だろうね。

大家さん:なるほどね、ご隠居さん。これで、ガテンがいきましたよ。例の、Wave Dashの字形の問題と、JISとUnicodeの対応関係の混乱。おっと、はっつぁんの生まれる前のことかもしれねえから、ちょっと昔話をしておくか。 といっても、話は結構ややこしいのでねえ。簡単に言っちまうと、ある時期、JIS X 2028の波ダッシュ(1区33点)に対応するUnicodeの符号位置に混乱があってね、WAVE DASH(U+301C)に対応付けしたOSとFULL WIDTH TIDLE(U+FF5E)に対応付けしたOSが混在していてた。それに、さっきご隠居さんがいった字形の問題が絡まって、ま、グチャグチャになっていた。今では、だいぶ落ち着いて射るみたいだが、この混乱のきっかけになったいわゆるShift JISが考えられた時期や、Unicodeの始めのころが、ご隠居さんが言っていたような、日本の印刷物で波形の字形が混在していた時期とが重なるわけよ。 どうも、今に至る記号類の混乱の起源を探っていくと、活字印刷から今のデジタル環境に移行する過程での、写植の時代に起こっているような感じだね。 ご隠居さん:フム。写植のオペレーターのことを悪くいうつもりはないが、昔の印刷屋の職人たちは、採字工にしても植字工(チョクジコウって読むんだぜ、えっ、はっつぁん)にしても、漢字の知識だけでなく、てえへんな教養人がゴロゴロいたもんだ。 はっつぁん:おっと、また、ご隠居さんの昔話が始まった。長くなりそうだから、帰ろっと。

主要な論点

長音記号の変形としての「〜」WAVE DASHと「〜」WAVY DASH WAVE DASHとFULL WIDTH TILDEの混乱 「〜」のさまざまな使われ方

ボトムラインのメッセージ

記号類にも使われる文脈によってある種のセマンティックがあるよね。 活版や写植と違って、電子化文書では、セマンティクスの違いを意識した符号化が必要かもね。



KobayashiToshi commented 2 years ago

ま、言葉と同じで約物の用法も変化するの

E. コセリウは,“変化すること自体が言語の本質”で,あるということをいってるしね。

と,いう意味のことを追加してもらってもよい.

KobayashiToshi commented 2 years ago

ちょっと長くなりますが。。落語調第2弾の出だし部分。

いくつか文字等の修正

張り込みの曲がりが結構 → 貼り込み

マンガの吹き出しn中で → 吹き出しの中で

ところが,1980年代の中ごろから,90度回転させた字形(最初の線が左から右に)が見られるようになってね、今日では,多くがというか,すべてが反転(最初の線が右から左に)させる字形が使用されている。  ↓ ところが,1980年代の中ごろから,90度回転させ,さらに反転させた字形(最初の線が右から左に)が見られるようになってね、今日では,多くがというか,すべてがこの反転させた字形が使用されている。

今では、だいぶ落ち着いて射るみたいだが、 → 落ち着いている

kidayasuo commented 2 years ago

ご隠居さん:ありゃりゃ、バカなことするねえ。ま、マンガの吹き出しに使われる「〜」や「〰」なんてのは、活版の時代には思いも寄らなかったからねえ。ま、目くそ鼻くその類だね。

ここのところ、バカなことを、の理由説明がいつあるかいつあるかと読み進んだんですが、ついに説明なし…

一点、〜 と 〰 、現在の実装だと、二つ以上繰り返した場合に前者はつながらず、後者は連続する、という違いがありますね。

木田

2021/09/16 11:14、tlk714 @.***>のメール:

ちょっと長くなりますが。。落語調第2弾の出だし部分。以前、小形克宏さんがメーリングリストに投げてくださったネタをパクっています。

吹き出しの中の嵐

はっつぁん:ねえねえご隠居さん、面白い話を聞き込んだんだけどさ。某出版社では、マンガの吹き出しの中の「〜」をぜ〜んぶ「〰」に置き換えているんだってさ。 [https://lists.w3.org/Archives/Public/public-i18n-japanese/2021JulSep/0079.html] ご隠居さん:ありゃりゃ、バカなことするねえ。ま、マンガの吹き出しに使われる「〜」や「〰」なんてのは、活版の時代には思いも寄らなかったからねえ。ま、目くそ鼻くその類だね。 はっつぁん:え〜っ。てえことは、ご隠居さん、この手の問題、前からご存じだったわけで。恐れ入谷の鬼子母神。 ご隠居さん:あたりめえよ。何年この世界で生きてきているとお思いでえ。 「〰」と「〜」の問題を語らせりゃあ、ま、半日は持つね。 はっつぁん:え〜〰っ。「〜」と「〰」って、どこがどう違うんで、やんすか。印刷雑誌の記事で、書いてあるからいいようなものの、寄席の高座で口演でやった日にゃあ、何が何だか分かりゃしねえ。 ご隠居さん:そりゃそうだな。もう少し、詳しく説明してやろう。 「〜」は、ユニコードでは、WAVE DASHという名前が付いておる。JIS X 0213では波ダッシュ。 元々は,“~”は,数学記号でね。戦前の古い印刷の本を見ると,この記号は,数学記号として掲げられている例がある(記述記号には掲げられていない). これが字形の雰囲気がいいからかねえ、“一八九五~一九六五年”のように範囲や,“東京~京都”の経路を示す約物として使用されるようになってきた.従来は“一八九五―一九六五年”,“東京―京都”というように,全角ダーシが使われていた.横組においてアラビア数字で範囲を示す場合,“1895–1965”のように二分ダーシが使用されることから考えると,ダーシの方がいいように思うがね。 先輩の校正者の話だが、“元々“~”は,数学記号なんだから,範囲を示す約物としては適当でない”と主張されておったな。しかし,範囲を示す波形は徐々に増えていて、最近では縦組に限ればダーシはもはや少数派だな。なので、今日では“~”に数学記号という認識はどっかいっちまって。ワシは,古い人間なので、今でも範囲を示す場合,縦組では,全角ダーシを使うね。ま、言葉と同じで約物の用法も変化するので、いまや縦組では波形が多くなっているので,大勢に従うということなら,波形を使用するのがよかろう。 はっつぁん:あれれ、ご隠居さん。何だか、「え〜っ」の話とは、違うような。 大家さん:おやおや、はっつぁん、またご隠居さん相手に、愚痴こぼしかい。 WAVE DASHがどうのこうのとか、言いながら、時々、「ぐぇ〰〰〰っ」とか絶叫していたようだが。 「〜」とか、「〰」とかは、マンガの吹き出しでよく見かけるね。 おっと、「〰」の方は、WAVY DASH(U+3030)。どっちも、マンガの吹き出しでは、前の音を長くのばすときに、長音記号(ー)の代わりによく使われているね。 わたしは、何を隠そう、大家業を始める前は、バリバリの雑誌編集者で、マンガとかも担当していたことがあってね。 ご隠居さん:そりゃ、初耳だねえ。人は、見かけによらないもんだなあ。 大家さん:まあ、40年も前の話ですがね。 「びっくりした〜」的な表記は、たぶん、マンガの吹き出しに写植(ネームと言っていました)を貼って、1ページ分の凸版やオフセットのために、写真取りをして製版していたのが、一般の印刷物にも波及していったのではないか、と。 転んで、石に頭をぶつけたときとかの「◎△×?‼〜」とか。マンガ家が鉛筆で書き込んだネーム(大抵は、原稿にペン入れする前に)を、編集者がコピーして、写植屋さんにバラ打ちしておいてもらって、原稿が完成したら貼り込んでもらっていた。 このバラ打ちの時に、オペレーターが適当な(形が似ている)写植を文字盤から拾ってきていたわけで わたしが編集者だったころは、マンガの吹き出しは完全に写植になっていやしたが、吹き出しの外側では、結構手書き文字もあってね。最近の技術では《あ+゜》みたいな字も、出せるようになりましたが、これも、元々は手書き文字から来ているような。 写植での切り貼りも結構やっていましたよ。わたし自身も、切羽詰まってやったことがあります。原稿の仕上げが遅いマンガ家の仕事場に、バラウチした写植を持ち込んで、ネーム貼りをやったことこありましたね。後から見ると、張り込みの曲がりが結構目についてね。プロの写植屋さんは、それこそ、ピタッとまっすぐに貼り込んで、そりゃあ、見事なもんでしたよ。 そのころ写植機メーカーからもらった写植印画紙専用のハサミは、今でも愛用していますよ。 ガラ刷りが出て、ガラ稿で誤植を見つけると、凸版(鉛版と言っていました)に穴を開けて活字をはめ込んだり(象眼)ね。 吹き出しの仮名文字はアンチック体なのに、象眼した部分はゴチックで、ミスの修正が見え見え。 はっつぁん:なんだか、今回は、どうでもいい、昔話が多いなあ。 ご隠居さん:そういうことだよ、はっつぁん。要は、どうでもいい昔話のころに、印刷現場の職人さんやオペレーターが適当にやっていたことが、どういうわけか、印刷文化の伝統みたいな感じで、金科玉条化したことが結構あるからね。 はっつぁん:ってえと、WAVE DASHは、元々は数学用の記号だったのが、見てくれがいいからって、範囲を示す「ー」(DASH)の代わりに使われるようになったり、マンガの吹き出しn中で、「ー」(長音記号)の変形として使われるようになったってことですね。 大家さん:おっ。はっつぁんにしては、よく分かっているじゃねえか。 はっつぁん:「〰」もマンガの吹き出しの中では、「~」と似たようなもの、ってわけですね。 ご隠居さん:ところで。「〜」には、もう一つ、やっかいな問題があってね。 さっきも言ったけれど、波形は,もともとは数学記号として用いられていたのが、範囲を示す記号に代用されて定着したみたいなんだ。てえことは、元々活字組版では,横組の字形を90度回転させ,さらに反転させた縦組用の字形はなかった.縦・横で共通.最初の線は左から右という形しかなかった。ま、活字は、普通正方形に鋳込むので、活字の向きを変えるだけで,縦組と横組に使用できたわけ。++ なので,1980年代までは,縦組に用いる場合,横組字形を単純に90度回転させて字形(最初の線が左から右に)が使用されてる例を見かけるね。++  例:下順二「訳」著“木下順二が語る 保元物語”(平凡社(かたりべ草子),1984.1.10,p.56)++    “世界”(1985.5.1,岩波書店,p.91)++ ところが,1980年代の中ごろから,90度回転させた字形(最初の線が左から右に)が見られるようになってね、今日では,多くがというか,すべてが反転(最初の線が右から左に)させる字形が使用されている。すくなくとも,2020年以降で刊行された本で,横組字形を単純に回転させた字形は見てねえな。++ ++ 例:“アステ vol.3”(1986.11.1,p.13) ++ ++   宇野功芳著“クラシック名曲・名盤”(1989.5.30,講談社現代新書,p.98)++

どうも,手動写植やコンピュータ組版が使用されてきたことに影響されたのではと,思っているんだがね。. てなわけで、縦組の波形の形は,反転しない形は間違いではないので,使うのはかまわないが,反転した形が定着しているのだから,現在では反転した形を使うのが無難だろうね。

大家さん:なるほどね、ご隠居さん。これで、ガテンがいきましたよ。例の、Wave Dashの字形の問題と、JISとUnicodeの対応関係の混乱。おっと、はっつぁんの生まれる前のことかもしれねえから、ちょっと昔話をしておくか。 といっても、話は結構ややこしいのでねえ。簡単に言っちまうと、ある時期、JIS X 2028の波ダッシュ(1区33点)に対応するUnicodeの符号位置に混乱があってね、WAVE DASH(U+301C)に対応付けしたOSとFULL WIDTH TIDLE(U+FF5E)に対応付けしたOSが混在していてた。それに、さっきご隠居さんがいった字形の問題が絡まって、ま、グチャグチャになっていた。今では、だいぶ落ち着いて射るみたいだが、この混乱のきっかけになったいわゆるShift JISが考えられた時期や、Unicodeの始めのころが、ご隠居さんが言っていたような、日本の印刷物で波形の字形が混在していた時期とが重なるわけよ。 どうも、今に至る記号類の混乱の起源を探っていくと、活字印刷から今のデジタル環境に移行する過程での、写植の時代に起こっているような感じだね。 ご隠居さん:フム。写植のオペレーターのことを悪くいうつもりはないが、昔の印刷屋の職人たちは、採字工にしても植字工(チョクジコウって読むんだぜ、えっ、はっつぁん)にしても、漢字の知識だけでなく、てえへんな教養人がゴロゴロいたもんだ。 はっつぁん:おっと、また、ご隠居さんの昔話が始まった。長くなりそうだから、帰ろっと。

主要な論点

長音記号の変形としての「〜」WAVE DASHと「〜」WAVY DASH WAVE DASHとFULL WIDTH TILDEの混乱 「〜」のさまざまな使われ方

ボトムラインのメッセージ

記号類にも使われる文脈によってある種のセマンティックがあるよね。 活版や写植と違って、電子化文書では、セマンティクスの違いを意識した符号化が必要かもね。
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— You are receiving this because you authored the thread. Reply to this email directly, view it on GitHub https://github.com/w3c/jlreq/issues/298#issuecomment-920520601, or unsubscribe https://github.com/notifications/unsubscribe-auth/AH5C6AYE7GD2TI7EG7TNYFDUCFHIFANCNFSM5DIN2EAQ.

ogwata commented 2 years ago

小形です。

私の投稿を採用していただいて、ありがとうございます。

ただ、私の投稿時の意図としては、以下にあるように、2文字続けて「〜〜」とあるネームについては「〰〰」に変換するというもので、1文字だけの「〜」まで変換の対象にはしていなかったように記憶します。

マンガ出版社の中には、原稿にある「〜〜」は「〰〰」に変換して納品するようルール化しているところがあります。 私の経験ではeBookJapanがそうでした(個人的には太さが揃わないので違和感を持っていました)。 https://lists.w3.org/Archives/Public/public-i18n-japanese/2021JulSep/0079.html

とはいえ、マンガで1文字だけの「〰」もよく見るのは確かなので、もしかしたら1文字だけでも変換の対象に含められるのかもしれません。

eBookJapanからは統一ルールのファイルを供給されていたので、それを見れば確かですが、旧職のファイル類はDropboxのアカウントと共にすべて処分してしまったので、確かめられません(まさかあのファイルを再び見たいと思うとはw)。

それから別件ですが、以下の部分は文字が抜けてないでしょうか?

下順二「訳」著“木下順二が語る 保元物語”(平凡社(かたりべ草子),1984.1.10,p.56)

普通に考えると冒頭「木」の1字が抜けているように思えます。ただ、元投稿の08/18 14:13付小林敏さんメール「Re: UTCへのレターの本体」から上記の状態のようです……。

最後に本題から逸れますが、Markdownの記法について。

「#」「##」の後は半角スペースを空けないと、それぞれH1、H2にパースされません。ただ太字を指定する「**」が、なぜstrong要素にパースされないか、私には分かりません。

ブラウザの開発ツールでHTMLソースをみてみましたが、前後を
で囲んだだけでした。下農さんならお分かりかもしれません(無茶振り)。

2021年9月16日(木) 15:40 Yasuo Kida (木田泰夫) @.***>:

ご隠居さん:ありゃりゃ、バカなことするねえ。ま、マンガの吹き出しに使われる「〜」や「〰」なんてのは、活版の時代には思いも寄らなかったからねえ。ま、目くそ鼻くその類だね。

ここのところ、バカなことを、の理由説明がいつあるかいつあるかと読み進んだんですが、ついに説明なし…

一点、〜 と 〰 、現在の実装だと、二つ以上繰り返した場合に前者はつながらず、後者は連続する、という違いがありますね。

木田

2021/09/16 11:14、tlk714 @.***>のメール:

ちょっと長くなりますが。。落語調第2弾の出だし部分。以前、小形克宏さんがメーリングリストに投げてくださったネタをパクっています。

吹き出しの中の嵐

はっつぁん:ねえねえご隠居さん、面白い話を聞き込んだんだけどさ。某出版社では、マンガの吹き出しの中の「〜」をぜ〜んぶ「〰」に置き換えているんだってさ。

[ https://lists.w3.org/Archives/Public/public-i18n-japanese/2021JulSep/0079.html]

ご隠居さん:ありゃりゃ、バカなことするねえ。ま、マンガの吹き出しに使われる「〜」や「〰」なんてのは、活版の時代には思いも寄らなかったからねえ。ま、目くそ鼻くその類だね。

はっつぁん:え〜っ。てえことは、ご隠居さん、この手の問題、前からご存じだったわけで。恐れ入谷の鬼子母神。 ご隠居さん:あたりめえよ。何年この世界で生きてきているとお思いでえ。 「〰」と「〜」の問題を語らせりゃあ、ま、半日は持つね。

はっつぁん:え〜〰っ。「〜」と「〰」って、どこがどう違うんで、やんすか。印刷雑誌の記事で、書いてあるからいいようなものの、寄席の高座で口演でやった日にゃあ、何が何だか分かりゃしねえ。

ご隠居さん:そりゃそうだな。もう少し、詳しく説明してやろう。 「〜」は、ユニコードでは、WAVE DASHという名前が付いておる。JIS X 0213では波ダッシュ。 元々は,“~”は,数学記号でね。戦前の古い印刷の本を見ると,この記号は,数学記号として掲げられている例がある(記述記号には掲げられていない).

これが字形の雰囲気がいいからかねえ、“一八九五~一九六五年”のように範囲や,“東京~京都”の経路を示す約物として使用されるようになってきた.従来は“一八九五―一九六五年”,“東京―京都”というように,全角ダーシが使われていた.横組においてアラビア数字で範囲を示す場合,“1895–1965”のように二分ダーシが使用されることから考えると,ダーシの方がいいように思うがね。

先輩の校正者の話だが、“元々“~”は,数学記号なんだから,範囲を示す約物としては適当でない”と主張されておったな。しかし,範囲を示す波形は徐々に増えていて、最近では縦組に限ればダーシはもはや少数派だな。なので、今日では“~”に数学記号という認識はどっかいっちまって。ワシは,古い人間なので、今でも範囲を示す場合,縦組では,全角ダーシを使うね。ま、言葉と同じで約物の用法も変化するので、いまや縦組では波形が多くなっているので,大勢に従うということなら,波形を使用するのがよかろう。

はっつぁん:あれれ、ご隠居さん。何だか、「え〜っ」の話とは、違うような。 大家さん:おやおや、はっつぁん、またご隠居さん相手に、愚痴こぼしかい。 WAVE DASHがどうのこうのとか、言いながら、時々、「ぐぇ〰〰〰っ」とか絶叫していたようだが。 「〜」とか、「〰」とかは、マンガの吹き出しでよく見かけるね。 おっと、「〰」の方は、WAVY DASH(U+3030)。どっちも、マンガの吹き出しでは、前の音を長くのばすときに、長音記号(ー)の代わりによく使われているね。 わたしは、何を隠そう、大家業を始める前は、バリバリの雑誌編集者で、マンガとかも担当していたことがあってね。 ご隠居さん:そりゃ、初耳だねえ。人は、見かけによらないもんだなあ。 大家さん:まあ、40年も前の話ですがね。

「びっくりした〜」的な表記は、たぶん、マンガの吹き出しに写植(ネームと言っていました)を貼って、1ページ分の凸版やオフセットのために、写真取りをして製版していたのが、一般の印刷物にも波及していったのではないか、と。

転んで、石に頭をぶつけたときとかの「◎△×?‼〜」とか。マンガ家が鉛筆で書き込んだネーム(大抵は、原稿にペン入れする前に)を、編集者がコピーして、写植屋さんにバラ打ちしておいてもらって、原稿が完成したら貼り込んでもらっていた。

このバラ打ちの時に、オペレーターが適当な(形が似ている)写植を文字盤から拾ってきていたわけで

わたしが編集者だったころは、マンガの吹き出しは完全に写植になっていやしたが、吹き出しの外側では、結構手書き文字もあってね。最近の技術では《あ+゜》みたいな字も、出せるようになりましたが、これも、元々は手書き文字から来ているような。

写植での切り貼りも結構やっていましたよ。わたし自身も、切羽詰まってやったことがあります。原稿の仕上げが遅いマンガ家の仕事場に、バラウチした写植を持ち込んで、ネーム貼りをやったことこありましたね。後から見ると、張り込みの曲がりが結構目についてね。プロの写植屋さんは、それこそ、ピタッとまっすぐに貼り込んで、そりゃあ、見事なもんでしたよ。

そのころ写植機メーカーからもらった写植印画紙専用のハサミは、今でも愛用していますよ。 ガラ刷りが出て、ガラ稿で誤植を見つけると、凸版(鉛版と言っていました)に穴を開けて活字をはめ込んだり(象眼)ね。 吹き出しの仮名文字はアンチック体なのに、象眼した部分はゴチックで、ミスの修正が見え見え。 はっつぁん:なんだか、今回は、どうでもいい、昔話が多いなあ。

ご隠居さん:そういうことだよ、はっつぁん。要は、どうでもいい昔話のころに、印刷現場の職人さんやオペレーターが適当にやっていたことが、どういうわけか、印刷文化の伝統みたいな感じで、金科玉条化したことが結構あるからね。

はっつぁん:ってえと、WAVE DASHは、元々は数学用の記号だったのが、見てくれがいいからって、範囲を示す「ー」(DASH)の代わりに使われるようになったり、マンガの吹き出しn中で、「ー」(長音記号)の変形として使われるようになったってことですね。

大家さん:おっ。はっつぁんにしては、よく分かっているじゃねえか。 はっつぁん:「〰」もマンガの吹き出しの中では、「~」と似たようなもの、ってわけですね。 ご隠居さん:ところで。「〜」には、もう一つ、やっかいな問題があってね。

さっきも言ったけれど、波形は,もともとは数学記号として用いられていたのが、範囲を示す記号に代用されて定着したみたいなんだ。てえことは、元々活字組版では,横組の字形を90度回転させ,さらに反転させた縦組用の字形はなかった.縦・横で共通.最初の線は左から右という形しかなかった。ま、活字は、普通正方形に鋳込むので、活字の向きを変えるだけで,縦組と横組に使用できたわけ。++

なので,1980年代までは,縦組に用いる場合,横組字形を単純に90度回転させて字形(最初の線が左から右に)が使用されてる例を見かけるね。++ 例:下順二「訳」著“木下順二が語る 保元物語”(平凡社(かたりべ草子),1984.1.10,p.56)++ “世界”(1985.5.1,岩波書店,p.91)++

ところが,1980年代の中ごろから,90度回転させた字形(最初の線が左から右に)が見られるようになってね、今日では,多くがというか,すべてが反転(最初の線が右から左に)させる字形が使用されている。すくなくとも,2020年以降で刊行された本で,横組字形を単純に回転させた字形は見てねえな。++

++ 例:“アステ vol.3”(1986.11.1,p.13) ++ ++ 宇野功芳著“クラシック名曲・名盤”(1989.5.30,講談社現代新書,p.98)++

どうも,手動写植やコンピュータ組版が使用されてきたことに影響されたのではと,思っているんだがね。.

てなわけで、縦組の波形の形は,反転しない形は間違いではないので,使うのはかまわないが,反転した形が定着しているのだから,現在では反転した形を使うのが無難だろうね。

大家さん:なるほどね、ご隠居さん。これで、ガテンがいきましたよ。例の、Wave Dashの字形の問題と、JISとUnicodeの対応関係の混乱。おっと、はっつぁんの生まれる前のことかもしれねえから、ちょっと昔話をしておくか。 といっても、話は結構ややこしいのでねえ。簡単に言っちまうと、ある時期、JIS X 2028の波ダッシュ(1区33点)に対応するUnicodeの符号位置に混乱があってね、WAVE DASH(U+301C)に対応付けしたOSとFULL WIDTH TIDLE(U+FF5E)に対応付けしたOSが混在していてた。それに、さっきご隠居さんがいった字形の問題が絡まって、ま、グチャグチャになっていた。今では、だいぶ落ち着いて射るみたいだが、この混乱のきっかけになったいわゆるShift JISが考えられた時期や、Unicodeの始めのころが、ご隠居さんが言っていたような、日本の印刷物で波形の字形が混在していた時期とが重なるわけよ。 どうも、今に至る記号類の混乱の起源を探っていくと、活字印刷から今のデジタル環境に移行する過程での、写植の時代に起こっているような感じだね。

ご隠居さん:フム。写植のオペレーターのことを悪くいうつもりはないが、昔の印刷屋の職人たちは、採字工にしても植字工(チョクジコウって読むんだぜ、えっ、はっつぁん)にしても、漢字の知識だけでなく、てえへんな教養人がゴロゴロいたもんだ。

はっつぁん:おっと、また、ご隠居さんの昔話が始まった。長くなりそうだから、帰ろっと。

主要な論点

長音記号の変形としての「〜」WAVE DASHと「〜」WAVY DASH WAVE DASHとFULL WIDTH TILDEの混乱 「〜」のさまざまな使われ方

ボトムラインのメッセージ

記号類にも使われる文脈によってある種のセマンティックがあるよね。 活版や写植と違って、電子化文書では、セマンティクスの違いを意識した符号化が必要かもね。 > >

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-- ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ 小形克宏 OGATA Katsuhiro @. @.>

murata2makoto commented 2 years ago

元々は,“~”は,数学記号でね。戦前の古い印刷の本を見ると,この記号は,数学記号として掲げられている例がある(記述記号には掲げられていない).

のあとに、

はっつぁん:じゃ、お偉い数学者様が使うもんで、あっしらにゃ関わりありませんな。

ダーシの方がいいように思うがね。

の後に、

はっつぁん: 数学なんて剣呑なものに手を出さなきゃいいのに。クワバラ、クワバラ。

himorin commented 2 years ago

太字も 太字 と開けないとだめだと思います。太字にはならないのような感じで。

himorin commented 2 years ago

・・・あれ、なった(@@!

himorin commented 2 years ago

太字は、太字の中に記号が入ると太字:にはならないようです。

真ん中太字:になるは大丈夫みたいですが。あと、後ろに空白を付けた太字: もダメですね。

ogwata commented 2 years ago

@himorin ご教示多謝

大家さん:なるほどね、ご隠居さん。 大家さん: なるほどね、ご隠居さん。 大家さんなるほどね、ご隠居さん。

ははあ、****の間に記号が含まれている場合に限って半角スペースが必要ということですね。

↑ GitHubのコメント欄で表示を確かめたものをメールで送ります。

2021年9月16日(木) 17:00 himorin @.***>:

太字は、太字の中に記号が入ると太字: にはならないようです。 真ん中太字: は大丈夫みたいですが。

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-- ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ 小形克宏 OGATA Katsuhiro @. @.>

KobayashiToshi commented 2 years ago

ご隠居さん:ありゃりゃ、バカなことするねえ。ま、マンガの吹き出しに使われ る「〜」や「〰」なんてのは、活版の時代には思いも寄らなかったからねえ。ま、 目くそ鼻くその類だね。

ここのところ、バカなことを、の理由説明がいつあるかいつあるかと読み進んだんで すが、ついに説明なし…

例えば,以下

ありゃりゃ、長音のある種の雰囲気を出したいんでしょうね.「〜」で長音を示す方法は新聞でも見かけますから,それなりに定着しているんでしょうが,それ以上の表現をしたいんでしょう.工夫しているというか,苦労していますね.ま、マンガの吹き出しに使われる「〜」や「〰」なんてのは、活版の時代には思いも寄らなかったからねえ。ま、目くそ鼻くその類だね。

ここからは説明

記号は,ある種の慣用であり,はっきりと意味を伝えることには,いくらか無理もあります.?とか!という約物を多用することと似ています,ある意味で安易な方法といえるでしょう.そうではなくて,文章なり,マンガであれは絵で,きちんと意味を伝える工夫をした方がいいんではないのかな,ということだと思います.

KobayashiToshi commented 2 years ago

普通に考えると冒頭「木」の1字が抜けているように思えます。ただ、元投稿の08/18 14:13付小林敏さんメール「Re: UTCへのレターの本体」から上記の状態のようです……。

ありがとうございます.別データからコピーした際に範囲を間違えた.また.括弧は“「」”でなく“[]”に,図書館の書誌の表記方法に揃えるためです.

下順二「訳」著 → 木下順二[訳]著

tlk714 commented 2 years ago

というわけで、次回分の粗原稿です。 図版と「〜」の使い方について、ご助力いただけますか⇒敏さま 吹き出しの中の嵐.docx

KobayashiToshi commented 2 years ago

というわけで、次回分の粗原稿です。 図版と「〜」の使い方について、ご助力いただけますか⇒敏さま 吹き出しの中の嵐.docx

テキスト,少し修正を加えました.  吹き出しの中の嵐_K.docx   括弧の使い方ですが,私はコーテーションマーク派(横組での「」は形がよくないと思うので),前回はまあ,いいかと思って,そのままにしたが,やはり気になるので,tlk714さんにそろえ,「」に直した. その代わりに,パーレンは,tlk714さんは,欧文と組み合わさる際には,半角で統一しているが,一般の出版物では,そうした用法は少ない.全角パーレンを使っている.そこで,ここは,その方針で直させていただきました.

図版は,作成いたしますが,すこし時間をください.

tlk714 commented 2 years ago

敏さま、 どうか、遠慮せずに斧を振るってくださいませ。ガシガシ、ワード本文をいじっていただいて結構です。二三度キャッチボールすれば、落ち着くでしょうし。

JunTajima commented 2 years ago

やれやれようやく議論を追う余裕ができました(笑)。 WAVE DASHとFULL WIDTH TILDEですが、電子書籍制作の現場的にはFULL WIDTH TILDEはJIS X0213外字になるため混入しているとビューア側の対応次第では化けかねないという問題があります。このため、基本的に全てWAVE DASHに置換をしています。Adobe-JapanJ1規格の複数のフォントで字形を確認しましたが全く同じ字形が当てられているようなのでEPUB制作的にはその対応で問題ないかと思っています。FULL WIDTH TILDEは時としてかなりの量が混入するのですが、これはWindowsのIMEの優先入力対象がFULL WIDTH TILDEだからかなと理解しております。 結構古い記事ですが、そのあたりをまとめたエントリを時々参照しているのでリンクを貼っておきます。

https://qiita.com/kasei-san/items/3ce2249f0a1c1af1cbd2

KobayashiToshi commented 2 years ago

図版を一応作成してみました.  波形の例2.pdf 波形の例2.pdf

tlk714 commented 2 years ago

ところで、”〜”や”〰”に限らず、マンガ吹き出し中の約物の例示図版を集めていただけないかしらね。紙からのスキャンで十分なのだけれど。>>特に、田嶋さん。 ぼくや(多分)敏さんの手元には、そもそもマンガとかないので。。。

KobayashiToshi commented 2 years ago

ところで、”〜”や”〰”に限らず、マンガ吹き出し中の約物の例示図版を集めてい ただけないかしらね。紙からのスキャンで十分なのだけれど。>>特に、田嶋さん。 ぼくや(多分)敏さんの手元には、そもそもマンガとかないので。。。

そんなことないです.大学生が漫画を読むと言って批判されたのは私たちの同世代だったのではないかな.

最近でも,新刊というか,新しいものは,あまり読まないが,多少は古いかもしれないが読んでいます.出版業界を描いたコミックもあり,そのなものは読んでいます.ですので私なりに注意してみます.最近,小学館から“日本短編漫画傑作集”(全6巻)が刊行されていますが,これは読む予定です.

tlk714 commented 2 years ago

敏さま、田嶋さま、 そろそろ、まとめ段階に入りたいなあと。 敏さま>>”〜”がらみの用法と図版のまとめを。 田嶋さま、敏さま>>マンガの吹き出し中の”〜”や”〰”の使用例のスキャンデータ。記号類のヘンな使用例があれば、それも大歓迎。

KobayashiToshi commented 2 years ago

そろそろ、まとめ段階に入りたいなあと。 敏さま>>”〜”がらみの用法と図版のまとめを。 田嶋さま、敏さま>>マンガの吹き出し中の”〜”や”〰”の使用例のスキャンデー

用法は,ほとんどが落語部分に書いてあるので,まとめは重複になるので,いらないのでは. その代わりに,行頭禁止の問題を追加した.以下のドキュメントに書きました.  吹き出しの中の嵐_K2.docx 吹き出しの中の嵐_K2.docx

図版は3点を以下に.  波形の例3.pdf 波形の例3.pdf

吹き出しの用例は,まだ見ていない.読む予定の本は金曜日にならないと手に入らない.そこで,明日(13日)にでも図書館で見てきます.

KobayashiToshi commented 2 years ago

田嶋さま、敏さま>>マンガの吹き出し中の”〜”や”〰”の使用例のスキャンデー タ。記号類のヘンな使用例があれば、それも大歓迎。

何冊か見たのですが,ヘンな使用例はありませんでした.以下のPDFは,風間やんわり著“風間亭やんわりの漫画落語傑作選”(新潮社,2009.8)のひとつの見開きです.  マンガ長音の例1.pdfマンガ長音の例1.pdf

この例では,長音を示すのに,“音引”“波形”“WAVE DASH”のほかに,長い線でも示しています.見開きページに4種類があります.使い分けているようです.

この線で長音を示す方法は,あの有名な“SLAM DUNK”では,頻出します.“いか――ん”,“来た来た来たあ―――――!!!”のように長さもいろいろあります.“SLAM DUNK”では“WAVE DASH”が2つではなく,もっと長い例,“イヤ〰〰〰〰〰”のような例もありました.もちろん“そーすか?”のように音引も使われています.“SLAM DUNK”は,コピーは取りましたが,PDF化はしていません.

KobayashiToshi commented 2 years ago

田嶋さま、敏さま>>マンガの吹き出し中の”〜”や”〰”の使用例のスキャンデー タ。記号類のヘンな使用例があれば、それも大歓迎。

本日,入手したものは1970年前後のものでした.これに“〜”や“〰”の使用例は見つかりませんでした.ただ,吹き出しの書体に,この頃でも,漢字はゴシック体,仮名はアンチック体のものが,けっこうありました.

tlk714 commented 2 years ago

そうですか、1970年ごろにはあまり見かけなかったと。 ぼくが、小学館に入社したのが、1976年で、最初から、マンガの吹き出しは、アンチゴチを指定しろ、と教わりました。 ”〜”や”〰”の使用もあったように記憶しています。スラムダンクは、ぼくが小学館を退社した(1989年)後、1990年から連載開始の作品ですよね。このあたりで、マンガ吹き出しの書記方法に大きな変化があったような感じですね。 1970年初頭に創刊された集英社のnon-noが本文にナール体を使って話題になりましたが、このあたり、印刷史、出版史的には、どこか通底するところがあるかもね。 吹き出しのデータ、どんな方法でも結構ですので、デジタル化してお送りいただけますか。紙からスキャンした感があった方が、リアリティあるし。

KobayashiToshi commented 2 years ago

吹き出しのデータ、どんな方法でも結構ですので、デジタル化してお送りいただけま すか。紙からスキャンした感があった方が、リアリティあるし。

“SLAM DUNK”の例を送ります.デジカメで写したもので,あまりよい画像ではないので,月曜日(17日)に,近所でスキャンしてPDF画像にしますか?  この“SLAM DUNK”は,保存版ですので,刊行年,だいぶ遅く,2001年と2002年のものです.   SLAM_DUNK1.JPG SLAM_DUNK1   SLAM_DUNK2.JPG SLAM_DUNK2

xfq commented 2 years ago

役に立てるかどうかはわかりませんが……

参考までに、私にもいくつかの“SLAM DUNK”の例があります。

長い”〰”の使用例

06_1

長い”ー”の使用例

31_1

31_2

長い”…”の使用例

31_3

(小学生の頃から大好きだったアニメです。)

xfq commented 2 years ago

ちなみに、中国語版では長い”〰”の使用例は見つかりませんでしたが(日本語版の同じところに対応する中国語部分が書き直されました)、長い”ー”の例は頻出します。

KobayashiToshi commented 2 years ago

そうですか、1970年ごろにはあまり見かけなかったと。 ぼくが、小学館に入社したのが、1976年で、最初から、マンガの吹き出しは、アンチ ゴチを指定しろ、と教わりました。 ”〜”や”〰”の使用もあったように記憶しています。

1979年から1980年ころの漫画を,いま読んでいますが,“〰”は,けっこう使用されていました.ただし,“〰”の長さは,いろいろで,左の山が4つ,右の山が3つのもだけではなく,左の山が2つ,右の山が1つのものもあります.

ogwata commented 2 years ago

小形です。

下記のようなメールを送ったところ、サーバから添付画像の容量オーバーで差し戻されました。 画像を縮減して再送します。


小形です。

1979年から1980年ころの漫画を,いま読んでいますが,“〰”は,けっこう使用されていました.ただし,“〰”の長さは,いろいろで,左の山が4つ,右の山が3つのもだけではなく,左の山が2つ,右の山が1つのものもあります.

敏先生のこの部分を読んで、急に記憶がよみがえりました。

私は1980年代初頭に、白夜書房などマイナーな出版社でマンガ雑誌を作っていました(漫画ブリッコなど)。 「〜」の代わりに「〰」を使うのは、目新しい書体(スーシャなど)を使うのと同じように、ちょっと目新しい表記として広まっていったような印象を持っています。 具体的には写研の手動写植の飾り罫(SA-1)を使うやり方です。 飾り罫を文字として使うというのは、私にとっては驚くべき発想の転換で、強く印象に残っています。

ただ、私はSA-1以外を波線に使ったことはありませんし、そうした例を見た記憶もありません。 敏先生のご報告に「へー」と驚きました。

写研見本帳(1978年版)を本棚から探し、飾り罫のページをスキャンしたものを添付します。 ちなみに赤丸は「いつもお願いしている写植屋さんが持ってる」という印です。

写研飾り罫

2021年10月22日(金) 15:29 KobayashiToshi @.***>:

そうですか、1970年ごろにはあまり見かけなかったと。 ぼくが、小学館に入社したのが、1976年で、最初から、マンガの吹き出しは、アンチ ゴチを指定しろ、と教わりました。 ”〜”や”〰”の使用もあったように記憶しています。

1979年から1980年ころの漫画を,いま読んでいますが,“〰”は,けっこう使用されていました.ただし,“〰”の長さは,いろいろで,左の山が4つ,右の山が3つのもだけではなく,左の山が2つ,右の山が1つのものもあります.

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tlk714 commented 2 years ago

そろそろ最終稿。もうすこし、マンガ吹き出しの図版が欲しいところですが>>敏さん、田嶋さん、(もち屋の小形さん😅 吹き出しの中の嵐(2021年10月27日).docx

MurakamiShinyu commented 2 years ago

マンガ吹き出しの図版、私もスマホの漫画アプリのスクリーンショットなど少しとってみました。

MurakamiShinyu commented 2 years ago

吹き出しの中の嵐(2021年10月27日).docx

次の箇所が少し気になりました:

今では、アポストロフィと引用符(開きと閉じ)には、別符号位置が与えられており、明確に区別することが出来る。

Unicode仕様での U+0027 APOSTROPHE の説明には次のようにあります:

(https://www.unicode.org/charts/nameslist/n_0000.html から)

また、ワープロソフトなどでのsmart quotesの機能を有効にした場合、I can't と書くと I can’t と入力されます。右シングルクオートとアポストロフィは区別がなくなります。したがって、「アポストロフィと引用符(開きと閉じ)には、別符号位置が与えられており、明確に区別することが出来る」は間違いではないでしょうか。

ogwata commented 2 years ago

小林さま

原稿拝見しました。 以下の部分が気になりました。

ダチ公のマンガ編集者に聞いた話ですけどね。「〰」ではなくって、写植の飾り罫を使っていた強者もいたみたい。

「写植の飾り罫を使っていた強者もいた」というよりも、手動写植で「〰」を使う方法は、飾り罫SA-1-4かSA-1-5を使うより他に方法がありませんでした。 つまり、「強者」というより、それしか選択の余地がなかったのが実情です。

以下独白 写研の書体帳を見直してみると、U+3030と鏡像になっていることに気付きました(U+3030は入りが↘なのに対し、SA-1は↗になる)。 つまり、JIS X 0208の1区33点「波ダッシュ」とU+301CWAVE DASHと同じような関係にあるのですね。 U+3030のソースは写研のSA-1だと勝手に思っていましたが、どうも違うようです。 U+3030の収録はUnicode 1.1ですが、どういうソースなのか、時間があるときでも調べてみようかと思いました。

2021年10月27日(水) 11:39 tlk714 @.***>:

そろそろ最終稿。もうすこし、マンガ吹き出しの図版が欲しいところですが>>敏さん、田嶋さん、(もち屋の小形さん😅 吹き出しの中の嵐(2021年10月27日).docx https://github.com/w3c/jlreq/files/7422714/2021.10.27.docx

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MurakamiShinyu commented 2 years ago

WAVY DASH (U+3030) などのダッシュ類が、一種の長音符のように使われることから、それらを KATAKANA-HIRAGANA PROLONGED SOUND MARK (U+30FC) の異体字あるいは同じカテゴリーの記号として扱うべきかというと私は違うと思います。

漫画の吹き出しでの使用例を見ると、WAVY DASH あるいは WAVE DASH と KATAKANA-HIRAGANA PROLONGED SOUND MARK の使われ方の違いはだいたい明確です。

「ほいくえんではスカートだめだから」 「そーなの?」 「ダイキチ〰〰」 「つかれた〜…」

KATAKANA-HIRAGANA PROLONGED SOUND MARK は、それを削除すると日本語として不自然になったり意味が通じなくなったりします(「スカト」「そなの」)。しかし WAVY DASH や WAVE DASH はほとんどの場合、削除しても不完全な日本語にはなりません(「ダイキチ」「つかれた」)。

音声にするときはいずれも前の母音を伸ばすということになるけれども、ダッシュ類は日本語の構文の上では必要のない余韻を追加するものであるのに対して、KATAKANA-HIRAGANA PROLONGED SOUND MARK は単語の一部となるものです。

したがって、現在のUnicodeでのカテゴリー分け

であるということは、理にかなっていると思います。もしも両方とも Letter, Modifier [Lm] にしてしまうと、ダブルクリックでの単語選択で、WAVY DASH や WAVE DASH が単語の一部として一緒に選択されることになり不便になります。

文の中に任意に入れることができて言語の意味は変えずに余韻を追加するというのもダッシュ類の機能としてあるのだと思います。

himorin commented 2 years ago

手元のハチクロをちょっと見てみましたが、、〰の利用はほとんどなく、ほとんどが三点リーダーか伸ばす記号の要でした。手書きで〰的なものはちらほらありましたが。 image image image